拡大する限界領域について

 
 

急拡大する麻薬の「処方」

 リタリン(Ritalin)という薬をご存知だろうか。正式名称はメチルフェニデート。アンフェタミン、要するに、[覚醒剤]に近い組成の薬物で、それがために依存性を有するというものだ。

 そのようなリタリン、言ってしまえば、[ソフトな覚醒剤]が米国では大量の子供に"処方"されている。ADHD ―注意欠陥多動性障害。後述するように、造られた"偽りの病"― の診断数増加と表裏をなしてだが、によって、リタリン服用者はとんでもない人数に達している。

 ジョンズ・ホプキンス大学の研究者、ダニエル・セイファー博士の弁によると、
治療によるリタリンの服用者だけでも130万人ほどいるとの試算が出せる
だそうだ。だけではない。かつてリタリンを処方されていた既往者、裏取引でリタリンを入手した服用者をも加えるとリタリンの子供への浸透度は恐るべきものとなるという。
 信じたくはないだろう。だが、数字は嘘をつかない。
 パートナーシップ・フォー・ドラッグフリー・アメリカ ― Partnership for a Drag Free America。[麻薬から自由なアメリカ]とでも訳すべきか。有名なNPO法人― が発表するところによると、である。
「アメリカのティーンエイジャーの実に9%、210万人が処方箋無しのリタリン及びリタリン類似の薬物を服用中である」
というのである。

 以上、[現代ドラッグ・シーンの一幕]についての一言紹介をなしたところで嘘の殿堂、日本のWikipedia上の記述内容にも触れておこう。その点、本稿執筆時 ―元となった自著該当部の執筆時。ゆえに多少、昔の話となる― の日本語Wikipedia上の[メチルフェニデート(リタリン)]項目記事では問題ある記述が目立つ(※)。
※Wikipedia記載内容については"これから"本稿批判内容と乖離した方向への"望ましき"改変がなされる可能性もある:私のように真実を暴く材料として、そして、社会的通念の変化を判断する材料として、Wikipediaのギガ・バイト級のダンプデータ、[jawiki-latest-pages-articlesとの名前が付されたオンライン無料取得可能な圧縮ファイル]を定期的にダウンロードしている人間にとってはどこがどう変えられたのかは実によく分るのだが)。
 日本語Wikipedia上では実に"立派な"専門家あるいは専門家気取りが「ADHDがより理解されたためにリタリンの供給量が増加した」と述べていたり、「米国児童の1-2%がリタリンを服用している」などと ―厚顔無恥にも程があることに― 書き連ねていたりするのだ。対し、そんな大嘘 (「ADHDは偽りの病と良識人に考えられている。ADHDの存在自体を完全否定する先進国も出てきている。そして、リタリンのユーザーは多く処方箋なしの人間である」/「リタリン"服用者"数は米国児童の1-2%ではすまない」) に信を置くのは[愚の骨頂]であるとしつつ、話を進めよう。

 さて、「130万人(リタリン正規処方対象者)+210万人(リタリン非正規取得者)=340万人」だ。リタリン及び類似の薬物に耽溺している(した)米国青少年の数は600万人を超過する、という説もあるが、控えめな試算を総合しても300万人を超過してしまう。凄い数だ。ここで言っておくが、リタリンはソフトな覚醒剤であると「同時に」コカインへのゲートウェイ・ドラッグ(入り口麻薬)でもあるとされている。英文Webページに詳しい解説があるが、リタリンとコカインの特性が似通っているがためだ。

 では、何故、そんなものが平然と処方という形で[公的に投与]されているのか。あるいは処方箋無しでオンラインで気軽に買える、などともてはやされているのか。あのCBSニュース(目のマークの媒体で「御用メディアだ」と陰謀論者達になじられることが多い存在)でさえ「リタリンはストリート・ドラッグだ」と報じているのに。

 それについてはロビー団体、CHADDこと[ADHDに関する子供と大人の会]が
ADHDの宣伝を製薬会社の金で行い続け、[リタリンへの市民権付与]に多大な貢献をなしたことも大きく影響している
とされもする(右CHADDはパトロンの製薬会社同様、そして、おトモダチの白い服を着た呪い師達同様、実に"楽しい"組織で国際麻薬統制委員会に規制薬物の公衆乱用を促進していると睨まれていたような組織である)。ADHDという病気が本質的には定義不明な病、大勢の人間に偽りの病と認知され、現在、オランダなどで実在すら完全否定されている病なのに、である ―日本では今時分にあってそれをなお[病気]と宣伝している"ご立派極まりない"[権威]もいるのだが―。

 とにかくも、[リタリンの処方と拡販]は米国で続行された。ADHD(処方原因)とCHADD(処方推進役)の虚偽を立証する告発も兼ねた報告が"早くから"出されていたのに、それを退けながらである。さらにリタリン中毒に関しては数々のクラスアクション(団体訴訟)が提訴されたが、リタリンを普及させている連中 ([米国で表向きの権威付けに関わらず多くの人間に軽蔑されるようになっている白服の連中]と私の著作でその離合集散につき論じている[ナチスの元スポンサーたる大規模化学カルテルIGファルベン ―自著にて詳述― の流れを汲む連中]) はそれにもめげなかった。

 そこから、どす黒い、それでいて巨大な悪意が抵抗などものともせず、冷徹に子供にソフトな覚醒剤を盛っていると考えることも決して馬鹿げた話ではないのだ。本Webサイトや自著で度々、言及した欧米で最も物議を醸すとされる人間、デービッド・アイクのような人間はリタリンの普及の裏に控えているのは「人類の精神を徹底的に懐柔するための陰謀だ」としているが、それを鼻で笑うのはあまりにも安直。そう言える程に事態は異常なのである。

 リタリンの話はここで一旦、中断して別の薬物、[麻薬]とも言われる ―副作用から[麻薬類似のもの]と言われる― 公的処方薬物についての話をなそう。プロザックがその薬物だ。
 プロザック。正式名称フルオキセチン。同薬物、リタリンと同様、大量の子供に、そして、極めて大勢の大人に米国で処方されている薬で、数多くの人間がその有害性をリタリンと並び告発する薬でもある。
 そのプロザック、SSRIなどと呼ばれる薬品群(SSRIは Selective Serotonin Reuptake Inhibitorsの略称で[選択的セロトニン再吸収阻害薬]と和訳される)の代表的なるものである。

 何?「だから、どうした。そのエス何とかが俺達にどう関わるんだよ」だと?
 については、こう言える。
SSRIはこの人間社会の最悪の操作システムに関わる薬物である可能性が濃厚にある。あるがため、[何でもやるゾンビ]を増やされると困る全ての人に関わりうる
 としつつ、その式で言えることは本記事全体で訴求するとして、とりあえず現段階では目先の微小的なる薬効の解説からなしはじめる。

 さて、SSRIは[セロトニン再吸収阻害薬]との正式名称の通りセロトニン ―高校で生物の授業を受けた方にはご記憶の方もいるだろう有名なホルモン― の吸収を妨げ、同ホルモンの有効作用量を増加させる。そういった作用がSSRI服用によってもたらされると何が起こるのか。感情が平坦化する。言葉を変えると、気分が落ち着く(明るくなるという人間もいるにはいるが、―諸英文資料を分析する限り― [一時しのぎ]だ)。それがために同プロザック、鬱病の[治療薬]として欧米では大変、よく使われている。
 だが、他面、同薬品、「薬を止めたときのリバウンドが強い」という意味で問題視されたり(プロザックが麻薬と見られる一つの理由だ)、自殺願望を促進させるという副作用が問題視されていたりもする(一説には副作用による願望からの自殺者数はかなりの人数にのぼるとも)。だけではなく、ときに殺意さえ生じさせることもある、と批判されたりもしているのだ。そのため、海外ではProzac Conspiracy『プロザックにまつわる陰謀』といった告発本も出されている。

 そのように問題多きプロザックだが、
[同薬が実に多くのアメリカ人に愛飲され、信じがたいことにその潮流が児童にもあてはまる](物識る人間が眉をひそめるか、舌鋒鋭く批判する中での話として、だ)。
 アメリカでは些細なわがままで幼児が双極性障害(躁鬱症)とみなされ、「物分りのよい」親の働きもあって[治療]を受けることもあるらしいのだが、子供の鬱病の罹患認定者、プロザックの児童服用者となるとその割合は想像を絶する。諸説入り乱れているため、具体的数値には言及しないが、
「リタリンの合法的処方数を凌ぐ勢いでプロザックが子供達に供給されている」
とだけは言っておく。

 以上、述べてきたことを念頭にアメリカ合衆国の
[プロザックを代表とするSSRI等の抗鬱剤(antidepressant)全般の乱用動向]
[抗鬱剤の実効性]

というやつを示唆する興味深いデータを挙げておこう。この方面ではとかく信じがたいようなデータがインターネット上で散見されるが、比較的、ソースがしっかりしたデータを選択、挙げておこう。

 まずは[抗鬱剤全般の乱用動向]の実態についてだ。次の「」内表記部をご覧いただきたい。

 USAトゥデイ ―悪名高いアメリカの大衆紙― は報じている。1996年から2005年にかけてアメリカ人の抗鬱剤服用人口は倍増した。いまや国民の10%近く、実に2700万人が抗鬱剤を服用している

 ロイター通信は報じている。1996年、国民の6%、1300万人が服用していた抗鬱剤の服用人口は2005年、2700万人を超過するまでになった。2008年に抗鬱剤のために書かれた処方箋数は1億6000万枚を超過する。ちなみに、黒人層の間では抗鬱剤の使用人口の増大はあまり見られない

 上に挙げたソースの中のデータ (10年間で抗鬱剤服用人口が倍増。2005年時、アメリカのプロザック服用者は2700万人に到達) に見るような[抗鬱剤の乱用動向]とは全く関係ない文脈で[アメリカの自殺数の増加率]についても ―完全に客観的なデータを探る手法で― 調べてみた。抗鬱剤服用が倍増した1996年から2005年の期間にかけての自殺者数の増加について調べてみたのだ。[抗鬱剤の実効性]というやつを探るために。

 すると、次のようなことが分かった。

 研究調査機関、ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生センター(英語での呼称はJohns Hopkins Bloomberg School of Public Health’s Center for Injury Research and Policy )は米国人の1996年から2005年の自殺率の増大を示すデータを発表した(:データの出所のジョンズ・ホプキンス大学は合衆国の最も権威ある大学の一とされ、医学分野では世界最高峰とも言われる大学である。その点、この世界の[権威]など多く"仮現"のものであるのだが、限界領域の矛盾を指摘するのに権威を持ち出すのは有用だ。仮現の権威"ですら"、との論法が成り立つからだ)。それによると自殺率の同期間の増大比率は0.7%だが、特にその増大傾向が顕著だったのは中年白人男性(自殺増加率2.7%)と中年女性(自殺増加率3.9%)だった。他面、黒人の自殺率は低下した

 興味深いのは米国の不動産バブル真盛りの[明るい時代]に抗鬱剤の服用者が多い白人中年男性と中年女性の自殺率が増大する一方で、だ。抗鬱剤の服用数が増大しなかったとロイターが報じている黒人の自殺者数が減少していることだ。絶対、お友達にはなりたくないような白衣の連中が統計学的手法 (経済学と経営学を専門として学んだ私は統計学で嘘をつくことができるのをよく知っている) を用いてWeb上で
「プロザックが自殺者の減少に貢献している」
などと発表している一方で、右のような[客観的データ]が存在しているのだ。プロザックの実効性なんてものは甚だしく怪しいものだ。抗鬱剤、特にプロザックには対症療法で情緒豊かな人間の感情を平坦化させ、何をしでかすか分からないゾンビ人間を造るための[精神汚染薬]としての実効性はあるようなのだが。

 と、ここで「プラスの実効性がないなど疑わしい」という方々もいるだろうから、そういった方々の存在を念頭に、さらに不快な話、既述のリタリンのことも含んだ上での不快な話をなさせてもらう。
 その点、アメリカを汚染しきったプロザック(アメリカのみならず英国もプロザック禍とは無縁ではないのだが)やリタリン、その他の[治療目的]で用いられる向精神薬には次のような話があることを知っておいていただきたい。

 欧米で比較的、有名なサイエンス・ジャーナリスト、ジョン・ホーガン( John Horgan )。彼は自著、 THE UNDISCOVERED MIND『(邦題)続・科学の終焉/未知なる心』で権威中の権威の言を引き以下のようなことを書いている。
 精神医療分野で用いられている薬の"有益"という意味での効き目の実に多くがプラシーボ効果(偽薬によって治った気分にさせられる効果)によるらしい。それは精神医療業界関係者"自体"の証言による。同分野の最高クラスの知識と権威の持ち主であるブラウン大学のウォルター・ブラウン( Walter Brown )、[プラシーボ効果の研究を専門とする精神科医]が精神医薬の効き目は多くプラシーボによるとの主張をなしたりしているからだ(ウォルター・ブラウンは身内の権威であったために精神科医からこっぴどく叩かれたという。身内の"恥"をさらして、社会を維持する役割に邪魔をするつもりかと

 上ジョン・ホーガンは同じく自著 THE UNDISCOVERED MINDで、
(プロザックも含まれる)SSRIがまともな治験結果を得られていないのにばらまかれている現状がある
と控え目に主張したり、
精神医療の現場で用いられる薬の一部には有益という意味での実効性がないばかりか、[身体的な意味での廃人]を造りだす悪い意味での実効性は確実にある
との衝撃的事実にも触れているのだが、とにかくも、だ。お分かりいただけただろうか。精神科医という現代のブードゥーの呪い師達が"ディール"する (精神科医は「社会の維持者ではなく社会の破壊者であり麻薬の"ディーラー"である」と欧米で少なからずの識者に堂々と指摘されているので、それにあやかって"ディール"との言葉を使わせてもらった) おクスリ、いや、ゾンビパウダーには何の[プラスの効力]もない。それは[珍しくも学のあるデューラー]自身が主張するところである、と。
(おっと。については、ディーラーなら愚か者でも口にできる反証が身近にあった。リタリンや同じく米国ティーンの間で大人気の類似薬物アデロールは「痩せられる」ともてはやされており、その式での一見、プラスに見える実効性はあった。痩せ薬こと覚醒剤、"魂"とも言うべき人間の本質を侵すソフトな覚醒剤、[ドラッグ・ゾンビへのゲートドラッグ]だから当たり前なのだが)。

 では、何故、 ―プラスの効果が似非科学に立脚していると非難され、マイナスの実効性ばかりが目立つのに― 米国では麻薬類似の薬物(あるいは麻薬そのもの)が幼児をはじめ多くの人間に合法的に配られているというのか。たとえ、既述のCHADDこと[ADHDに関する子供と大人の会]のようなロビー団体 ―CHADDは麻薬の拡散を促進したと揶揄されるロビー団体である― の存在があったとしても、そのようなことが「部分的にではなく大々的に」まかり通るのは異常極まりないことではないのか。
 それについての[背景事情]はとてもではないが、ここでだけで端的に論じきれるものではない。歴史、なかんずく、秘史に関する深い話から話しはじめる必要があるからだ。
 同点につき具体的内容を抜きに一言で言えば、
「麻薬類似の向精神薬の合法的拡散背景には[大戦前後からそれ専門の存在だった製薬企業の歴史的沿革]や[フリーメーソンと麻薬の関わり]がある」
と述べられるのだが、[記事のテーマの一貫性を損なわずにそういったことを論ずることは困難]という観点から内面にも外面にも害をもたらす薬物拡散の[背景事情]の詳細については公開した自著、本記事の出典でもある自著に譲る。そう述べるにとどめ、先に進もう(2010年、上半期には書店に並んでいるはずのものだった自著『人類と操作』は「最初から最後まで読めば」、[麻薬や麻薬類似の薬物の拡散の背景]を知ることができる仕様となっている)。

 麻薬と言うにたる向精神薬の合法的拡散の背景事情については上に述べたように自著に譲って割愛した。割愛したものの、その背景と密接に関わる向精神薬によってもたらされる[本当の意味での効果] (その薬効が今日の向精神薬に至るまで諸種雑多な麻薬が歴史的に配られてきた真因ではないか、と見ている) について私が有している一家言。それについては ―手前味噌で恐縮だが― [極めて公益性高きもの]と見ているので、ここに挙げておくこととする。自著記載内容に比し、不十分かつ見劣りする話とならざるをえないが、そして、かなり観念論的な話になり、文意を汲むのに困難を伴う部を一部、含む話とならざるをえないが、向精神薬によってもたらされる[本当の意味での効果]についての私見をここに挙げておくこととする。

 につき、第一にプロザックをはじめ多くのSSRIが脳の器官、[松果体]と生理活性物質 ―要するにホルモン― 絡みで関わっていることが問題だ、ととっている。何故か。松果体は本Webサイトの他カテゴリでも述べたように歴史的に[人間の魂の宿る場所]と識者 (近代のルネ・デカルトのような[哲学者のみならず一流の科学者]であった人物がその代表例だが、同じような考え方は古代より存在していた) とみなされていたからだ。
 何?松果体が[魂の宿る場所]だ?第三の目 ―これは非常に響きが悪い言葉であると私はとっている― 云々するニューエイジャー・チックな話を推し進めるつもりなのかだと?
 そう誤解される方がいても仕方あるまい。だが、よく知っておいて欲しい。松果体絡みのホルモンが人間の内面の変性に強く影響しているとは常識論の世界でも言われていることだということを。
 松果体はセロトニン(SSRIによって吸収を阻害され、脳にとどまるホルモンだ)からメラトニン (人間の概日リズムや睡眠、そして、月経を司るホルモン) を合成しているわけだが、セロトニンもメラトニンも[覚醒の度合い]といった観点上、人間の内面に関わるものである。仮にだが、SSRIによってそういった松果体絡みのホルモンがかき乱されたらどうなるか?
「一時的ホルモンバランスの異常のリバウンドが原因なのか」
「ホルモンバランスの異常それ自体が原因なのか」
人間の内面に[何らかの悪しき作用]が強く影響するようになるものと見る(私は人に意にそわぬ動きをもたらす[悪しき作用]があるのなら、それが何に起因するのか、大体、想像がつくが、似非科学と指弾されるような話を展開したくはないため、"ここでは"深く書かない ―ただし、自著の量子力学絡みの話などでかなり露骨な話はしている―)。
 実際、SSRIが松果体のセロトニン濃度を異常なまでに高めるとの意見もある。のような松果体におけるセロトニン高濃度が何を意味するか、は専門家ですらはきと言えないように[この世界]がなっているから(そも、一部ではなく多くの専門家が物事をつまびらやかに出来る世界なら麻薬類似の薬物の拡散など行われてはいない)、「性質が悪い」のだが、昆虫を例に考えうる悪作用を語ることは私にも出来る(「マウスではなく、昆虫かよ。話にならないな」という方もおろうが、極端なる例として持ち出したのだ)。それは[魂の再生機の暴走]とでも表するべき話となるのだが、については下の枠外補足部にて図説したので参照を願いたい

 向精神薬によってもたらされる[本当の意味での効果]として考えれることとして第二に、である。
「松果体絡みのホルモン・バランスといった話より包括的な問題として[変性意識状態へのシフト]が重要である」
と見ている。その点、向精神薬の副作用で変性意識状態 ―より簡便な言葉で言えば、「いってしまっている」状態とあいなる― になると人は他から操作を受けやすくなるのは言うまでもない(極々常識的な話をすれば、[被暗示的]になる。この手の常識的なる話には[自白剤開発]などを表向きの目的にCIAが開始し、そして、露見して問題となったLSD自国民投与実験のMKウルトラ作戦絡みの話などもある。CIAのような最も性質悪き部類の失敗に終わったともされる研究 ―後述することとする― には連中の本当の飼い主の信じがたいような思惑が作用しているととれるが)。
 さらに、変性意識状態では[幻聴]などがつきまとったりすることも重要であると見ている(非常に興味深く、かつ、重要なこととして、である。白服の最も性質の悪き部類がディールする薬物は多く[幻聴]と結びつく。リタリンは多く恐怖体験を伴っての[幻聴]をきたす覚醒剤と類似の組成を有していることより[幻聴]と容易につながるととれるし、プロザックもリバウンドとして[幻聴]をきたすとされる。また、今でもその有用性を主張する心魂を抜けたような欧米の精神科医が一部、存在しているLSD、さまざまな精神疾患の[治療]用に用いられてきたLSD ―自著にて紹介した「フリーメーソン製」リゼルグ酸ジエチルアミドたるこのLSDもDMTことジメチルトリプタミンも悪しき操り人形へのブースター[促進材料]ということでご同類だと私的には見ている― も[幻聴]と密接に関わる)。何故、[幻聴]が重要と見るか。幻聴が聞こえるような状態は"何か"に身を委ねかねない状態だからだ(その点、"何か"については ―[超陰謀論者のそれ]と括られがちな話柄ばかりが目立つ人物であるも― デービッド・アイクという男が興味深い見解を披露していることは本Webサイトや自著にてご理解いただけるだろう)。としたうえで述べるも、私の持論としてはそうした変性意識状態下の異常体験に屈するべきではないことになる。

 以上、多分に観念論的かつ似非科学的 (人によっては耐えがたいほどに非科学的か) なる話、そして、魂と呼ばれるものの属性について考えたことのなき方には意味不分明なる話になってしまったが、向精神薬によってもたらされる[本当の意味での効果]についての私見を述べさせてもらった。


※一見する限り奇異さばかりが目立つかもしれないが、意図して作成した上掲図像-の説明をなす。

 まずもって、左に挙げた二匹の昆虫からだ。うち、上の方の緑色をした昆虫は言うまでもなく[我々が子供の頃、しょっちゅう見かけていただろうバッタ]だ。では、下の黄土色の昆虫は色からしてコオロギかなにかか?いや、違う。上のバッタと全く同じ生物だ(20世紀前半になってようやっと[判明]したこととして)。イナゴ。漢字で書くとコウこと[蝗]となるバッタの変異体で、空を覆わんばかりの大群で作物を荒らし、人間社会に度々、飢餓とそれとワンセットになった悲劇を巻き起こしてきた生き物である(例えば、聖書という妄言文書に含まれる『黙示録』。その[第9章11節]に登場するアバドンなる存在は、[獣の印なき者達]をイナゴの大群によって苦しめるとある。それは、そう、変異してしまった生き物による害を表したものととれる)。

 では、「いかにしてバッタはイナゴになってしまうのか」。端的に言えば、こうなる。

 バッタの個体密度が数世代、ある一定値を超えていると[孤独相]から[群生相]へのシフトが起こる。翅が長く、後肢が短くなり、そして、色も変わってイナゴになるのだ(高校で生物の授業を比較的、まじめに受けていた方には、のような話をご記憶の方もいるだろう。いわゆる[密度効果]の話だ)。結果、彼らは移動性の生き物として群れて飛び立ち、作物を食い荒らすようになる

 が、上だけでは、まだ、変異につきすべてを説明しきったことにならない。「何故、変異が起こるのか」。その点について述べていない。
 とした上で言うも、バッタ(孤独相)からイナゴ(群生相)への変異メカニズムは、"はっきり"とは分かっていない。はっきりとは分かってはいないものの、最近になって、本記事で述べてきたことと接合することが影響していると学究の世界で考えられるようになってきている。次のようなことがあるために、である。

 「オックスフォード大学とケンブリッジ大学の研究チームがバッタの変異にはセロトニン密度の増加が作用していると発表した」。

 権威中の権威、いわゆるオックスブリッジの連中の言うことなら間違いなしだろう、と即断出来はしないが、とにかくもだ。セロトニン密度の増大がバッタをイナゴに変えてしまうという話は非常に興味深く、かつ、重要な話だ。何故か。によって、まさに本記事本文の内容に接合することなのだが、白服の最も性質悪き部類が似非科学論法に基づいて合法的に拡散している薬物、SSRI ―プロザックで代表されるようなSSRI― が人間のセロトニンの吸収を阻害するからである(SSRIは上述したように[セロトニン再吸収阻害薬]の英文略称である)。
 セロトニンの再吸収が阻害され、セロトニンが脳に強く影響するようになれば、どうなるか。仮に脳が[魂の再生機]にすぎないとしても、だ(私は脳が音叉間の共鳴メカニズムのような形で魂と呼ばれる量子力学的なる意味での"本質"をこの世界に再生するための装置だととらえている:自著にて記述した極一部の欧米正統派物理学者の唱える仮説を受けて、である)。自由を束縛する方向での[再生を阻害する雑音]が入りやすくなると見ている。そういった話の延長線上の話として何が起こるか。敢えて、仮面ライダーいや、バッタの話を挙げた理由を含んでいただいたうえで論ずるまでもないだろう。
本記事で問題としたLSDのセロトニン絡みの作用機序はSSRIのそれと矛盾しているようにとれもする。が、それについては[リバウンド]が大きな意味を持っているらしいとだけ、述べ、他の麻薬、覚醒剤類似のMDMAのようなセロトニンを放出させる麻薬も巻き込み、セロトニンの作用が人の内心に改変を強いていることに関しては変わりないと訴求しておく)。

 上掲左の昆虫たちの図の解説はここまでとして、上掲中央。ここで問題としているセロトニンの構造式だ。そのように構造式などを挙げつつ、合法的ドラッグ・ディーラー達が人間社会のセロトニン作用形態を改変していること、「あまりにも不自然な根拠 ―というより言い分― に基づき」セロトニンの作用形態を改変していることを問責することとした。[上掲右側にて挙げた写真に見る"権威"によって代表される連中]が「似非科学に立脚して麻薬を拡散している」ことを問責することとした(上掲図をよくご覧いただいたうえで続く内容を読んでいただきたい)。

 上の右側にて挙げたのはフロイトの写真だ。フロイトは今日の合法的麻薬ディーラー達の[権威の源泉]だが、実のことを言ってその名前の時点で「詐欺師だ」と陰口を叩かれている。フロイトことFreudがその名のアルファベットでの綴りだが、それは一文字換えれば、Fraud(詐欺師)となるからだ。そして、そういった物言いは
[実験と観察を重要視する科学的精神から見ると信じがたいような妄言を学問体系にでっち上げたフロイトのやり口]
を顧慮すれば、[実に妥当な表現]としか言いようがない(フロイトがいかにグロテスクで根拠曖昧な戯言をほざいていたか、科学的な見地から見てみれば、分かるはずだ:宗教の教祖と同じであると分かるはずだ)。に関し、今日の合法的麻薬ディーラーはこう反論するかもしれない(欧米のサイエンス・ジャーナリストの書に見ることが出来る典型的な"連中"の主張としてだ)。

 「確かにフロイトの発想法は科学的か、というとそうではない側面もあり(正確には科学的側面など「1ミリもなかった」だが)、限界をはらんでいたのは事実だ。が、今日の我々の拠って立つところはフロイト精神分析学ではない。我々は科学的見地に基づいて狂気に向き合っているのだ」。

 が、上は阿呆の戯言であり、[二重の意味での虚偽]を胚胎した物言いでもある。何故、そのように言えるのか。長くなるも、説明を講じよう。

 まずもって、上のような想定される反論が「フロイト流精神分析学が今日の精神科医達の拠って立つところではない」としている点についてだ。そのような書物に見られるような"よくある物言い"は今日の精神科医の[不磨の大典](揺るぎがたい経典)が化学療法 (ドラッグ拡散) と外科的療法 (電気ショック。一時期は廃人化技術のロボトミー手術も積極活用) を二本柱としたもの、[科学的なるもの]となっていることと表裏をなしている。表裏をなしているのであるが、そも、そこで科学的治療法と"される"ものはフロイト流治療法と同様、「実は何ら科学的根拠を有していない」ということがある。[本当の意味での識者達の間の常識]として、である()。

上に言う「科学的根拠がない」とは「広く当てはまる再現性がない」と同義である。
 とした上で述べておくが、
「内面の問題を扱う白服、フロイトの卒業者を自認する白服達が貴ぶ"治療"方法にはプラスの意味での科学的根拠はなくともマイナスの意味での効果とその科学的根拠は確かにある」。
 覚醒剤のような麻薬の使用は当然のこととして服用者にマイナスの効果を及ぼすだろう?電気ショックは脳細胞を焼き殺すだろう? ―[単純な意味でのマイナスの効果]の再現性あり―。
 ただ、[マイナスの意味での実効性]の話に関しても、
[器質的障害を引き起こすという低次の意味でのマイナスの実効性]
を超えて
[内面の改変がもたらされるという高度な意味でのマイナスの効果とその科学的根拠]
の有無には疑義を差し挟める余地がある。先に述べたような米国の自殺者増加統計があっても疑義を差し挟める余地があるので、付言をなしておく。[電気ショック療法とクスリの併用]という毒物供給集団の常套手段を俎上に、である。
 については、洗脳手段や自白手段確立といった表向きの目的でもってCIAのような最低の連中が飼っていた白服のドラッグ・ディーラーの世界的大ボスたちが、[電気ショックとドラッグの完全違法レベルでの併用]を執拗に繰り返していたことに触れる必要がある ―右は比較的、有名な話だ。本Webサイト上でもユーイン・キャメロンといった類がCIAに飼われていたことを[自由の国での実験について]という記事にてまとめている―。
 潤沢な資金的バックアップがあり、違法込みで何でもできた白服の世界的トップたちが[内面の改変]、被暗示性・意志の弱さといった要素と結びついた[内面の改変]という"成果"を挙げられずに廃人しか造れなかったとされるがゆえに、である。ここで問題とする式での精神医療行為 (現時、白服達が実効性あると唱道する[電気ショック療法とクスリの併用]) には「プラスの効果の根拠がないと同時に精神・身体の"器質的"破壊以外の意味での[高度なマイナスの効果、及び、その科学的根拠]もない」とする識者も海外にいるのだ(要するに、身体の物理的破壊の文脈以外では毒にも薬にもならない、とする識者も海外にいる。良く言えば、プラシーボはあくまでもプラシーボという文脈でだ)。
 が、私は『そうではないだろう』ととらえている。
 下位カルト、オウム真理教の一部の輩がCIA御用達の白服達(ユーイン・キャメロンなど)の手法を踏襲、イニシエーションなどと題して電気ショックとLSD服用をご同類に試み、ああいったことをやってのけたわけだから、[心魂のレベルでよりゾンビに近しい存在や精神がより悲劇的状況に陥った人間を造る上での実効性]、ただ単純に廃人を造るという意味以上での高度なマイナスの実効性も"自称"治療行為にはあるように見えるのである ―余談だが、犬と屑の集団、オウムで洗脳を担当し、あのサリンの撒布を知っていて等閑視していたとも言われる白服は堀の外でのうのうとしていると日本語Wikipediaにさえ書かれている。それがこの世界だ―。
 さて、マイナスの実効性についてばかり延々、話してしまったが、肝心要の[プラスの実効性の科学的根拠]についてはだ。既述の書、 THE UNDISCOVERED MINDの著者、ジョン・ホーガンが
「(ディーラー達の存立基盤は)一見、科学的医療との体裁をとった似非科学そのものだろう」
と[治験結果]などを引き合いに控え目に指摘していたり、より露骨な指摘をなすジャーナリストや学究が欧米にて多々、見受けられる、とだけしておく:右の「プラスの実効性の科学的根拠がない」という話については ―貴方が英語を解するのならだが― それなりの資料を英文インターネットから入手できるだろう
)。

 括弧内の"ためになしたような"付言が長くなってしまったも、以上、「科学的根拠に依拠した医療 ―プラスの効果をもたらす行為― というのが嘘である」というのが一点目の虚偽

 次いで、精神科医などとも呼ばれる合法的ドラッグ・ディーラー達が[フロイトの後裔]ではなく、[フロイトからの卒業者]を自称することも嘘で、それが第二の虚偽となる。
 同輩の白服(医者)の中でも取り立てて軽蔑されている"連中"は実はフロイトの[確たる後継者]で、[フロイトからの卒業者]などではない。連中が今日、勢威を奮っていられるのは全て[フロイト先生のおかげ]であり、その残滓がそこかしこに見受けられるからだ。
 その点、
「合法的ドラッグ・ディーラーに呪いツール(精神分析学)を与えたのがフロイトである」
ということもあるのだが、より重要なのは
「フロイトが死してなお、今日なお合法的麻薬拡散に最大限、寄与している」
という側面が垣間見れることである。
 その端緒として語るべきは The Tavistock Institute of Human Relationsこと[タビストック人間関係研究所]である。同研究所、日本では多く嘘を内包した陰謀論者の話柄にしかその名を見出すことが出来ない存在だが、そういった陰謀論にも[真実]が一部、内包されており、現実に極めて性質悪き存在である(魂の問題を扱うことが出来ず、多く騙すことしかしない陰謀論者たちも部分的には真実を口にする)。何故か。「タビストックが麻薬を拡散しつつ、社会基盤を破壊する連中の供給母体(かつ後方支援拠点)だ」と客観的に言えるからだ。[純粋なる人脈上の問題]として、である
 については、プロザックのようなSSRIを社会にばら撒いてきたロックフェラー系製薬会社のイーライ・リリー社 ―リタリンの供給母体と異なり[直接的なるナチスドイツ系]ではないが似たり寄ったりな企業― 、最近では乳幼児にもプロザックミルクを配っている同社[タビストック研究所の代表選手達の活躍のおかげで"仮現"の権威を与えられ、そこら中で影響力を行使するように至った白服の連中達]のドラッグ・ディーリング奏功で大変、潤うことができた、と述べれば、十二分だろう(言葉を換えれば、内面を悪しき意味で改変すると後ろ指を指される薬に多くの人間が依存するようになった。イーライ・リリーの裏にいる連中がタビストックのパトロンである)。
 そのタビストック人間関係研究所の母体がロンドンはブルームズ・ベリーに存在するタビストック・クリニックなのだが、精神医療業界に課せられたコンセンサスを規定し続けた同組織、フロイトの似非科学体系を存立基盤に人類史に登場し、なおかつ、現在でもその歴史に少なからず酔っている(フロイトの銅像がタビストック・クリニックの正面に堂々と飾られていることもそうだ)。そういった本家本元(タビストック)の[フロイトの後裔]としての側面ゆえに、その本家本元の権威のお陰で食っていける連中 ([社会を喰っている連中]でもあるが) の一部はドラッグ・ディーリングと併せてフロイトの[精神分析ごっこ]を今なお、やっている(連中の[内面の程度]を考えれば、実に傲岸な行為だが)。
 白服のそれ専門の者達が[フロイトからの卒業者]を自称することが虚偽であることはお分かりいただけただろう。

 以上、ドラッグ・ディーラーのいかにもなしそうな想定反論が[二重の虚偽]を含んでいるとの解説をなした。その[二重の虚偽の話]を含んでいただいたうえで再度、[上掲のセロトニン構造式を含む図像群]を見てもらえれば、だ。フロイトがFreudではなく、Fraud[詐欺師]だと「時事問題として」裏で馬鹿にされ、揶揄されていて、それはそれは当然の原因にして帰結だとご納得いただけるか、と思う。
フロイトは英文で言うところのフロド、こと、詐欺師だが、フロドという名前で"個人的"に思い出すのは近年、[二つの塔]という原題に近い名で"絶妙なタイミング"で映画化された文学作品だ。その作品、ロード・オブ・ザ・リングこと『指輪物語』は詐欺師とスペルが違うフロドが悪しきリングを溶岩に捨てにいく話ではあったが、フロイトとその後裔の方は、そう、詐欺師フロド達の方は指輪を溶岩に捨てられると困る方の一党であるとれる。要するに、映画で[亜空間から覗く爬虫類の一つ目で表されていた存在]の配下であるととれさえもする。放言があまりにもすぎたものになってしまったのでこの辺で抑えておくが)。

 以上で上掲の図の抜粋意図は説明しきった。


 枠線で区切った図の紹介部を書き終えたところでそろそろ締めくくりとしよう。とした上で、読者の中に次のような批判をなしたい方もいるかもしれない(ので、それを期して最後に一人問答をなしておくこととする)。

 あんたは何だかんだ言って、社会の正気を守る役割にいる人達が麻薬のディーラーであると言っているよな。じゃあ、何かよ。悪霊に憑かれたような人間を誰が救うんだ?その憑かれたような病人の暴走からどうやって社会を守るんだよ?昔はな。家中にキツネ憑きが出れば幽閉して社会の安寧を守ったんだよ。今のカトリックにだって狂気を抑え込むためのエクソシストがいるんだよ。誰かが狂気に歯止めをかけなきゃならないんだ。インチキでも呪い師でも何でもいい。社会の正気さえ守れば、理屈付けはどうだっていい。それを全否定してどうするんだよ

 ふむ。もっともだ。であるが、そういった批判をなしたいという方は把握しておくべきだ。白服の連中は[狂気を抑え込むための呪い師]ですらない。そのことを訴求する材料になるのが映画だ(ここで挙げるのはLSD拡散人脈につらなる『カッコウの巣の上で』のようなロボトミー手術批判小説の映画化作品ではない。そのような薄い話は私はしない)。
 そこにいう映画、『エクソシスト』という呪い師絡みの映画を見たことがおありだろうか。あの映画は[パズス]という悪魔に憑依された人間を描いていた映画、これぞまさに[宗教という妄言体系の体現映画]だったのだが、そこにいうパズス、イナゴの害、要するに蝗害の古代メソポタミア版象徴物だとされる
 さて、精神医療に携わる連中、現代のエクソシスト達のやっていることは?バッタをイナゴをに変えるとされるホルモン、セロトニンの作用量を増大させる薬、SSRIを大衆に配ることである。SSRIの代表選手、プロザックには自殺を多発させている以外に他殺を助長させているとの批判もあるとは一言、本記事で述べているが、そういった視点から白服達は[狂気を抑える呪い師]ではなく、パズスに体現される蝗害を人類にまき散らす悪魔に魂を売った連中だとさえ「言える」のである(悪魔という言葉は"比喩"として用いた。先に『黙示録』"第9章11節"の蝗害の具現化存在、アバドンの名前を引いたのと同様に、である)。
 だから、白服の連中は呪い師は呪い師でもゾンビ・パウダーを配る[ブードゥーの呪い師]といった文脈以外では欧米で呪い師( Witch Doctor )となかなか呼ばれないのだ(くどいが、ゾンビ・パウダーことプロザックで異常心理が増幅されて、[狂気が拡散されている]との意見が欧米には根強くある)。

 また、「社会の正気を守る」という言葉にも実は詐術の根がある。
 日本ではどこぞやの輩が[馬鹿の壁]とかいう言葉をこさえて、私も恥ずべきことにその近縁に勤めていたことがあるメディアに激賞されてはいたが、「正気を守る」というフレーズは「[馬鹿のチャイニーズ・ウォール(万里の長城)]をこさえる」こととも通底する言葉だ。抜かりなく外敵としての狂気から身を守っているつもりで、実は内に狂気をため込んでいる。だから、この世界ではどんな不条理も見過ごされるのだ(私が本Webサイトの[問題意識の所在]で18万字超を割いて割いて論じたことをよくご覧になられるといい。馬鹿の長城の先にあるのは破滅的状況たりうることがよく分かるはずだ)。
 つい最近、封切られたばかりの小説からの映画化作品、 Shutter Island『シャッター・アイランド』がそのことを隠喩的に指し示している。ご覧になられた方以外にはしっくりこないかもしれないが、同映画、この世の中にいそうで絶対にいないだろうと思われる分裂症患者が主人公の映画だった。そして、その主人公、[告発すべき悪に負けて狂気の座に追われた存在]、[ロボトミー手術にかけられて廃人にさせられる人間の象徴]として描かれている風がある。同映画劇中で主人公は[明示的にはただの狂人]ということになっているのだが、同映画がCIAと精神医療界のトップがかかわった人体実験、ドイツ語を用いて命名されている人体実験 ―本Webサイト上の[自由の国の実験について]という記事を参照のこと― をモチーフにプロットが練られている節があるからそのように言えるのである(右のようなことを堂々と指摘できる人間は日本には絶無に近しい。私的には劇中、史実としての人体実験のメタファーだけではなく、フリーメーソンのメタファーが垣間見れることを興味深くとっているのだが:マーティン・スコセッシ、『シャッター・アイランド』を撮った同映画監督の作品では興味深い描写がなされているケースも多い)。
 さて、『シャッター・アイランド』登場のいそうで存在しないだろう狂人とは本来は異なる人間、社会の軌道修正をなさしめる力をもった人間が映画よろしく狂人とみなされ、時にパージ(放逐)されていたことがこの世界でどれほどまかりとおっていただろうか。そして、いまなお、まかりとおっているだろうか(魔女を「火炙りで治療していた」異端審問が過去の出来事だと思ったら大間違いだ)。

 [大人の常識人]からの想定される批判を念頭に反論をなしたところで、だ。本記事を終えることとしよう。

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