典拠となるところの明示[135]――「際立っての」予見的小説 Thrice Upon a Time
までもが本稿にて示してきた多重的関係性の環に入っていることの論証として

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本稿前半部にて【文献的事実】の問題としてのその[水際立っての先覚性]について取り上げもしてきた小説作品と[ヘラクレス12功業]の関係性について

 先立っての頁では以下、関連図の再掲をなしもするような式での先覚性を伴っての作品であること、示してきた Thrice Upon a Time『未来からのホットライン』(および同作より露骨かつ悪質なる先覚的言及をなしていると判じられる作品 Adrift Just off the Islets of Langerhans:Latitude 38°54'N,Longitude77°00'13W (邦題)『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』)についてさらに問題となることを摘示すると申し述べた。

(本稿の直前頁、出典(Source)紹介の部110にて細かくもの典拠を示してきたところとしての小説『未来からのホットライン』の先覚描写のありようにまつわっての再掲図)

 具体的にこれより何を問題視すると申し述べもしていたかだが、「それは、」文量長大なるものとなっている本稿にあっての核たる訴求事項であること何度となく強調なしてきた、

【ヘラクレスの計12に及ぶ功業】、【(ヘラクレス第11功業に見る)巨人アトラス】、【トロイア崩壊伝承に見るトロイア崩壊の原因たる(他伝承では巨人アトラスが在処を把握するとされる)黄金の林檎】、【巨人アトラスともトロイア崩壊元凶たる黄金の林檎とも史的に結びつけられてきたとのアトランティス沈没伝承】、【アトラスやアトランティスといった固有名詞を付されてのLHC実験におけるブラックホール生成論議に関わる事物】との要素らのうちの「複数」を特色として帯びつつ、かつ、【911の事件の発生(態様)にまつわる予見的言及】ないし【ブラックホール人為生成問題にまつわる「先覚的言及」】の一方、あるいは、その双方の特徴を呈しているとの文物らが「不可解に」存在している]

との事柄が【LHC実験にまつわる露骨なる予見小説としての顔を持つ作品】である Thrice Upon a Time『未来からのホットライン』(および同作より露骨かつ悪質なる先覚的言及をなしていると判じられる作品 Adrift Just off the Islets of Langerhans:Latitude 38°54'N,Longitude77°00'13W (邦題)『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』)「にも」当てはまるとのことを示すとのこととなる。

 その点、直前頁では表記のことについて Thrice Upon a Time『未来からのホットライン』についてから解説すると述べ、粗筋紹介を細かくもなしもした同作、その粗筋にあって[ブラックホールに起因する災厄を過去改変によって回避した人類に襲いかかることになった人造ウィルスによる災厄]に対して作中、[センチュリオン]という秘匿コード名が持ち出されていることが問題になると申し述べた。

 以上、極々端的に振り返ったうえで本頁の内容に入ることとする。

(前頁より、各別、長々としたものになると申し述べていたところの1.から3.と区分けしての部にこれより入るとして)

 主軸として問題となるところとして小説『未来からのホットライン』に見る、

[センチュリオン ―人工衛星で生成の人造ウィルスによる死に至る神経の病の拡散・猖獗(しょうけつ)と結びつく秘匿コード― ]

という言葉に伴う性質が[ヘラクレス12功業]と多重的関係性を呈しているとのことがある。

 その点、本稿では

「[LHC]が[ヘラクレス12功業](の中の11番目の功業に見るアトラスと黄金の林檎の物語)とが純・記号論的なる事実の問題として結びついているとのことを指摘できるようになっている(ことを延々と指し示してきた)」

わけではあるが(つい最前の段でも、にまつわっての振り返り表記をなしている)、

[センチュリオン](額面通りにはローマの百人隊長のことを指す名詞/カード会社アメリカン・エキスプレスのよく知られたローマ兵士の横顔デザインに見るようにセンチュリオンとは古代ローマの軍制における100人の兵士の長である)

を巡る小説のやりようは ―これよりその点についての解説をなすが― ヘラクレスの悲惨なる最期と強くも相関関係を呈しているとのことが「ある」。

 媒介項となるのは
[[センチュリオン]と[ケンタウロス]の関係性]
となる。

 図の左側はケンタウロス・ネッソスを打ちのめすヘラクレス像(フィレンツェに現況、存在しているとの16世紀末葉の彫刻家Giambolognaジャンボローニャの作)を写し撮った写真となり、図の右側はローマの百人隊長ケンタウロスの想像されるところの再現画となる ――左側の彫像写真の出典は Project Gutenbergよりダウンロード可能な Stories of Old Greece and Rome(1913)との著作となり、右側の再現図の出典は同文に Project Gutenbergより全文ダウンロード可能なラテン語初学者向けの著作 Latin for Beginnnersとなる―― 。

 いかようにして[[ローマの百人隊長の呼称]と[ケンタウロス(半人半馬の存在)]の関係性]が問題になると述べもするのか。

 それにつき、[センチュリオン](ローマの百人隊長)と[ケンタウロス]の間には関係があるとの関係性それ自体にまつわる話に先んじてまずもって述べれば、

[ネッソスという名のケンタウロスに由来する[ヒドラの毒による奸計]で焼け爛れて苦悩の中、死んでいくとの最期をヘラクレスが遂げている]

とのことが伝わっていることが問題となる(以下、典拠紹介の部を参照のこと)。


| 出典(Source)紹介の部110(2) |

 ここ出典(Source)紹介の部110(2)にあっては

[ネッソスという名のケンタウロスに由来する[ヒドラの毒による奸計]で焼け爛れて苦悩の中、死んでいくとの最期をヘラクレスが遂げているとの筋立てが今日に伝わっている]

とのことの典拠を挙げることとする。

(直下、英文Wikipedia[Heracles]項目(ヘラクレスの英語読みを体現しての[Hercules(ハーキュリーズ)]項目とは現行別項目として設けられている項目)にてのMarriages(結婚)の節より抜粋をなすとして)

His third marriage was to Deianira, for whom he had to fight the river god Achelous (upon Achelous' death, Heracles removed one of his horns and gave it to some nymphs who turned it into the cornucopia.) Soon after they wed, Heracles and Deianira had to cross a river, and a centaur named Nessus offered to help Deianira across but then attempted to rape her. Enraged, Heracles shot the centaur from the opposite shore with a poisoned arrow (tipped with the Lernaean Hydra's blood) and killed him. As he lay dying, Nessus plotted revenge, told Deianira to gather up his blood and spilled semen and, if she ever wanted to prevent Heracles from having affairs with other women, she should apply them to his vestments. Nessus knew that his blood had become tainted by the poisonous blood of the Hydra, and would burn through the skin of anyone it touched.Later, when Deianira suspected that Heracles was fond of Iole, she soaked a shirt of his in the mixture, creating the poisoned shirt of Nessus. Heracles' servant, Lichas, brought him the shirt and he put it on. Instantly he was in agony, the cloth burning into him. As he tried to remove it, the flesh ripped from his bones. Heracles chose a voluntary death, asking that a pyre be built for him to end his suffering.

(逐語訳に代えて大要を示すところとして)
「ヘラクレスの三度目の結婚はデイラネイアという女、彼が河の神アケオロスとから勝ち取ったとの女との間のものであった。結婚してすぐ後に彼・彼女らは河を渡ろうと試みていると、ネッソス(英文読み:ネッサス)がデイラネイアの渡河を手伝う申し出をなしつつその実、彼女をレイプしようとした。それに気付いたヘラクレスが[レルネーのヒュドラ](ヘラクレスが12功業の内の二番目の功業にて誅伐した9つの頭を持つ蛇)の毒に浸して用いていた愛用の矢でネッソスを射て殺した。そのネッソスがまさに死のうとしている時、ネッソスはデイラネイアに「ヘラクレスのそなたに対する愛が冷めたらば、このネッソスの血と精液を彼の衣服に塗りたくればよい」と助言をなした(実際には自身の身体に廻ったヒドラの毒をヘラクレスにお見舞いしてやろうとの今際の際の奸計を弄した)。後年、ヘラクレスが別の女性(イオレー)を愛した折、デイラネイアはネッソスに言われたとおりに彼の衣服をネッソスの残留物と混ぜてヘラクレスの従僕リカースを介してヘラクレスにそれを着させしめんとした。その結果、間を経ずにヘラクレスに毒が回り、(苦しみもがいた挙げ句)、彼は自死を選んだ」

(以上、訳を付しての引用部とする)

(さらに続いて直下、同様のことについて和文ウィキペディア[ヘーラクレース]項目にての[ヘーラクレースの最期]の節にての現行の記載よりの抜粋をなすとして)

 あるとき、デーイアネイラと息子ヒュロスとともに川を渡ろうとして、ヘーラクレースがヒュロスを担ぎ、ケンタウロスのネッソスがデーイアネイラを担ぐと申し出たので頼んだ。しかし、ネッソスがデーイアネイラを犯そうとしたためにヘーラクレースはヒュドラーの毒矢でこれを射殺した。ネッソスはいまわの際に、「自分の血は媚薬になるので、ヘーラクレースの愛が減じたときに衣服をこれに浸して着せれば効果がある」と言い残した。デーイアネイラはその言葉を信じ、ネッソスの血を採っておいた。
 後にヘーラクレースがオイカリアの王女イオレーを手に入れようとしているのを察したデーイアネイラは、ネッソスの血に浸した服をリカースに渡してヘーラクレースに送った。ヘーラクレースがこれを身につけたところ、たちまちヒュドラーの猛毒が回って体が焼けただれ始めて苦しみ、怒ってリカースを海に投げて殺した。観念したヘーラクレースは木を積み上げてその上に身を横たえ、ポイアースに弓を与え(後にこの弓はポイアースの息子ピロクテーテースのものになる)、火を点けるように頼んだ(火を点けたのはピロクテーテースだともいわれる)。こうしてヘーラクレースは炎に包まれて死んだ。これを知ったデーイアネイラは自殺した。

(引用部はここまでとする)

(※ Project Gutenbergにて公開されている Specimens of Greek Tragedy(1893)との資料にあって古代ギリシャの代表的悲劇作家ソフォクレス ―日本の高校生でもその名の暗記が強いられてのお受験勉強で求められるような古代ギリシャ、紀元前5世紀の著名悲劇作家ソフォクレス(代表作『オイディプス王』)― の手になる悲劇たる The Trachiniae(別呼称 Women of Trachis)の慷慨(要旨)として Deianira, the wife of Hercules, fears that she has lost her husband's love, and that it has been transferred to the beautiful captive Iole, whom he has brought back with him on his return in triumph from the storming of Oechalia. She bethinks her of a love-charm which she has long had among her treasures. It is the blood of Nessus, the Centaur, who, having offered her violence, and received his death-wound from Hercules in her defence, had perfidiously persuaded her that his blood would win back her husband's love. The blood, being infected with the poison of the Lernsean Hydra, in which the arrows of Hercules were dipped, proves the deadly instrument of the Centaur's posthumous vengeance. Deianira sends a robe sprinkled with it as a gift to Hercules, who, having put on the robe to offer his triumphal sacrifice, expires in fiery torments.と表記されている(いちいちもって訳は付さない)ことよりも窺い知れること、そして、その他、流布情報のチェックでもそうだろうと判じられるところとして[ヘラクレスが【ヒドラの毒】【ヘラクレス妻デイラネイアに対するケンタウロス・ネッソスによる計略】によって最期を迎えることになった]との筋立ての最古の材源はソフォクレスの特定悲劇に求めることができるもののようである)

 左は先にも挙げたところの妻となるデイラネイア(後に[間接正犯の道具]として用いられるとのことになりもした[嫉妬する者]を意味する名の女)を陵辱しようとしたケンタウロス・ネッサスを成敗しようとするヘラクレスを彫ったルネサンス期彫像。
 右はヘラクレスにヒドラの毒添付の矢で射られてまさに死に行くネッサスが今際の際に講じた復讐の一計に関わる毒入りシャツ(チューニック・オブ・ネッサスと呼ばれるもの)を描いた画となり、ルネサンス期の木版画として英文Wikipedia[ Shirt of Nessus ]項目に掲載されているものとなる。
 ケンタウロス・ネッサスが
[「死に行く自分の体液には媚薬としての効能があるから愛が冷めれば、それを衣服に塗って用いるがいい」と(自身が彼女を陵辱せんとして逆に殺されることになったとのその状況下、側にいたとの)デイラネイアをたばかってヒドラの毒の矢毒が混入された自身の体液をヘラクレスが浴びる可能性がある契機]
を造りだし、後に従者リカース経緯でデイラネイアからその下着がヘラクレスに送られ、ヘラクレスが苦悶の死を遂げることになるとのその運びのまさに最終局面直前のありようを上掲右の木版画は描いているものとなる(ネッサスやりようは死亡した後の[間接正犯の式]として非常に巧妙なものとなっている。[自身の死因]を[自身の殺害者の時限性の死における死因]へと虚言・虚語にて即座に転化しているとの側面があるからである)

出典(Source)紹介の部110(2)はここまでとする)


 ヘラクレスは上にて紹介のように[ケンタウロ・ネッソスによるヒドラの毒を利用しての計略]によって苦悶の内に死んでいるのだが、さて、小説に見る[センチュリオン](Centurion)という語句と[ケンタウロ](Centauro:ケンタウロことチェンタウロはイタリア語でケンタウロスの男性形を指す語となる/ちなみに伊語Italyでケンタウロス女性形はCentauraチェンタウラと表する)との語句を並べて見ると
[以下表記のこと]
が分かる ――(強くも断っておきたきこととして:ここではケンタウロスの英語表記[Centaurセントール]を比較対象として使わずにCentauroを比較対象としている.その理由は(後の段で細かくも解説するが)そちら[ケンタウロ](チェンタウロ)がブラックホール生成問題とも関わりうるとの固有名詞と現実の科学界で結びつけられてきたとの背景が存するからである)―― 。

 Centurionとの言葉は「語順込みにして」男性ケンタウロスを意味する単語Centauroを構成する8字中、7字を共有している (いいだろうか.ケンタウロスはケンタウロのアルファベット綴りは8字中7字を共通文字の登場順序も含めてセンチュリオンと共有しているとのことになっている.尚、「英語で顧慮するとしても」英語語句Centaurセントールの7字中6字は語順込みに英語語句Centurionと共有関係にあると摘示できもする) 。

 一致する部をカギ括弧(「」)で囲めば、
Cent」「ur」i「o」n
Cent」a「ur」「o

との形となっているわけである(英語一般表記CentaurセントールならばCent」a「ur

 以上のスペリング、綴(つづ)りにあっての近接関係に加えて

[意味的近接関係]

もまた存在する。

 その意味的近接関係とは

[ケンタウロスと[ヒドラの毒](ヴェノム)の関わり合い]

に通ずるところのものとなる。
 
 その点もってして、

[ヘラクレスはCentauro[ケンタウロ](ネッソス)の奸計によってヒドラの[毒]によって死んでいる](出典(Source)紹介の部110(2)

[小説『未来からのホットライン』ではCenturion[センチュリオン]との秘匿コードを付されてのウィルスにての[毒]で作中世界に災禍がもたらされる](出典(Source)紹介の部110

とのことがそれぞれにある。

 ゆえに[[毒物]による災厄]との共通性が観念できるというわけである(別段勿体ぶって言うほどもないとの単純なことではあるが)。

 また、直前直近までの指摘 【単語センチュリオンと単語ケンタウロには語順込みで文字数の大部分共有がみとめられるとの指摘】および【単語センチュリオンをもちだす小説の筋立てとヘラクレス伝承に見る代表的ケンタウロスのやりようは双方共に[毒]と結びついているとの指摘】 をなす必要「すら」そもそもない、[センチュリオンとケンタウロスは現実に接続している]との証跡の実在に関わるところでもってしてそのように向きによってはとらえるかもしれないようなところとして以下にて呈示のこともがありもする。


 女流神話研究家として著名なバーバラ・ウォーカー、彼女の大著である The Woman's Encyclopedia of Myths and Secrets(邦題)『神話・伝承事典 失われた女神たちの復権』にあっては次のような記述がなされている。
⇒(以下、アルファベット順辞典方式の著作である The Woman's Encyclopedia of Myths and Secretsにおける[Centaurs]の項目より引用なすとして)
Centaurs:Greek horse-spirits derived from Hindu asvins and the man-horse wizards of central Asia. Centaurs were magic shape shifters, and teachers of the Hellenic gods. Their most familiar appearance was with the head and shoulders of a man and the body and legs of a horse. Their other name was Magnetes, "great ones." They have been connected with Latin centuria, a company of 100 soldiers. Perpetual rivals of the Centaurs were the Lapiths, "men-who-use-stone-weapons," a hint of their extreme antiquity.(訳として)「ケンタウロスとはヒンドゥーのAshvins(注:リグ・ヴェーダに登場する馬の神)および中央アジアの半人半馬の魔法使いに由来しているギリシャの馬の精霊である.ケンタウロスらは魔法にて似姿を換えもするとの存在であり、また、ギリシャの神々の教師でもあった.その最もよく知られた形態は頭から肩にかけて人間、そして、四肢・身体が馬のそれであるとのものである.彼らの名はマグニートのそれ、すなわち、偉大なる者のそれであった.彼らケンタウロスはラテン語にあってのセンチュリア(ケントゥリア)、すなわち、100の兵士の一団(100人隊)と結びつけられてきた.ケンタウロスにとっての宿年の敵はラピス族、その起源の極めて古きことを推し量れる石の武器を使うとの人々であった」(訳付しての引用部はここまでとする)
 以上のバーバラ・ウォーカーの The Woman's Encyclopedia of Myths and Secretsにあっての記述、その典拠は同著に記載されている出典(にまつわっての記号化されての)表記より見て、ロバート・グレイヴズの The Greek Myths『ギリシャ神話』に依拠、求められもしている(と判じられる)。
 にまつわって筆者がそちらも読解、内容把握しているところとしてロバート・グレイヴズの The Greek Myths『ギリシャ神話』原著には確かに次のような記載がなされている。
(以下、 The Greek Myths『ギリシャ神話』にあっての Lapiths And Centaurs[ラピス族とケンタウロス]の節よりの引用をなすとして)
1. Both Lapiths and Centaurs claimed descent from Ixion, an oak-hero, and had a horse cult in common. They were primitive mountain tribes in Northern Greece, of whose ancient rivalry the Hellenes took advantage by allying themselves first with one, and then with the other. Centaur and Lapith may be italic words: centuria, ‘war-band of one hundred’ and lapicidae, ‘Psintchithpers’(煩瑣なのでいちいちもって訳は付さない.下線添付部のみ着目されたい)。
 その点、バーバラ・ウォーカー(の著述たる The Woman's Encyclopedia)の記載内容、そう、ケンタウロスがローマのセンチュリア[百人隊] Centurion[百人隊隊長]に率いられてのCenturia[百人隊ケントゥリア]) と結びつくとのことまでを指摘している珍しき記載内容のソースが論客ロバート・グレイヴズ( Robert Graves )に求められているというのは「極めて遺憾・残念なこと」ではある。 批判がましくも叩かれることが多いとの20世紀英国文人たるロバート・グレイヴズやりようについては本稿の指し示し事項に沿うところ「でも」まったく信用の置けぬ、unreliableであるとの物言いを同男グレイヴズが目立つようになしもしている (記録的事実や文献的事実に依拠して「いない」、であるから、問題であるとの属人的理論を目立つように展開していた) とのことで本稿のよりもって従前の段で紛らわしい煙幕たりうる「目立っての」ロバート・グレイヴズ主張の(容易に外野から叩かれるだけの)欠陥性についてその欠缺(けんけつ.欠けるところ)を指摘・解説せざるをえなかったとの経緯がある。そう、同輩の人間存在に
【覚悟の程 ―「貴殿らは温かく育てられたのではなく家畜として煮られ食われるためだけに偽りによってくるまれて育てられてきたのだ」とのことを指摘し、殺されることが分かったうえでもなお、偽りに安んじ、魂の器質的奴隷として抵抗することもしないというのか、それとも、[人災としての終末]を回避すべくも闘うつもりがあるのかとの覚悟の程である― 】
を遺漏なくも問うとの[本稿の意義](『無視される、あるいは、言論封殺されて消えるとのことになってもそこからして終局的結果が易々と推し量れるとの効用はあろう』と考えながらも死命を賭してものしているとの本稿、【無知なる者】の好奇心に奉仕するためにではなく[行動をしない結果]について諭して自身および種族の運命を望ましくは好転、そうではなくとも行く末を明確に判じきるとの観点で死命を賭してものしているとの本稿の意義)の全うのために同男グレイヴズの同様のところでの目立つ主張の信用のおけなさにまで指摘せざるをなかったとの経緯がありもし、であるから、ロバート・グレイヴズを引き合いに出してのバーバラ・ウォーカーの言い分 ―ここでの [ケンタウロスはセンチュリオン(100人隊長)と結びつく] との言い分― は「ソースとしては弱い」と申し述べるのである(ただし自身の係累縁者を含めての死の結果さえ許容するとの空っぽさを伴った者ないし空虚ならずとも極めて愚劣であるか欺瞞偽善をも是とする相応の類らに担がれる【宗教】などの虚偽とも平気の平座で添い寝・同衾するような心性しか有しておらぬとの(似非)インテリ、ファウスト博士でもいいが、そういう奴原らにとってはロバート・グレイヴズ言いようとてあたかも不磨の大典のように扱われることがあるようで、事実、日本では無批判に相応の紀伊國屋書店のような出版社が学界大家の書籍であるように同男ロバート・グレイヴズの訳本を国内に供給してきたとの背景がある)
 が、とにかくも、バーバラ・ウォーカーやロバート・グレイヴズら目立つ筋よりの指摘がある ―どこまで信に足りるかは折り紙をつけることはできないものの、とにかくもそうした指摘がある― とのことまでは摘示するとのことに足りると判じ、ここに同じくものことにまつわっての言及をなしていると断っておく。

(尚、ローマの百人隊センチュリア(ケントゥリア)の長たるCenturionについては古代ローマの後裔たる東ローマ、ビザンツ帝国の時代にkentarchケンタルクあるいはkentarchosケンタルコス(κένταρχος)と呼ばれていたとも英文ウィキペディアにあって現行記載されていもする、 Kazhdan, Alexander, ed. (1991). Oxford Dictionary of Byzantium. Oxford University Press. pp. 1120-1121.とのソース付きで英文Wikipedia[Centurion]項目には現行記載されていもし、オクスフォード大学ビザンツ辞典とのそこでの明示出典の堅さ度合いから見て、おそらくバーバラ・ウォーカーやロバート・グレイヴズの物言い、「ケンタウロスとセンチュリア百人隊が結びつく」との物言いは正しい ―独創の賜物などではなく歴史的事実に依拠している― と判じられもする(本稿筆者もかなり遡っての自身やりようを振り返って反省するところがあるのだが、彼女・彼が問題なのは[きちんとソースを呈示してくれて「いない」]ことにある)。 そこから行き進んで、[センチュリオン(百人隊隊長)は【ケンタルコス】転じての【ケンタウロス】と結びつく語である]との観点も本来的には[断じる]との式で申し述べてもいいことか、と「思えもする」ところではある ―が、どうも引っかかるところがあり、ここでは慎重な語りをなしている― )


 さて、ここまできたところで述べるが、では、何故、

【センチュリオンとケンタウロスの結びつき】

について細々と言及・解説なしもしているのか。

 同じくものことにまつわっての説明はさらに煮詰めもして後の段でなす所存だが、に関してはひとつに(他の要因もあるところながらひとつに)下にて表記の通りの事情がそこに「ある」からである。

(視点を「加速器によるブラックホール生成が先覚的に描かれている」との小説『未来からのホットライン』(秘匿コード・センチュリオンを登場させている作品)から現実のLHC実験の方に向けてのこととして)

「LHC実験の関係者ら、彼らはATLAS(アトラスは黄金の林檎の在所を知る巨人ともなる)との名前を冠する検出器を用いてのブラックホール生成・検知をも「後付けで」【LHC実験のひとつの望ましき結果】と主張するに至ったとのことがある (:市井外部の運動家の突発的指摘に対して、当初、[LHCに至るまでの今後実現する加速器ではブラックホール生成はありえない]と発表されていた(1999年状況)とのありようから一転、21世紀初頭より[「安全な」ブラックホールの生成は新規理論動向よりありうると考えられるようになった]と主張されるに至った ―出典(Source)紹介の部2などを参照のこと― との流れの中で従前の加速器実験の大義、例えば、[ヒッグス粒子の探索][対称性理論の検証]との額面上の主たる大義に加えもして「(安全な)ブラックホールが生成されれば万物の理論の候補を煮詰めるのに役立つ」などとの言いよう「も」が新たになされるとのことになった ―出典(Source)紹介の部81/安全ではないブラックホールの生成はリスクだが、安全なブラックホールの生成は望ましいとの(関係筋言いようの伝に見る)論理構造である― )
 そうしたLHC実験ATLANTISと呼称されるイベント・ディスプレイ・ツールを用いてブラックホール生成状況をモニターせんとしてきた出典(Source)紹介の部35から出典(Source)紹介の部36(3)を参照のこと)とのものでもある同LHC実験黄金の林檎(の園)】(ヘラクレス第11功業に登場するヘスペリデスの黄金の林檎の園はアトランティスと結びつけられてきたとの背景ある神話上の存在である)アトラス(ヘラクレス第11功業に登場する巨人アトラスは黄金の林檎の在所を把握するとの設定の存在である)との絡みでヘラクレスの11番目の功業と多重的に通じている実験となっているとのことを本稿にて指摘してきた実験となる ―(出典(Source)紹介の部41を包摂する解説部で「古の」アトランティスに史的に同一視されてきた場が[黄金の林檎の園]となっているとの理由につき言及している)― 。
 といったLHC実験 ―小説 Thrice Upon a Time『未来からのホットライン』がそれにまつわる先覚的言及小説となっているとするところの所以(ゆえん)について細々とここまでにて解説してきたとの実験― と接合するようになさしめられている
ヘラクレス11功業
というものからして【ヒドラの毒とケンタウロス(Centauro)の関係性】が「濃厚に」影を落としているものである、とのことがある
。神話にまつわる文献的事実・記録的事実の問題としてそうしたことが指摘出来るようになって「いる」のである(にまつわってはすぐに細かくも解説する) 」

本稿にてはLHC実験がいかようにして[トロイア崩落]および[古のアトランティス]と関わるかの図解をなしてきたが、それはヘラクレスの11番目の功業の内容と関わるところの図解ともなっていた。下にてはその絡みの図解部に多少、改訂を加えてヘラクレス11功業との関わり合いをより強く摘示すべくもの図解をなしておく)

 ここで述べるが、ヘラクレスはその[11番目の功業]にて巨人アトラスの兄弟にあたるタイタンのプロメテウス ―人類に火を授けた存在― を[生きながら鷲に臓物をついばまれるとの獄]より解放したとされる。の折、ヘラクレスはそのプロメテウス解放を[不死のケンタウロス・ケイロンの死]で贖(あがな)った(あるいはヘラクレスが仲介者となってプロメテウス解放の権限を有しているゼウス神にケンタウロスの[不死=命]を提供した)と伝承は語り伝えているのである。

 その経緯はこうである。

[ヘラクレスを養育した師匠筋には([ヘラクレスが殺傷した怪物たるヒドラの毒]による最期を進呈したケンタウロスのネッソス ―出典(Source)紹介の部110(2)― とはまた別の存在としての)高名なケンタウロスとしてのケイロンがいた。彼ケイロンはヘラクレスと他のケンタウロス族との争いに巻き込まれ、ヘラクレスが[(ヘラクレス自身が退治したヒドラの毒を塗りたくって戦いに用いていた)弓矢]をヘラクレスより誤射されて悶絶して苦しみ続けることになった。というのもケイロンにはかねてより神々より[不死]が与えられており、それがため、[ヒドラの毒]によってヘラクレス師匠たるケンタウロス・ケイロンは[死ねない苦しみ]を味わうことになったとされるのである。その後、ヘラクレスは自身に課せられた11番目の功業の折にてそうした師ケンタウロ・ケイロンを苦しみから解放すると同時に、[プロメテウスのゼウス神(プロメテウスを人類に火を与えた罪を問うかたちで臓物を生きながら鷲についばまれるとの生き地獄たる獄に繋いでいたとのギリシャ神話体系にあっての主催神ゼウス)に対する罪の贖(あがな)い]をなすために[ケイロンの不死]を(プロメテウス解放の)対価としてゼウス神に差し出した。 結果、ヘラクレスは毒に苦しみ続ける定めを負った師たるケイロンに[死]の安息を与えつつ、ケイロンから取り上げた[不死]の対価にプロメテウスをその獄より解放することに成功し、そして、プロメテウスより「【黄金の林檎 ―ヘラクレス第11功業の取得目標物― 】を取得するには巨人アトラスの助力を請うのが良い」との助言を得ることになった] (先述のようにヘラクレスはケンタウロス・ネッソスの奸計によってヒドラの毒によって苦悶の死を迎えることになったと伝わっている存在であるわけだが、そうもしたヘラクレス、同じくもの境遇をそれ以前に自身の師たるケンタウロス・ケイロン(Chiron)にもたらしてもいると伝わっているのである)

 上の枠内部(の後半)にて表記のことにまつわっての典拠紹介を続いてなすこととする。


| 出典(Source)紹介の部110(3) |

 ここ出典(Source)紹介の部110(3)にあっては

[ヘラクレスは自身の過失からヒドラの毒に苦しみ続ける状況に陥った師たるケンタウロス・ケイロンから[不死]を取り上げて彼に[死の安息]を与えつつ、その取り上げた[不死]を対価にプロメテウスをその獄より解放することを成し遂げ、そのうえでプロメテウスより「【黄金の林檎 ―ヘラクレス第11功業の取得目標物― 】を取得するには巨人アトラスの助力を請うのが良い」との助言を得ることになった]

とのことの典拠を挙げることとする。

 まずは基本的なところとしてオンライン上より即時確認可能であるとのウィキペディアの記述を引くこととする。

(直下、英文Wikipedia[Chiron](ケイロン)項目にての[Death](その死)の節、その現行にての記載内容よりの引用をなすとして)

His nobility is further reflected in the story of his death, as Prometheus sacrificed his life, allowing mankind to obtain the use of fire. Being the son of Cronus, a Titan, he was immortal and so could not die. So it was left to Heracles to arrange a bargain with Zeus to exchange Chiron's immortality for the life of Prometheus, who had been chained to a rock and left to die for his transgressions.[9] Chiron had been poisoned with an arrow belonging to Heracles that had been treated with the blood of the Hydra, or, in other versions, poison that Chiron had given to the hero when he had been under the honorable centaur’s tutelage.

(訳として)「ケイロンという存在の高貴さは彼の死に様、プロメウスが人類に火の使用を許すがために自己を犠牲にしたようなその死に様にも現われている。タイタンのクロノスの子としてケイロンは不死者であり、死ぬことができなかった。それがゆえに、ヘラクレスは[ケイロンの不死](の差し出し)でもってその罪がゆえに岩に鎖でつながれていたプロメテウスの生命を贖(あがな)うとの交渉がゼウス神となせるとのことになった。ケイロンは[ヒドラの血を添加されたヘラクレスの矢](の誤射による命中)で毒されており、あるいは、異伝では[ケイロンが個人的指導でかつてヘラクレスに教え込んだ毒が塗りたくられていたとの矢](の誤射による命中)で毒されていたのである(不死がゆえの苦しみを味わい続ける状況となっていた)」

(訳を付しての引用部はここまでとする ―※― )

(※以上、現行の英文Wikipedia記述の出典としては本稿でもその記述を度々引いてきたところの偽アポロドーロスこと Pseudo-Apollodorusの手になるギリシャ神話総覧書、ビブリオテーケーの記述が[9]↑ Pseudo-Apollodorus, Bibliotheke, ii.5.4.とのかたちで挙げられている)

 他面、和文ウィキペディア[ケイローン]項目にては
(直下、引用なすところとして)
ヘーラクレースとケンタウロスたちとの争いに巻き込まれ、ヘーラクレースの放った毒矢が誤ってケイローンの膝に命中し、不死身のケイローンは苦痛から逃れるために、ゼウスに頼んで不死身の能力をプロメーテウスに譲り、死を選んだ(その死を惜しんだゼウスはケイローンの姿を星にかたどり、射手座にしたという)
(引用部はここまでとする)
との記載がなされている。

 以上に加えてここではビブリオテーケー(ローマ期ギリシャ人著述家アポロドーロスによるギリシャ神話要覧書)、その岩波書店より出されている版 ―(当方所持の重版に重版が重ねられての第61刷の文庫版)― よりの該当部引用を下にてなしておくことともする。

(直下、岩波文庫版アポロドーロス『ギリシャ神話』にての[ヘラクレスの11番目の功業]を扱った箇所、p.99-p.101の内容よりの掻い摘まんでの抜粋として)

エウルステウスは・・・(中略)・・・第一一番目の仕事としてヘスペリスたちから黄金の林檎を持って来るように命じた。これは一部の人々の言うようにリビアにあるのではなく、ヒュペルボレアス人の国の中のアトラースの上にあったのである。それを大地(ゲー)がヘーラーと結婚したゼウスに与えたのである。テューポーンとエキドナから生まれた不死の百頭竜がその番をしていた。それとともにヘスペリスたち、すわなちアイグレー、エリュテイア、ヘスペリアー、アレトゥーサが番をしていた。・・・(中略)・・・アラビアに沿って進んでいる時にティートーノスの子エーマティオーンを殺した。そして、リビアを通って、向い側の大陸に渡り、プロメーテウスの肝臓を食っている、エキドナとテューポーンから生まれた鷲をカウカサス山上で射落とした。そしてオリーブの縛めを自ら選んだ後、プロメテーウスを解き放ち、ゼウスに彼の代わりに不死でありながら死を欲したケイローンを呈したヒュペルボレアスの地のアトラースの所に来た時に、プロメーテウスがヘーラクレースに自分で林檎を取りに行かないで、アトラースの蒼穹を引きうけて、彼を遣わせと言ったので、それに従って蒼穹を引きうけた。アトラースはヘスペリスたちから三つの林檎をとって来て、ヘーラクレースの所へやって来た(以下略)

(日本国内書店にて広くも流通している訳書よりの引用はここまでとしておく)

 以上は高津春繁元東京大学教授(故人)の手によって訳が起こされた岩波文庫版の(廉価にて市中に流通している)アポロドーロス『ギリシャ神話』を軽く手繰るだけで労せずに確認できる記述とはなるが、オンライン上にて公開されている、すなわち、オンライン上より確認できるとの同著英訳版 ― Internet archiveのサイトにて公開されておりジェイムズ・フレイザーが訳を付しているとの THE LIBRARY The LibraryとはBibliothekeの英文呼称である)― の問題となる記述も抜粋しておく。

(直下、 Internet archiveにて公開されている THE LIBRARYにての問題となる部位に付されたジェイムズ・フレイザーのコメントの抜粋として)

In the present passage of Apollodorus, if the text is correct, Hercules, as the deliverer of Prometheus, is obliged to bind himself vicariously for the prisoner whom he has released ; and he chooses to do so with his favourite olive. Similarly he has to find a substitute to die instead of Prometheus, and he discovers the substitute in Chiron.

(拙訳として)「表記の部のアポロドーロスの文につき、もし現存しているところの訳の底本となったテキストが正しきものであるのならば、ヘラクレスは[プロメテウスの救済者]として彼が解放した囚人のために我が身のことのように自身に束縛を及ぼすことを強いられたことになる。彼ヘラクレスは自身を好んでいたオリーブで自らを縛った (訳注:先の岩波文庫版よりの抜粋部にて「リビアを通って、向い側の大陸に渡り、プロメーテウスの肝臓を食っている、エキドナとテューポーンから生まれた鷲をカウカサス山上で射落とした。そしてオリーブの縛めを自ら選んだ後、プロメテーウスを解き放ち、ゼウスに彼の代わりに不死でありながら死を欲したケイローンを呈した」と記載されているが、ここでのフレイザー記述は、うち、「そしてオリーブの縛めを自ら選んだ後、」と記載されている部位のことを指している)そして、(そうもした中)彼はプロメテウスの代りに死ぬとの[代(か)えの存在]を発見せねばならぬことになり、その代わりの存在を彼ヘラクレスは(かねてより苦悶の状況に陥っていた)ケイロンに見出したのだ

(訳を付しての引用部はここまでとしておく)

 先に解説なしたようにケンタウロス・ネッソスの奸計によって最後は自身が退治したヒドラの毒で悶絶死することになったヘラクレス、同ヘラクレスがそういった自身の最期につき想像することだにしていなかった折のこととして伝承が語り継ぐヘラクレス11番目の功業の段階からして
ケンタウロスとヒドラの毒
との要素が([プロメテウスの解放]との絡みで)際立ってのヘラクレス伝承の目立ってのモチーフとなっている(とのことを以上引用部にて摘示した)。

出典(Source)紹介の部110(3)は以上とする)


 ここまで摘示してきたことより述べられることはこうである。

「ヘラクレス末期ありようだけではなく【ヘラクレス第11番目の功業 ―黄金の林檎と巨人アトラスと関わっているところの功業― を巡る経緯】にも【ケンタウロス】【ヒドラの毒】が関わっており、それは

[ヘラクレスの師匠筋たるケンタウロ・ケイロンのヒドラの毒による堪えがたい苦悶]⇒(苦しみよりの解放と贖(あがな)いのためのヘラクレスの挙)⇒[プロメテウス解放]⇒[巨人アトラスを経由しての[黄金の林檎]の取得の奏功]

とのかたちで流れを示せることである。につき、本稿ではそこに見る[巨人アトラスを経由しての黄金の林檎の取得の奏功]との部よりさらに矢印⇒を描画、

[巨人アトラスを経由しての[黄金の林檎]の取得の奏功]⇒CERNのLHC実験にてのATLAS実験(伝承上で黄金の林檎と接続するだけの背景があるATLANTISとのイベント・ディスプレイ・ツールを用いてのブラックホール探索も同実験の範疇に入る)のことを想起させるエピソード]

の方向に至るだけのこともまたあるとのことを重んじている。

 であるから、(問題となるところは他にもあり、それについてはこれより順次呈示していく所存だが)、

[加速器付属型レーザー核融合炉にてブラックホールが生成される小説 Thrice Upon a Time『未来からのホットライン』にてのその後の展開で[ケンタウロス(Centauro)]との語にての八字中、七字をも順序込みに共有する[センチュリオン(Centuriion)]に由来する(人工の)毒での災禍の具現化が描かれている]

とのことについて、

[[ケンタウロス(CENTAURO)]との語にあっての八字中、七字をも順序込みに共有するとのセンチュリオン(CENTURION)との語、同語センチュリオンによる[毒にての災禍]からヘラクレスに苦痛に塗(まみ)れた最期を進呈した[ケンタウロスによる毒による災禍]を【毒】つながりで想起させる]

との話にとどまらず、

[【加速器LHCによるブラックホール生成可能性】 ―それは2009年年末実験始動との式も含めて小説『未来からのホットライン』筋立てとの接続性を当然に想起させる(とのこと、先述なしてきた)可能性である― と【ヘラクレス11功業】と【ケンタウロスの毒の物語】の繋がり合い]

のこと「も」が想起されるようになっている」

(:再度述べるが、この話には「他にも」付して指摘すべきことら(これより摘示しもするとのことら)があり、もってして、【予見小説『未来のホットライン』とヘラクレス12功業(の後の流れ)の ―現行の加速器によるブラックホール生成問題にまつわっての命名規則に通ずる― 結びつき】が固くもそうなるようになっている(そうなるように仕向けられている)ものであると察せられるから問題となるものでもある)

 同じくものことにまつわって極めて問題になるとのことに筆を割くとの段階にはまだ入っていないのだが、ここまで書いてきたことに加えて、
「まずもっての話の端緒としての取りあえずも、の話]
を続ければ、次のようなことが言えるとのこともまたある。

(それ単体で述べれば、[こじつけがましいfar-fetchedとの側面が際立つ]、あるいは、[確証バイアス confirmation bias(特定の予断偏見に基づいてものを考えていくうちにそれに適合する情報のみばかりを選択して予断偏見の陥穽・ど壺にますますもって嵌まっていくとのよくある思考の罠)に陥っている類か?と疑われもするである]ような申しようながらものところとして)

[Centurion](問題小説で人工衛星の毒と結びつけられていたローマの百人隊長センチュリオンに由来する秘匿コード)と[Chiron](ヘラクレスのヒドラの毒矢の誤射のために悶絶してプロメテウスの解放によって救いとしての死を得たとのケンタウロス、ケイロンの英文表記Chiron)の両者綴りにあって「も」共通性が多少見受けられる。
 Chiron(ケイロン)という6字にて綴られる単語のうち、6字中5字は ―語順には若干違いが出るのだが― Centurionという語句の中に含まれているということがある。
 一致につき鉤括弧(「」)で囲めば、
「C」entu「r」「i」「on」
「C」h「i」「r」「on」
とのかたちにて、である(※)」

(※筆者としては
「上のようなことに言及しなくとも何ら話の流れは変わることはない.[ブラックホール暴走を際立っての先覚性でもって描く問題小説にあってのケンタウロス関連事物の意図的かつ隠喩的な使用]を示唆するものとしての重要な材料は[他のところ]にこそある」
との観点から表記のこと ―センチュリオンの英文綴りとケイロン(の英文綴りChiron)の加えもしての近接性― に言及する必要を何ら感じて「いない」。といった中で敢えてもの言及をなしていること、お含みいただきたい。
 に関しては、
「その他、重みをもった判断材料 ―後述― があるがためにここでの話とてそれと複合顧慮すれば、far-fetched[こじつけがましい]とのものにはならなかろう、また、確証バイアスの誹(そし)りを受けることもなかろう」
との枕詞を付しての性質の話として言及する意味がある、と考えての敢えてもの言及をなしているのである)

(【取りあえずもながらもの皮相的な話】としてながら、「毒と結びつく」ケンタウロス英文綴りと8字中7字を順序込みにて共有しているとの「毒と結びつく」センチュリオン英文綴りの話から申し述べられることを下にまとめておく)

(※尚、百人隊隊長センチュリオンが長を努めていた[ローマの百人隊]がラテン語のcentum[100]から派生した語である[ケントゥリア]と呼ばれるものとなっており、その[ケントゥリア]Centuriaなどが英語のセンチュリーCentury(一世紀;100年)と語義・語感を一なるものとしているなどとのことは幅広くも知られているし語られていることだと伺い知れもすることなのだが、百人隊長センチュリオンが[ケンタウロス]と結びつくなどとの言いようはほとんど聞かれないとの感がする(少なくとも筆者がオンライン上の情報を現行にて煮詰めている折はそうなっている/例外は英文ウィキペディアの百人隊センチュリア(ケントゥリア)をケンタルクとの語表記と結びつけているビザンツ時代の用例紹介など).であるから、―実にもってくどくも繰り返すが― [ケンタウロス]と[センチュリオン]の語源にまつわる接続性の一部指摘(バーバラ・ウォーカー指摘やその元となっていると思しきロバート・グレイヴズ指摘/謬見の類かもしれない)には重きを置かず、ここにては[ケンタウロ]と(小説に見る)[センチュリオン]のつながりあいについて[語句形状の「際立っての」近接性]や[対象小説を媒介にしての意味論上のつながり]に重きを置いての話をなしている、そのように再言しておく)

 直上の段にて解説していること、[ケンタウロス・ネッソスと毒の関係]にて[センチュリオンと語順込みに8字中7字を共有するケンタウロ]のことが[ヘラクレス功業伝承]との兼ね合いで意味性を有してくる (そこにあっては先述のように【LHCとつながりあるアトラス登場の第11功業】【ヘラクレス伝承とケンタウロと毒の連関】の間の接続性が問題になる) とのことだけでもってして

[(【ブラックホール生成による人類破滅】に続いての【センチュリオンと紐付けられての人造ウィルス禍】が描かれる作品たる)小説『未来からのホットライン』とヘラクレス功業伝承が結びついている]

と強調しているのではない。

真に問題なのはここ2.の段ではなく、さらに後の段、3.と区分けしての部にて述べるようなことがあることなのだが) 次のようなこともおなじくものことにまつわって問題となるような要素としてある。


 作家ジェイムズ・ホーガンの Thrice Upon a Time(邦題)『未来からのホットライン』(1980)にては

センチュリオンとの秘匿コードが振られるに至った人工衛星よりのウィルスの流出問題が【ペルセウス座流星群とワンセットの隕石の襲来】と結びつけられている

とのことがある(そういう隕石による被害が実際にあるのか、科学的至当さの問題は抜きに、『未来からのホットライン』ではペルセウス座流星群と[人工衛星よりのウィルス流出につながった人工衛星破損および落下](ブラックホールによる人類滅亡を過去改変で阻止した後に人間に襲いかかった災厄の因)が結びつけられている)


 表記のこと ―過去改変を主要テーマとする作品 Thrice Upon a Time(邦題)『未来からのホットライン』(1980)で人造ウィルスの流出問題がペルセウス座流星群とが結びつけられるとの式での作品設定がなされているとのこと― が何故、問題になるのかの解説に先んじて、取りあえずもは同じくものことが『未来からのホットライン』にみとめられることの典拠紹介をなすことからはじめる。


| 出典(Source)紹介の部110(4) |

 ここ出典(Source)紹介の部110(4)にあっては

[作家ジェイムズ・ホーガンの Thrice Upon a Time(邦題)『未来からのホットライン』(1980)にあってはセンチュリオンとの秘匿コードが振られるに至った人工衛星よりのウィルスの流出問題が【ペルセウス座流星群とワンセットの隕石の襲来】と結びつけられている]

とのことの典拠を挙げることとする。

 その点、先立って引用なした英文ウィキペディアにあっての Thrice Upon a Time『未来からのホットライン』粗筋紹介部にあっては

(以下、Wikipedia[ Thrice Upon a Time ]項目より再度の引用なすとして)

In August 2009, the satellite passed right through the path of the Perseids meteor shower, and it was hit by a meteor. It broke up and disintegrated into the Earth's atmosphere. After the breakup and fallout, to prevent public panic, the entire effort was tightly classified and codenamed Centurion.「2009年8月のこと、ペルセウス座流星群の通過線上を同じくもの人工衛星が横切った折、それは隕石による打撃を受けることになった。人工衛生の崩壊・それに続く墜落の後、公衆のパニックを防ぐため、その件に関するすべてのことは[センチュリオン]とのコードネームで呼称されることになった

(以上、訳を付しての端的な引用部とした)

との部位が上記のこと ―小説『未来からのホットライン』作中にあって【センチュリオンとの秘匿コードを振られた人造ウィルス禍】が【ペルセウス座流星群】と結びつけられているとのこと― を示しての部位となるわけであるが、書店にて流通している邦訳版、筆者も手元に置いているそちらよりの引用も下になしておくこととする。

(以下、 ―初出としての原文引用として― 書店で現在流通を見ている『未来からのホットライン』(当方手元にあるところの2011年12月16日刊行の第17版文庫版の隔絶環境にあるウィルス研究人工衛星が地上に落下したことがやりとりされての部位)のp.372からp.373より掻い摘まんでの原文引用をなすとして)

「この研究は、どうしても必要だった。潜在的な利益が見送るには大きすぎる――いくつかの病気の制圧だけではなく、DNA操作によってあらゆることが可能になる・・・(中略)・・・計画のすべてを完全に地球の表面から離して、特別設計の宇宙実験室で行なうという決定がくだされた。これは究極的な隔離策であると考えられた。計画は秘密のうちに承認され、これを合法的なものに見せるため、小さな天体観測所と研究室がつけ加えられた。発表されたのはこの部分だけで、それがQX-三七の名で知られているわけだよ」
カートランドは肩をすくめ、足をとめると、むっちりと暖炉に目を落とした。
「あとは知ってのとおりさ」
「ペルセウス座流星群か何かでしたね?」
とマードック。
「そう、毎年八月十日前後に地球の軌道と交差する隕石流だ・・・・・・おそらく、こわれた彗星の残骸だろう。そもそもQX-三七ほど小さなものが、大き目の宇宙塵はおろか、何かに衝突する可能性があろうとは、誰も想像すらしていなかった。しかし・・・・・・確率はゼロじゃなかったんだよ」カートランドは首をふり、ため息をついた。

(国内で流通している文庫版訳書よりの掻い摘まんでの引用部はここまでとしておく)

出典(Source)紹介の部110(4)はここまでとする)


 さて、本稿の先の段で言及していたことと少なからず重複することなのだが、

「ペルセイウス座流星群のそもそもの由来になっているペルセウス座はヘラクレスの曾祖父にあたるペルセウスの名前に由来し、そのペルセウスがメデューサ退治の英雄になっている一方でヘラクレスはメデューサのように蛇と結びつく怪物ら ―多く蛇女エキドナの眷属― の退治の英雄となっている」

とのことが[神話通には易くも納得なせるところの言い伝えの問題]としてある。

出典として (出典(Source)紹介の部63(4)とほぼ同内容のことを繰り返し言及するとして)

【ヘラクレスとペルセウスの関係性】については本稿の先の段にても問題視していたとのことだが、ここにて再度の説明を ―ほぼ同一のものとして本稿の先の内容を繰り返すとの式でながら― なしておく。

[[ペルセウス]が[メデューサ退治]の英雄であることについて]

ペルセウスが[鏡のように磨かれたアテナの楯]を用いてゴルゴン姉妹のメデューサを討伐したことはあまりにも有名な神話上のエピソードである。については、ギリシャ古典を紐解かなくとも(現行の記述を見る限り)和文および英文のウィキペディア[ペルセウス]項目に載せられている記述を読まれるだけで十分であろうと述べておく。

[[ヘラクレス]が[ペルセウス]の子孫である(曾孫と主には定置されている)ことについて]

ヘラクレスがペルセウスの子孫であることについてもよく知られたこと、そういう「設定」が神話にて採用されていることは文献にて遺されている争いのないことなので、ウィキペディア程度の媒体を確認されるだけでいいだろうと述べておく(:たとえば、和文ウィキペディア[ヘーラクレース]項目にての[ヘーラクレースの生い立ち]と記された節には(現行の記述を原文引用するところとして)ヘーラクレースはゼウスとアルクメーネー(ペルセウスの孫にあたる)の子.(引用部はここまでとする)と端的に記されている。ヘラクレスの母アルクメーネーの由来(ペルセウスの子たるミュケナイ王エーレクトリュオーンの娘としての由来)につき調べれば、同じくものことが争いのない記録的事実となっているのをすぐに確認いただけるであろう)

[[ヘラクレス]が[蛇の血族の怪物]を屠(ほふ)ってきた存在/多くの多頭の蛇の眷属を屠ってきた存在であるとのことについて]

 ヘラクレスが蛇の眷属となる怪物を数多屠ってきたことについては以下のウィキペディア項目などを確認されたい。


和文および英文のウィキペディアにあっての[エキドナ]項目


 上項目にはエキドナが上半身女、下半身蛇の蛇女であるとの記述がなされている。そして、同[エキドナ]項目では和文・英文版ともに
[エキドナの子供達]
が一覧表記との式で記されており、その一覧表記されている怪物たちのうち、

[ケルベロス](ヘラクレス第12番目の功業にて冥界から地上に引きづり出された存在.尾が蛇の三つの頭を持つ冥界の番犬)
[ラードーン](ヘラクレス第11番目の功業にてヘラクレスに討伐された存在.黄金の林檎の園の番人たる百の頭を持つ怪蛇)
[オルトロス](ヘラクレス第10番目の冒険にて大洋の先の島にてヘラクレスに討伐された怪物.尾が蛇の双頭の犬の怪物)
[ヒュドラ](ヘラクレス第2の功業でヘラクレスに討伐された9つの頭を持つ多頭の怪蛇)
[ネメアの獅子](ヘラクレスの第1番目の功業にてヘラクレスに討伐されてその皮を剥がれた存在.獅子であるが、蛇女エキドナの息子と同定されている)

がヘラクレスの冒険の中でヘラクレスに相対した存在となる。

(上記怪物らがヘラクレス功業にてヘラクレスに打ちのめされているエキドナの落胤であるとのことは和文ウィキペディア[ヘラクレス]項目と和文ウィキペディア[エキドナ]項目の複合参照ですら(誤りがないこと、他のソースより難なく裏が取れるところながらものこととして)容易に見てとれるところとなる。うち、現行英文Wikipedia[Echidna]項目には[ネメアのライオン]がエキドナの子であるとの表記はなされていないが、確かにネメアの獅子はエキドナの子供であると伝わっている。また、英文ウィキペディア[Echidna]項目には[(ペルセウスに討たれた)メデューサを含んで見られることもあるゴルゴン]らもがエキドナの子であるとの異伝ありとの表記もがなされている(については本稿の前半部にて『神話集』 (Fabulae) という著作、ガイウス・ユリウス・ヒュギーヌス(Hyginus)という人物の手になるローマ期の著作内の表記に典拠が求められもしているところであると紹介したうえで Project Gutenbergのサイトにて公開されている 1000 Mythological Characters Briefly Describedとの著作にあっても同文の記述がみとめられるとのことをそちら著作より原文引用なしながら紹介しもしていた)。 また、[ヘラクレスの蛇の眷属退治]に関してさらにすすんでの出典にあたりたいとのことであれば(そうした向きがこのような世界にいるとは思いがたいのだが)、ヘラクレスの12功業関連の伝承を含むヘラクレス事績についてまとめて表記しているとのローマ期古典、本稿で先に挙げたローマ時代のギリシャ人著述家アポロドーロスの著作たるビブリオテーケー、岩波文庫から広く流通しての邦訳版が出されている『ギリシャ神話』の第二巻(のVと振られた部)を参照されたい(当方手元にある版の文庫バージョンでは八十九ページから一〇二ページがヘラクレス12功業を扱った該当頁となる)。表記のアポロドーロス『ギリシャ神話』該当頁内では[ネメアの獅子]がティポーン(足が蛇であるとの怪物)の子であること、[オルトロス]がエキドナの子であること、百頭竜(ラードーン)がエキドナの子であることまでが、一言のみだが、カヴァーされている)

 また、ヘラクレスが斃(たお)した蛇系統の「他の」怪物らとして以下のように一覧表記できる怪物達もが存在していることについても ―争いもない神話上のよく知られたエピソードとのことで確認手法はいくらでもあるところとして― ウィキペディア[ヘラクレス]項目および下にて記述の関連項目で容易に確認できる。

[二匹の蛇] (ヘラクレスが赤ん坊の折にゼウス私生児であった彼を厭わしく思っていたゼウスの妻であるヘラ神が彼を殺そうと送った二匹の蛇を赤ん坊のヘラクレスが怪力でくびり殺していたとの話が有名なところとして伝わっている ―英文ウィキペディアの[Hercules]項目には現行、その蛇を殺す赤ん坊時代のヘラクレスの大理石像(2世紀ローマの作品)も挙げられている/要するにヘラクレスとはその人生の初めからして[蛇殺しの存在]であったことがよく知られている存在である― )

[ゲーリュオーン] (ヘラクレスの第10番目の功業にてオルトロスと共に殺害された存在.三人の男がシャム双生児のようにつながったとの似姿の存在となり、蛇とはおよそ無関係ともとれる同ゲーリューオーンだが、その実、【メデューサの孫】であるとの存在である ―和文ウィキペディア[ゲーリュオーン]項目にも、そして、古文献、アポロドーロス『ギリシャ神話』(当方所持の岩波文庫版(第六一刷との重版に重版が重ねられてのもの)では九十八ページ)にもゲーリュオーンが[クリュサオールの子供]であると表記されている.そこに見る[クリュサオール]というのがメデューサが殺されたその瞬間に生まれ落とされる[黄金の剣を持つ存在]として神話が語る存在であるために、ゲーリュオーンはメデューサの孫ということになる― )

[ギガース] (ギガンティスらはヘラクレスが計12の功業をすべて終えた後にゼウスに召集された戦った一大決戦、[オリンポスの神々]と[ガイア(大地母神)の子供である巨人ら]の一大決戦(ギガントマキア)の相手方である下半身竜・蛇の存在である(単数形はギガース、複数形はギガンティス).同点については和文ウィキペディア[ギガントマキアー]項目(あるいは英文[Giant]項目にてのGigantomachyの節)より確認できるが、さらにすすんでの出典紹介もなしておくこととして、アポロドーロスの『ギリシャ神話』(岩波文庫版/第61刷との重版に重版が重ねられての当方所持のもの)では三十七ページから三十八ページとの頁にて次のような記載がなされていることを取り上げておく:(原文引用するところとして)大地(ゲー)はティーターンたちのために憤って天空(ウーラノス)によって巨人(ギガース)たちを生んだ.身体の巨大なことでは彼らを凌駕するものはなく、力においては無敵、姿は見るも恐ろしく、頭と顎より濃い毛を生やし、足は竜の鱗よりなっていた.・・・(中略)・・・神々に対して、巨人たちはいずれも神々によっては滅ぼされ得ないが、誰か人間が味方となれば退治されるという予言があった.大地(ゲー)はこれを知り、人間の手によっても滅ぼされ得ないようにするために薬草を求めていた.しかしゼウスは曙と月と太陽とに現れることを禁じ、薬草を自ら機先を制して切り取り、ヘーラクレースをアテーナーを通じて味方に招いた.・・・(中略)・・・ゼウスが雷霆を投じ、ヘーラクレースは矢で射て彼を殺した.残余の巨人どものうちエピアルテースの左眼をアポローンが、右眼をヘーラクレースが射た(引用部はここまでとする) ―尚、ギリシャ神話がおかしなところとしては以上のようなヘラクレス参画の[ギガントマキア]が開戦を見た後、ガイア(大地母神.ゲーとも表記)が[テュポーン]という強力な怪物を生み出したと特定古典らで言及されている一方でその[ティポーン]が生まれる「前に」ヘラクレスがティポーンの子供であるとされる怪物達を屠っているといった時期的逆転表記が頻繁になされていることもあるのだが(ティポーン誕生前にヘラクレスはティポーン子息らと闘っているなどとの伝承が伝わっている)、そうしたことはこの場では置く― )

 ここまでの内容からお分かりいただけていることか、と思うが、古今東西にあってヘラクレスほどに蛇の妖異の眷属を誅伐した神話上の英雄はいない、そのように解されるありようとなっている(少なくとも古今東西の神話について網羅的な検討をなしているとのこの身の知る限りではそうである)。

 まとめれば、

[ケルベロス(蛇女エキドナ子息)]
[ラードーン(蛇女エキドナ子息.百頭竜)]
[オルトロス(蛇女エキドナ子息)]
[ヒドラ(蛇女エキドナ子息.九つの頭を持つ蛇)]
[ネメアの獅子(蛇女エキドナ子息)]
[二匹の蛇(ヘラクレスが赤ん坊の時に殺傷)]
[ゲーリュオーン(メデューサの孫)]
[ギガスら(下半身竜・蛇の大地母神の子)]ら

がヘラクレスに征討された目立っての[蛇の眷属]たちである。

 そうしたヘラクレス、結局、戦いにて愛用の矢の鏃(やじり)に塗って用いていた[ヒドラの毒]で殺されることになった存在である。すなわち、ヘラクレスの妻デーイアネイラが性質悪きケンタウロスに夫婦仲回復の薬であると騙されてヘラクレス下着に塗りつけた[ヒドラの毒]によって皮膚焼け爛れての状況の中で苦しみ悶え、自らの殺傷を請うて死んでいったとの最期を迎えることになっている(直近にて既述のこととなる)。

 以上のこと、ペルセウスとヘラクレスの縁(えにし)から述べられることに留まらず、小説『未来からのホットライン』にての

【ペルセウス座流星群によってもたらされたセンチュリオンの災厄】

と関わるところについては次のようなこと「も」ある。

「そもそもペルセウス座流星群にあっての光源(radiant)としてなるペルセウス座が[メデューサの呼称が振られた天体]を内包しているとのことがある。よく知られた天体にまつわる知見としてペルセウス座のベータの領域には[アルゴル]という恒星(北極星のアルコルとは別物)があるのだが、そちらアルゴル、歴年、[悪魔の星]とも呼称されてきもした同恒星は[ペルセウスに首を狩られたメデューサ]と結びつけられて天体観測史上 ([地上のかつての神話体系を無理矢理、星天の世界に当てはめての「ロマンティックな、」それならざれば「ひたすらに空想的な」となろう人類の初期天体観測挙動にて) 語られてきた存在ともなる。
 すると、
[小説『未来からのホットライン』にてのペルセウス座流星群と結びつく災厄]
は、換言すれば、
[メデューサの頭を「包含する」星座(ペルセウス座)に光源を持つものと結びつく災厄]
とも言い換えられることになる(ただし、ペルセウス座流星群の光源レイディエントはアルゴルの位置と多少ずれもするが、については置く)。
 さらに言葉を換えれば、(小説『未来からのホットライン』にみる災厄は)
[蛇の眷属退治 ―ヒドラのような9つの頭を持つ蛇もそうならば、ヘラクレスが第十一番目の功業にて[黄金の林檎の園]にて打ち倒したとのラドンに至っては百の頭を持つ蛇ともされる― の退治で知られるヘラクレスの先祖たるペルセウスに打ち倒された存在(メデューサ)に近しきところの災厄]
ともなる。
 そうした災厄が先立って申し述べたように、[ケンタウロスとヒドラの毒を巡るヘラクレスの功業絡みのエピソード]と接合するとの見方が多重的になせてしまうとの秘匿コード・センチュリオンと結びつけられているのが Thrice Upon a Time『未来からのホットライン』である ―(ここでの2.の話とて未だfar-fetched「こじつけがましい」ものであるが、続いて呈示する3.の段の話を加味して考えると、[恣意性の問題が何たるかを示す相応の方向]に多くのことが結合することに「なってしまう」)― 」

 以上表記のこと、そして加えもして、「(初言及のこととなるが)ペルセウスそれそのものにケンタウロスとの接続性を見出すこともできる」とのことにまつわっての典拠を下に挙げることとする。


| 出典(Source)紹介の部110(5) |

 ここ出典(Source)紹介の部110(5)にあっては

[ペルセウス座流星群の出所たるペルセウス座にメデューサとの結びつきがあること]

[ペルセウスとケンタウロスにもまた一部結びつきが存すること]

について紹介しておくこととする。

 まずもってして

[ペルセウス座流星群の出所たるペルセウス座にメデューサとの結びつきがあること]

の典拠を紹介しておくこととする。

(直下、 Project Gutenbergのサイトより全文ダウンロードできるところの20世紀初頭に刊行された A FIELD BOOK OF THE STARS(1907)、そこにてのp.74、 PERSEUS THE CHAMPIONの節よりの抜粋をなすとして)

Note the famous variable Algol the Demon star. It represents the Medusa's head which Perseus holds in his hand. It varies from the second to the fourth magnitude in about three and one-half hours, and back again in the same time, after which it remains steadily brilliant for two and three-quarters days, when the same change recurs. Algenib and Algol form with γ Andromeda, a right-angled triangle.

「(補いもしての訳として)ペルセウス座にて着目に値するのは[悪魔の星]として知られるアルゴルである。同アルゴル、ペルセウスが手に持っているメデューサの頭に相当するものである。同恒星、3時間30分の間に2等級から4等級に光度を変更・回帰させる恒星となり、2日プラス4分の3ヶ日にて同様の変化が一巡するとの周期を持つ天体である。[恒星アルゲニブ](注:ミルファク、ペルセウス座内の超巨星)と同アルゴルは[アンドロメダ座のγ](注:アラブ人にラーズ・アル・グール、[グールの頭]と呼ばれていたとされる恒星アル=マーク)から見て正確な三角形をなすとのものである (訳注:メデューサと結びつき悪魔の星ともされアルゴルは明るさを変転させる恒星(変光星)のうち、[食変光星]として有名な天体であると語られているものとなる.尚、ここでの引用元とした20世紀初頭刊行の書籍では2等級から4等級の変更と表記されており、その表記の引用をなしているわけだが、現行和文Wikipediaにはアルゴルの光度にあっての等級変化は[2.12等から3.39等]であると表記され、現行英文Wikipediaでは概算値表記で[2.1から3.4]である(引用すれば、 Algol's magnitude is usually near-constant at 2.1, but regularly dips to 3.4 every 2 days)と表記されている)

(訳を付しての引用部はここまでとしておく)

 以上、引用なしたところで、続いて、

[ペルセウスとケンタウロスにもまた一部結びつきが存すること]

とのことの解説を兼ねもしての[整理]のための図解部を下に設けておく。

 上にての図はここまで述べてきたこと、すなわち、次のことらをまとめて[整理]して示そうという趣旨のものである。

・奇怪なまでの先覚性を呈している(との論拠を個人の偏頗な主観など全く問題とならないとの側面でもって詳述してきた)との、
【数百万のブラックホール生成による人類の終焉 ―(ただし、作中では過去改変にて阻止されるとのものでもある終焉)― 】
を描く小説 Thrice Upon a Time(原著初出1980年)ではブラックホールによる終焉を回避した人類に立て続けに[人造ウィルスに起因する災厄]が襲いかかる、秘密裡に人工衛星にて培養されていたとのウィルスがペルセウス座流星群に由来する隕石衝突を受けて地球上に落下することでウィルス禍がもたらされると描かれる。そして、[静かに大量死の環境が現出しているとの(作中世界における)秘匿コードネーム]としてどういうわけなのか、[センチュリオン](古代ローマ軍の百人隊長のこと)との名称が持ち出されている。

・上記のような粗筋と関わるところで Thrice Upon a Time(邦題『未来からのホットライン』)に関しては[ヘラクレスの12功業]との結びつきが観念できるようにもなっている。
 表記のこと ―小説 Thrice Upon a Timeと[ヘラクレスの12功業]との間には結びつきが観念できるとのこと― にまつわってのまずもっての振り返りとして書くが、[センチュリオン](古代ローマの百人隊隊長を意味する語)は[ケンタウロス]との語と結びつくものである (一部言論人にまさしくも同じくのことが指摘され、また、[ローマのケントゥリオ(百人隊)がケンタルコとの語と結びつく]とのビザンツ時代の呼称にまつわる記録があるとのことを差し置いて見ても英語表記Centurionに関しては男性ケンタウロスを意味するCentauroとの語にあっての「語順込みにしての」8字中7字の共有がみとめられる) 。
 次いで振り返って指摘することとして、(小説 Thrice Upon a Timeと[ヘラクレスの12功業]との間には結びつきが観念できるとのことについては)、
【半人半馬のケンタウロス(センチュリオンと結びつくケンタウロス)という存在はヘラクレス第11功業に重要なキー・キャラクターとして関わってくるとのことがあり、そこにみるケンタウロス・ケイロンの英語表記ChironもまたCenturionとの語と同一性が強きものとなっている】
とのことがある(尚、ここでの振り返りの内容それ自体から逸脱するが、上にて言及の【ケンタウロス・ケイロン】もまた【ブラックホール生成を巡る科学議論に関わる事物】にその名称が(小説『未来からのホットライン』とは本来的には関係ないはずであろうと普通には判じられるとの式で)一部物理学者に用いられている存在となりもする ―ケイロンCHIRONとの存在の名称がいかようにそうもしたものとなっているかは本稿の続いての段で詳述をなす― )
 以上、振り返ったうえで述べるが、ヘラクレス12功業、うち、殊に第11功業に関しては(本稿のここまでの段にて述べてきたように)ブラックホールを生成する可能性があると考えられるに至った【LHC実験】そのものとも、そして 、―本来ならばそうしたものが存在していること自体が奇態極まりないことなのであるが― 、【ブラックホール生成問題の(「隠喩的に」「間接的に」といったかたちでも)先覚的言及をなしている作品ら】および【911の事件にて現出した事態を予見的に描いての文物となっている作品ら】の双方に関わるものとなっているとのものでもある。

・小説 Thrice Upon a Timeとヘラクレス12功業との関わり合いとしてここ本稿では意図して、
[センチュリオン]⇔[ケンタウロ](ケンタウロス男性系)
の関係性にスポットライトを当てることにすると前言したうえでその解説をなしてきた(その内容も直上にて振り返ったとおりである)。
 そうしたケンタウロに属する存在として「ヒドラの毒で」苦しむことになったケイロンという存在がヘラクレス12功業の内の11功業でヘラクレスによって[プロメテウス解放]のための対価としての犠牲に供されている。そのケンタウロス・ケイロンの犠牲によって、結果、ヘラクレスは巨人アトラスと交渉する契機を得、もって、黄金の林檎を取得することになる。 そして、そこに見る[巨人アトラス]や[黄金の林檎]、そして、それらと接合する[アトランティス](本稿の出典(Source)紹介の部40出典(Source)紹介の部41で摘示しているように[黄金の林檎の園]と同一視されもしてきたとの伝説上の陸塊)といったものが[加速器LHCを巡る命名規則]に複合的に関わっているとのことが[記録的事実]としてある)。
 また、ケンタウロに属する存在としてはネッソスという存在がヘラクレス12功業を終えた後のヘラクレスを死地に追い込んだ存在となっている。「ヒドラの毒におかされて」苦悶にまみれた状況に追い込まれたケンタウロス・ケイロンをヘラクレスが犠牲に捧げたことを想起させるようにヘラクレスによってヒドラの矢毒を塗られた矢を射られて今際の際にあったケンタウロ・ネッソスはヒドラの毒におかされた自分の血を利用する奸計を思い立ち、それでもって後の日にヘラクレスがヒドラの血でもだえ苦しみ、死ぬことになったと伝承は語っているのである(ソフォクレス悲劇に見るその複雑な経緯についても先立って解説している)。
 以上のようにケンタウロの中の代表的存在であるケイロンとネッソスは双方共に[ヒドラの毒]を通じもしてヘラクレスにとって重要な存在となっているわけであるが、ケンタウロがその綴り8字中7字を共有するとの小説『スライス・アポン・タイム』に見るセンチュリオンもまた[毒]にまつわってのものである ―人工衛星で培養されたウィルスの毒に起因する災害に対する秘匿コードがセンチュリオンであるからである― (さらに述べれば、ケンタウロス・ケイロンの英文綴りChironは順序こそ多少異なれど、その6字中5字をセンチュリオンと共有している語となる)。

・上記のことに加えてのこととして、(最前、つい先立っての段で先述のように)、[センチュリオンと英雄ペルセウスの関係]もが[ヘラクレス12功業と小説『未来からのホットライン』との接合性]についての想起をなさしめるものとなっている(と本稿筆者としては強調したい)。その点、『未来からのホットライン』では ―そのような設定が科学考証の面で荒唐無稽なものと言えないと明言できるのか否かは置いておいて― ペルセウス座流星群と結びつけられての隕石が極秘の人工ウィルス培養用の人工衛星に直撃、地球に災厄の根をばらまいたと描かれている。そこに見るペルセウス座流星群のペルセウスとは神話にてヘラクレスの先祖となっている存在にしてメデューサ・キラーとして知られる存在である。他面、ペルセウスの子孫にあたるヘラクレスの方は、(因果は巡るとも言うべき設定が採用されているとのことではあるが)、神話・伝承にてペルセウスが多頭の蛇を頭から生やしたメデューサのように多頭の蛇の眷族 ―蛇女エキドナの眷族、9つの頭を持つヒドラや100の頭を持つラドン等等― らを誅伐している存在となる。そこからして[センチュリオン]と[ヘラクレスに関わるところでヒドラの毒で殺し殺されたケンタウロス]の接合性を観念できるようになっている。

 直上までの箇条書き形式振り返り表記であらためて強調したかったのは以下の関係性がそれぞればらばらの各個別々(の理由付け)で摘示できもする中で、だが、それら関係性の間には確とした意味論上の繋がり合いが存するとのことである。

小説 Thrice Upon a Time『未来からのホットライン』 ←([ヒドラの毒にて死したケンタウロス]を介しての関係性が[毒に関わるセンチュリオン(ケンタウロス接続名詞)]ありようがゆえに浮かび上がる)→ ヘラクレス12功業(殊に 11th labours of Hercules第11功業)

加速器実験LHC ←(プロメテウス解放がゆえにアトラスを介して取得がなされることになった黄金の林檎を介しての関係性がある)→ ヘラクレス12功業(殊に 11th labours of Hercules第11功業)

小説 Thrice Upon a Time『未来からのホットライン』 ←(時期的問題(2009年年末始動)/態様(欧州機関による数百万単位の極微ブラックホール生成への言及およびホーキング輻射を引き合いにしての言い逃れ)の両面での加速器ブラックホール生成にまつわる先覚的言及がゆえに関係性がある)→ 加速器実験LHC

 正気である、頭が正常に機能しているのならば、際立っての関係性】が各個別々(の理由付け)で摘示できもする中で、だが、それら関係性の間には確とした意味論上の繋がり合いが存するとのことであれば、「わざとそうもなっている」と判ずるはずであろう(「問題は、」そこにいう[わざと、の挙]がどういう性質のものであり、どこからどのような意図あってのものとして具現化しているのかとのことであろうと述べつつものこととしてである)

 以上、長くもなりながら[整理]のために振り返ってきたとのことと関わるところとして上にて呈示の図では[ペルセウスおよびその子孫にあたるヘラクレスらの彫像・版画での似姿]を最上段に挙げ(最上段のペルセウス像およびヘラクレス版画はそれぞれ先の段、出典(Source)紹介の部63(4)および本稿の補説2の段の付記部にて引き合いに出した媒体より挙げたものの再掲となり、うち、ペルセウス像は16世紀にてベンヴェヌート・チェッリーニ( Benvenuto Cellini )に製作されたペルセウス彫像となる。対してヘラクレス版画は[ Giorgio Ghisiとの16世紀芸術家によって製作された版画でオールド・マスター・プリントと呼ばれる版画に属するものの一画]となる)、 中段にあっては A Field Book of the Stars(1914年刊行版)との20世紀初頭にものされた天文学基礎的知識の解説をなしているとの洋書(現行、 Project Gutenbergのサイトにて公開されているものとなり、英文読解力がそれなりにあれば容易に読み解けようとのもの)にて掲載の図、ペルセウス座の似姿を描いた部より抜粋したものとなる。

 以上でもって図を付しての振り返っての説明部を終えるとして、続けて、

[ペルセウスとケンタウロスにもまた一部結びつきが存すること]

とのことに関わる図解部として以下のものを挙げておく。

(図解部をきちんと見ながら検討しないとなかなかもってイメージしづらいところか、とも思うのだが)
 上掲図にての上の段ではパルテノン神殿 ―これはあまりにも基本的な一般教養の問題かとは思うが、そも、[パルテノン神殿]とは現行ギリシャのアテナ市にその史跡が遺っている遺跡であり、古代ギリシャにあっての最有力都市アテナの中枢をなす祭祀センターであったとの神殿(の遺物)となる― 、 そのパルテノン神殿の[メトープ](神殿上部のトリグラフと呼ばれる飾り板の間をなす部分)らを含めての構造について解説しているとの著作にて掲載されている図よりの抜粋となる (図の引用元はとうの昔に著作権が切れた120年以上前の洋書、 Project Gutenbergのサイトにて公開されている(すなわち「典拠として誰でもオンライン上から閲覧・確認できる」との往時の[芸術史]初学者向けの書 A History of Art for Beginners and Students (1887) という著作となる) 。

 さて、パルテノン神殿のメトープ(神殿上部のトリグラフと呼ばれる飾り板の間をなす部分)にあっては

[ケンタウロスとラピテース(英語呼称ラピタ)族の戦争 ―本稿筆者は『[死んだ知識]など物好きか、そちら方面で立ち位置・役割を与えられている専門家あるいは好事家なる人種ぐらいしか摂取したがらないであろう』との観点を強くも有しているとの合理主義者であるのだが、といった人間ながら、好古家や古典に通じてのことを商売あるいは愚劣劇の立ち位置にしての学究のみが知るところとなっているのであろうその手のことにつき細かくも解説すれば、Centaromachyケンタウロマキアーとの呼称で知られる戦争― の一幕]

が描かれている (については和文でも目立つところで和文ウィキペディア[パルテノン神殿]項目に (原文引用するところとして)パルテノン神殿正門玄関の上に当たる東側のメトープは、オリンポスの神々が巨人と戦ったギガントマキアーを主題としている.同様に、西端のメトープはアテナイ人とアマゾーンの戦い、南側はラピテース族がテーセウスの助けを受けて半人半獣のケンタウロスと繰り広げた戦いがモチーフとなっている.北面の主題は「トロイアの落城」である(ウィキペディアにあっての引用部はここまでとする) との解説が「現行」なされているところでもある。また、パルテノン神殿のケンタウロスとの戦いを描いた浮き彫りの遺物については[エルギン・マーブル]として広くも世に知られているもの、英国貴族にしてトルコ駐在外交官であったロード・エルギンが往時、オスマン・トルコの支配下にあったギリシャよりパルテノン神殿から剥がし取って大英帝国に持ち帰ったとの大理石遺物にそれが認められるとのことがあるため、英文ウィキペディア[ Elgin Marbles ]項目などからも ―見ていておよそ眼福を得たとのことになるような類のものではないなとこの身などは私的には見ているわけだが― [写真]としても確認できるようになっている) 。

 上にて図示のされようを挙げている都市アテナのパルテノン神殿の浮き彫りに見られる、

[ケンタウロス族とギリシャの民 (ラピタの民/伝説上の都市国家アテナの王テセウスとペルセポネを求めての冥界下りをなしたことを本稿にての補説3の段で(そこからして重要な寓意性に関わるとの認識あって)解説しているとのペイリトオスという男を王に推戴していたとの神話上の設定の一族) の戦い]

については

[ギリシャ侵略に乗り出したアケメネス朝ペルシア (英語呼称ではアケメニッド・ペルジャ) をケンタウロスが如く[半面で獣性を帯びた蛮族]と見立て、他面、先進文明の民と自らを任じもしていたギリシャ人を真人、全面で人たるケンタウロスと相争うラピタ(ラピテース)の民に見立てての寓意性]

が ―(日本でも高校で[世界史]の科目を選択することをしたとの者ならば、お受験お勉強にあってその戦(いくさ)についての皮相的知識の取得を強いられるとの[古代ギリシャとペルシャの間で行われたペルシャ戦争]、そのペルシャ戦争にあってのギリシャサイドの勝利に起因する戦勝記念の一貫として)― 込められている、そういう分析がなされているところとなる。


(:本稿執筆に臨んで筆者は「極力」、というより、「絶対に」、いい加減なことは書かないようにしている、([巧遅]を犠牲にしての[拙速]に失せざるをえぬとの筆者のいまもっての苦境に起因する汎ミスなどなければ)、間違いなどなきようにしているわけであるが、読み手に正しきことの理解を求めるために面倒を厭わず直上表記のことの一般にての説明のなされようについても多少細かくもの言及をなしておく。
 その点もってして、ペルシャとギリシャ勢の争闘の比喩が[パルテノン神殿レリーフに見るケンタウロス族の闘争の描写]に見られるとの主張がなされているとの世に目立つところの言われようを下に引くこととする。

(直下、ラピス族、ケンタウロス族との闘争の伝承が伝わっているとのそのラピス族にまつわる英文Wikipedia[Lapith]項目にての「現行の」記載を引くとして)

The Greek sculptors of the school of Pheidias conceived of the battle of the Lapiths and Centaurs as a struggle between mankind and mischievous monsters, and symbolical of the great conflict between the civilized Greeks and Persian "barbarians". Battles between Lapiths and Centaurs were depicted in the sculptured friezes on the Parthenon, recalling Athenian Theseus' treaty of mutual admiration with Pirithous the Lapith, leader of the Magnetes, and on Zeus' temple at Olympia (Pausanias, v.10.8).
(補いもしての拙訳として)
ギリシャのフェイディアス派の彫刻家ら(訳注:フェイディアス派とはパルテノン神殿のペルシャ戦争後の改築の監督を務めたとされる紀元前5世紀にての彫刻家フェイディアスの薫陶を受けた一群の彫刻家を指す)は[ラピタの民(ラピテース族)とケンタウロスの戦い]をして[人類と人類に害をなさんとする怪物らの間の争闘]、そして、[文明先進地域のギリシャとペルシャの[蛮族]との間の大なるところの闘争]の表象であるとした。[ラピテース族とケンタウロスの間の戦い]はパルテノン神殿上部の装飾フリーズ(訳注:フリーズとは建築用語となる)の部にて描かれ、それはテセウスがラピテース族にしてマグネテス族(訳注:古代ギリシャ人の名祖たるヘレーン、神の粛正としての大洪水を生きのびたと伝わるデウカリオンとピュラーという神話上の存在の息子たるヘレーンに由来するところとして古代ギリシャ人は諸古典にてヘレーネの血筋、すなわち、ヘレーネス(Hellnes)とも呼び慣わされているのだが、マグネテス族とはその名祖たるヘレーンのそもそもの血筋のことを指す)の主導者たるペイリトオスと友誼を深めていたこと、そして、オリンピアのゼウス神殿(訳注:ギリシャ期に構想され帝政ローマ期に完工を見たとの一大建築物であるが、キリスト教時代に破壊されたと伝わっている神殿)のありようを思い起こさせることである(パウサニアス第5巻10の8の部による)」

(訳を付しての引用部はここまでとする ―※― )

(※尚、同じくもの点、[パルテノン神殿の浮き彫りの寓意性]についてはそこに描かれているアマゾン族との戦いの浮き彫りに関して「も」ペルシャに対する戦勝記念の寓意があったともされているのだが ―英文Wikipedia[ Metopes of the Parthenon ](パルテノン神殿のメトープら)項目に The subject of the west metopes is the legendary invasion of Athens by the Amazons (Amazonomachy). Scholars consider these metopes, which show the Amazons in eastern dress, to be a reference to the Persian Wars.との記述がなされているところともなる― 、ケンタウロスにまつわる寓意性がそこに伴っていることの方が良く知られたことであるのでは、と(諸所での言及頻度から)筆者はとらえている)


 直近、パルテノン神殿彫刻にては

[アケメネス朝ペルシャの侵略行為に対するギリシャ人の勝利のありようが ―獣性・野蛮性を帯びた(とギリシャ人がとらえていた)征服者ペルシャとしてのケンタウロスに文明を有したギリシャが[先進文明人]として勝利したとのかたちで― 比喩的に描かれている]

との理解が存するとのことに言及したわけだが、

[ギリシャに対する征服活動を開始したペルシャ]

は往古、[英雄ペルセウスの子孫]と自称・他称されていたとのことが伝わっている存在「でも」ある。

 出典を挙げる。

(直下、[歴史学の父]ともされる紀元前5世紀の歴史家ヘロドトスの著書『歴史』、その第二巻、 Project Gutenbergのサイトより誰でも全文ダウンロードできる版( George Campbell Macaulayという19世紀末の古典学者の訳になる版としての THE HISTORY OF HERODOTUS VOL. II(1890))よりの原文引用をなすとして)

Thus I have traced the descent according to the account given by the Hellenes; but as the story is reported which the Persians tell, Perseus himself was an Assyrian and became a Hellene, whereas the ancestors of Perseus were not Hellenes; and as for the ancestors of Acrisios, who ( according to this account ) belonged not to Perseus in any way by kinship, they say that these were, as the Hellenes report, Egyptians.(文法的に模糊としているところであるため、文脈を顧慮しながら苦吟しながらも訳すとして)「このように私ヘロドトスはヘレーネス(ギリシャ人)によって主張される説明に応じて血筋を遡りもした.にまつわり、ペルシャ人の方が述べているところとして報告されているようなこと、「[ペルセウス]の先祖がヘレーネス(ギリシャ人)ではない中で[ペルセウス]彼自身はアッシリア人(ペルシャ帝国前身の民)であり、(ペルセウスの方から)ヘレネース(ギリシャ人)になった」との言われように合致せざるところとして、そして、(この方面での説明に応ずるところとして)「ペルセウスの血筋に連なることとはいかなる意味でもなっていないとの[アクリシオス王](訳注:神ゼウスとダナエの間に産まれた子供とされるペルセウスの人間としての父に比定される存在)の先祖である」とのいいようの方には合致するところとして、それらペルセウス血筋はヘレーネス(ギリシャ人)が報告するところとしてエジプトのものであったとの言われようがされている」

(訳を付しての引用部はここまでとする)

(上にて「オンライン上より誰でも確認がなせる」がゆえにここで文言を引くこととした著名古典ヘロドトス著『歴史』と同文のことについては ―内容が易変するために問題となる媒体でもあると何度も何度も述べてきたところの― 英文Wikipedia[Peruseus]項目([ペルセウス]項目)にて次のように記載されているところともなる。
(以下、英文Wikipedia[Peruseus]項目([ペルセウス]項目)にあっての現行記載内容より引用なすとして)
A Greek folk etymology connected the name of the Persian (Pars) people, whom they called the Persai. The native name, however has always had an -a- in Persian. Herodotus recounts this story, devising a foreign son, Perses, from whom the Persians took the name. Apparently the Persians themselves knew the story, as Xerxes tried to use it to suborn the Argives during his invasion of Greece, but ultimately failed to do so.「ギリシャのとある民族起源論はペルジャン(ペルシャ人)Parsの民の名、彼らがペルサイと呼ぶところのその名を(ペルセウスと)結びつけてもいた.しかし、ペルシャの民の本来の名には常に(perseusには余分なる)aがくっついてもいた.ヘロドトスはこの申しように対する説明なしてのこととして、ペルシャ人がその名前をそこより取ったとの[外国生まれの子供としてのペルセウス]なるものを案出した(訳注:ちなみにここでのウィキペディア項目ではヘロドトス自身が[架空の外国籍のペルセウス]なるものを個人的に考案したように記載されているが、上にてヘロドトス原典から引いているようにその伝でのヘロドトス申しようはあくまでも仄聞・伝聞との形態をとっている.また、述べるまでもないことかとは思うのだが、[外国産まれのペルセウス]との話はギリシャ人のギリシャ人によるギリシャ人のための世界を描いているとも解される「オーソドックスな」との意味でのギリシャ神話ありようと齟齬をきたすものでもある)。 クセルクセス王(訳注:ギリシャ侵略に乗り出して敗退を喫したアケメネス朝ペルシャの帝王.本稿にての出典(Source)紹介の部56(2)でも事績を取り上げてきもした古代君主) が彼のギリシャへの侵略挙動の合間にあって[アルゴス人](訳注:アルゴス人とは本稿にての出典(Source)紹介の部82(6)で紹介しているようにホメロスの古典に遡るギリシャ人に対する総称の一つとなる)の出自を称せんとし、究極的にその挙に失敗なしていることに見受けられるように、明らかにペルシャ人の方でも(ギリシャ人に語られるところの)この話 ―[ペルセウス⇔ペルシャ人起源]論議― については知っていたと解されるようになっている」)

 細々と脇に入っての説明が長くなったとのきらいもあるが、要するに、

[往古にてギリシャ侵略をなそうとしたペルシャ人] ⇔ [ケンタウロス同文の存在](ギリシャサイドの否定的評価)
[往古にてギリシャ侵略をなそうとしたペルシャ人] ⇔ [ペルセウスの子孫を自称・他称していた(と伝わる)存在]

との関係性がそこに見受けられるわけである(上のパルテノン神殿にまつわっての図解部はそのことを訴求すべくも作成したものとなる)。

 と、すれば、である。

ギリシャ人にケンタウロスに仮託されもしてきた存在] (←[ペルシャ人]→) [ギリシャ人にペルセウスの血筋(ヘラクレスもそうである)と結びつけられてきた存在

との関係性が浮かび上がってくる。

 以上表記のことより

[ペルセウス座流星群に起因する災厄を(ケンタウロスと結びつくと既述の)センチュリオンとの秘匿コードで持ち出している小説 『未来からのホットライン』(スライス・アポン・ア・タイム)のありよう]

をもってして

[ペルセウス座流星群(ケンタウロスとも接続性が観念できる英雄の名を冠する星座ペルセウス座)に起因する災厄を(ケンタウロスと結びつくと既述の)センチュリオンとの秘匿コードで持ち出している小説『未来からのホットライン』のありよう]

との文脈「でも」とらえることができるとのことにもなり、ために、問題小説『未来からのホットライン』とケンタウロスの接続性についてよりもって濃厚なる結びつきが観念されることになる(と本稿筆者としては指摘したい)のである。

出典(Source)紹介の部110(5)はここまでとする)


 以上出典紹介部(兼解説部)の内容を念頭に申し述べるが、

「際立っての予見小説とそれがなっていること、詳述してきたとの小説 Thrice Upon a Time『未来からのホットライン』(原著1980年初出)には ―それと結びつく語句は登場していても― ケンタウロ(ス)との言葉それ自体は登場を見て「いない」。
 だがしかし、といった中でながらも同作『未来からのホットライン』とケンタウロスとの多重的結びつきが(ヘラクレス11功業にも通ずるところとして)見てとれるようになっているとのことがありもし、そのことが問題になるだけのことが「さらに」ある。
 にまつわっては【ケンタウロやケンタウロス・ケイロンを用いての特定事物にまつわる命名規則】が科学界にて用いられている、そして、そちら特定の命名規則が「後にて」[ブラックホール生成]トピックとも関わるように「なった」 ―1998年の理論動向変遷を経て関わるように「なった」― とのことがあり、そのことからして問題小説『スライス・アポン・ア・タイム』の[予言(的内容)]の性質に通ずるところとなる」

 上にて表記のこと ―【ケンタウロやケンタウロス・ケイロンを用いての特定事物にまつわる命名規則】が科学界にて用いられている、そして、それが後の日に[ブラックホール生成]トピックとも関わるように「なった」(1998年の理論動向変遷を経て関わるように「なった」)とのことがあるとのこと― の解説をこれよりなす。

(極めて問題となることであると手前が判断しているところとして)

 ここまで細々となしてきたケンタウロスを巡る話 ―『未来からのホットライン』という小説作品がヘラクレス12功業と接合性を呈していると指摘可能であるとのことにまつわっての話でもいい― に関しては


 現行実施されている加速器実験(LHC実験)の「ブラックホール生成問題にまつわって」安全性論拠が

[宇宙線(コズミック・レイ Cosmic Ray)]

と実験関係筋によって目立って結びつけられている


とのこととも少なからず通ずる側面がある。
 以降、その点について、繰り返すが、
ケンタウロスという存在との絡みでの『未来からのホットライン』に関するここまでの話が
[現行実施されている加速器実験(LHC実験)の「ブラックホール生成問題にまつわって」安全性論拠が[宇宙線](コズミック・レイ)と結びつけられている]
とのことにも通じている

との側面についての詳説をなすこととする。

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直下、本稿冒頭部へのリンクを設けておく

(⇒冒頭頁へは下の部より)

[典拠紹介部第1頁 加速器実験に伴う欺瞞性から証示なせることについて]

 上掲なしているのは19世紀後半から20世紀前半にかけて活動の著名な挿絵家アーサー・ラッカムが英訳・再刊行されたワーグナーの原作歌劇 Der Ring des Nibelungen『ニーベルングの指環』 (英文通用化タイトルとしては[指輪]一語の The Ringとも呼称される歌劇) の書籍化バージョンに提供しもしていた挿絵を挙げたもの、より具体的には挿絵家ラッカムが『ニーベルングの指環』序盤部をなすパート、 Das Rheingold『ラインの黄金』のために作成・提供していたとの画を挙げたものとなる (ただ当媒体では同画に多少の演出を施している) 。

 さてもってして、挿絵に見る女、というより、人ならざるところの[女神]はイドゥン(Idunn)という存在を(音楽界の巨匠と認知されている)『ニーベルングの指環』作曲者リヒャルト・ワグナーがフライヤ(Freia)との名前で焼き直しなし、登場させているとの存在なのではあるが、イドゥンにせよ、Wagnerが登場させた(画に見る)フライヤにせよ、北欧神話における不死の果実であるところの【黄金の林檎】と紐付けられた存在となっている(彼女ら女神達は【黄金の林檎の管掌者】となる)。 
 そうもした黄金の林檎と紐付いての彼女ら(イドゥン/フライヤ)は、いわば、神々に瑞々(みずみず)しき【不死】を(若さ約するとの)【黄金の林檎】を介して供給しているとの設定の女神となりもし、そして、彼女らの管掌する【黄金の林檎】が北欧神話多神教の神々に最早若さを与えなくなったとのその時点が【終末のはじまり】であると描写されてきたとのことがある (:【終わりの始まり】が黄金の林檎にて供給される若さの喪失と結びついていると描写されるのはワグナー歌劇にせよ、北欧神話それ自体も同文のこととなる ――ワグナー歌劇では序盤より【黄金の林檎(とフライヤ)の担保する若さの維持】が【無限の力を蔵する指輪の保持】と一時的に秤量されるのだが、結局、【黄金の林檎】と比較された指輪を欲する強欲な心(による人界の操作)が世界の終末に繋がると描写される。他面、ワグナー歌劇より遙か前から存在していた北欧神話では(それを収めたエッダ詩の訳書を借りるなどしてもよかろうしウィキペディアの[イズン]関連項目などをご覧戴くのでもよかろうが、易くも確認できようところとして)神々の最終決戦であるところのラグナロクとされる終末局面にあって黄金の林檎によって担保されていた不老は停滞を見、老化が始まると描写される―― )。

 ここからが問題なのだが、本段、脇に逸れての訴求部にあってまわりくどくもの口上にて上の如きことを引き合いに出しているのは本稿にあって【次のこと】らを【黄金の林檎】との兼ね合いで(具体的根拠と共に)訴求している ―(画に見るイドゥン・フライヤにも関わるところとして訴求している)― からである。

黄金の林檎 ―それは北欧神話から離れてのギリシャ神話ではトロイア戦争の原因、すなわち、城塞トロイアの崩壊の元凶でもある(本稿の前半部にあって古典よりの原文引用でもってして典拠紹介のこととなる)― が【人間の終末】に関わるとの指摘がなせるようになって「しまっている」、しかも、それ(黄金の林檎)がブラックホール生成との兼ね合いで古今東西にまたがっての文物を介して【人間の終末】に関わるとの指摘が濃厚になせるようになって「しまっている」とのことが現実にある (:現況現在執り行なわれているLHC実験にあって「科学の進歩に資する」とされてのブラックホール生成可能性と紐付けられてきたディテクター(検出器)の名前が【黄金の林檎】の在処を識る巨人アトラスの名を冠する ATLAS Detectorとなっているとのことが確とある一方で黄金の林檎と接合するエデンの禁断の果実を用いての誘惑者の著名古典に見る描写が(それ自体、奇怪奇矯なることなのではあるも)今日的な視点で見た場合のブラックホールの近似的描写と紐付いている、そうしたことがそれこそ山となり、それら山とあることらが相互に多重的に接合しているとのこともが「ある」)。

・上掲図の元となっているワグナー歌劇『ニーベルングの指環』は【黄金の林檎】(を管掌する女神)と【無限の富(力)を約する指環】の取引が序章の部より描かれているのだが、(黄金の林檎を管掌する女神と秤量されての)【指環】の取得に固執した者らが強欲さゆえに次々と滅亡していくさまが同歌劇では描かれる(:その一番はじめの描写は『ニーベルングの指環』前半部にあっての【黄金の林檎】管掌者たるフライヤを略取、彼女フライヤを【指輪】との取引の具とした巨人ファーフナーとファーゾルドの兄弟が殺し合いをはじめるとの部となる)。 そのことは現実世界で「黄金の林檎と接合している」とのかたちとなっている巨大なリング状の装置、加速器ラージ・ハドロン・コライダーが【指輪;リング】に仮託される風が一部ある (『ニーベルングの指環』の影響下にあるJ.R.R.トールキン原作のロード・オブ・ザ・リング『指輪物語』に登場の冥王に由来する指環と結びつけられるなど加速器LHCが【指輪】に仮託される風が実験関係者含めて見受けられる) とのことと平仄が合うにも程があろうとの筋合いのことともなる (:ただ現況もってして、同じくものことを問題視する人間はまったくいない(心ある向きには是非とも確認いただきたいところなのだが検索エンジンで英文単語を何語か入れて当たりをつけんとしてみても【リングと黄金の林檎の結びつき】を加速器との関係で目立って問題視するような向きはこの世界にはいない))。

・上にて先述のように【ギリシャ神話におけるトロイア崩壊の元凶】「でも」あるとのゴールデン・アップルがそれ(黄金の林檎)に関連する事物ら(巨人ATLAS「など」)を介してブラックホール生成をなす可能性があるとの加速器 ―巨大な【リング】でもある― と結びつくとして、である。 現在にあって巨大加速器実験を実施している「研究」機関ら、および、そちら「研究」機関らに携わっていた初期の紐帯がどうやって世に生み出されたのかもがワーグナーの『ニーベルングの指輪』に通ずる側面がある。 どういうことか。 現況、加速器実験を執り行なっている主たる研究機関ら(それら研究機関らは、と同時に、ブラックホール生成可能性に伴うリスクとの観点で中途半端に海外で法廷に引きづり出された研究機関ら「でも」ある) はその沿革上、
【マンハッタン計画の子供ら】
となっているとのことがある ―同じくものことは長大な本稿本文の部にあって(入念を心掛けての)指し示しの対象としていることでもある― のであるが (:またもってして核分裂の過程に通ずる原子核人為破壊を兵器転用なそうとしたとのマンハッタン計画にあっての挙、そちら核兵器を製造するプロセスと加速器実験にての原子核人為破壊のプロセスは同一方向のベクトルを指している ―無論にして同じくものことの典拠をも本稿本論部で入念に挙げている― )、 マンハッタン計画と今日の加速器実験(におけるブラックホール生成に通ずる挙)の縁(えにし)の深さはそれ以外にも濃厚に認められるとのことがある(たとえば円形加速器という装置をそもそも生み出した者達がマンハッタン計画の主導者となっていたとのことがある等々)。
 そうもした(加速器実験運営機関を生み出した)マンハッタン計画始動の原因になっているユダヤ系の迫害の挙に出たナチスのやりよう・躍進・劫略のプロセスはワグナー歌劇『ニーベルングの指環』と濃密に結びついているとのことがある(『指環物語』作者ワグナーがユダヤ系の向きらにあって反芸術・野蛮の象徴である忌避すべき象徴とされてきたのはナチス第三帝国およびその領袖ヒトラーが反ユダヤ主義を大っぴらに喧伝していたリヒャルト・ワーグナーを最大限重要視していたとの歴史的事実があるからであり、たとえば、ナチスの実行してきた非道なる命令体系、占領統治下の反体制派・レジスタンスを夜陰に乗じて密やかに処分することを目しての行政命令であるところのナハト・ウント・ネーベル( Nacht und Nebel )、【夜と霧】行政命令 ―日本では Man's Search for Meaningとの原題を有した心理学者ヴィクトル・フランクルの書籍の「邦題」として識られている語でもある【夜と霧】(収容所が絶滅収容所へと変遷していく画期を象徴する語であるとも認識されている)― などはワグナーの『ニーベルングの指環』に由来しているとのものとなる ――※ウィキペディア[夜と霧]項目などにおいても簡明な解説がなされてはいることだが(であるから疑わしきはその程度の媒体からでも確認いただけるであろう)、ナチスドイツが欧州にて反対派を掃討するための共通規則とした【夜と霧】命令はヒトラーが愛聴していた、そして、ナチス体制下の国家芸術の象徴として扱われていたリヒャルト・ワグナーの『ニーベルングの指輪』、その『ラインの黄金』にあっての一幕(の中の[ニーブルヘルム]の下り)にて侏儒(ドワーフ)のアルベリヒが隠れ頭巾を用いて姿を消す際に口にする台詞、「夜と霧になれ、誰の目にも映らないように.」に由来しているとのことが知られている(にまつわって述べておけば、【夜と霧の呪文】を唱えたドワーフ・アルベリヒは強欲さの象徴でもあり、絶大な力をもたらす【呪いの指環】そのものを生み出した存在でもあるとワグナー歌劇では設定付けがなされているキャラクターである)―― 。

 以上のことはそれだけを読まれる限りは何が問題になるのか判じがたいとのこととなろうかとは(当然に)思うのであるが(理解を阻む詰め込み過ぎの風もあったかと脳裏をよぎりもしている)、同じくものことにまつわっての指し示しを細々となしもしている、また、そこからさらにもってして何が述べられるのかの指摘を委細を尽くしてなしているとの本稿本論部をご検討いただければ、【ことの重篤さ】 ―重篤さというのは【執拗さ】の問題として何が企図されているのかに通じもしていることである― についてご理解いただけるか、と考えている。

当サイト内にあっての【各頁および各典拠への一覧方式遷移部】、及び、【PDF形式文書配布ページ】へのリンクを直下、設けておく

各頁および各典拠への一覧方式遷移部へは以下より


問題となる[「予見的」言及→実現]の体系についての[典拠紹介部]一覧呈示頁

PDF形式文書配布ページへは以下より


典拠解説媒体としての[一括PDF文書]の公開頁

ここ本頁内の記述内容を支える【「容易に後追い確認なる」「堅い」ソースを呈示しての出典紹介部ら】のうち、枢要なるものへの[遷移経路]を下に設けておく。 典拠について疑わしいとの部があれば、必要に応じて参照されたい (:クリックすることでブラウザ ―インターネット閲覧ソフト― の[別タブ(別枠)]にて典拠紹介部を表示( open "additional" tabbed window(s) of web browsers ))

[出典(Source)紹介の部1](加速器のブラックホール生成リスク問題視の契機が1999年にあり、の折、実験機関はブラックホール生成可能性それ自体を否定していたとのことにまつわっての典拠紹介部1)
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典拠紹介部第2頁 1999年における加速器を巡る議論動向

[出典(Source)紹介の部2](加速器によるブラックホール生成が[現実的にありうること]と当事者実験機関および科学界にて表立って論じられ出したのが2001年であると判じられるようになっていることにまつわっての出典紹介部2)
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典拠紹介部第3頁 ブラックホール生成可能性にまつわる研究機関の変節の経緯

[出典(Source)紹介の部4](西暦2000年前後の科学界やりとりと際立って類似性を呈しての[加速器ブラックホール生成のストーリー]を扱う小説作品が「1980年に」世に出ていることにまつわっての典拠紹介部4)
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典拠紹介部第4頁 小説『未来からのホットライン』に見るブラックホール生成描写

[出典(Source)紹介の部35]LHC実験とトロイア崩壊およびアトランティスの関係性を示す命名規則上のありようにまつわっての部LHC実験にあっては[(トロイア崩壊の因たる)黄金の林檎の在処を知ると神話が語り継ぐ巨人アトラス]の名前を冠する検出器ATLASおよび黄金の林檎の果樹園とも同一視されもするアトランティス]の名前を冠するディスプレイ・ウェアATLANTISによって生成極微ブラックホール捕捉をなしうるとの可能性が取り沙汰されてきたとのことについての出典紹介の部35)
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典拠紹介部第30頁 アトラス・アトランティスとLHC命名規則の繋がり合い

[出典(Source)紹介の部36(2)](LHC実験にあってはブラックホール生成可能性が問題視されるそれ以前、1992年から覚書が交わされてATLASとの名称の使用が確定していたことにまつわっての出典紹介の部36(2))
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典拠紹介部第30頁 アトラス・アトランティスとLHC命名規則の繋がり合い

[出典(Source)紹介の部41]トロイアとアトランティスの関係にまつわっての出典紹介部の一例[トロイア崩壊の原因たる黄金の林檎が実るヘスペリデスの黄金の林檎の園]が何故、[アトランティス]と結びつくのかについての出典紹介の部41)
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典拠紹介部第37頁 アトランティスを巡るドネリーの主張について

[出典(Source)紹介の部63(3)](著名な文人ロバート・グレーヴズのギリシャ神話関連書籍については[牽強付会(こじつけがましい)・独創先行のきらいあり]とのことで出典として用いるには無理があることについて「も」言及しての出典紹介部63(3)の部)
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典拠紹介部第57頁 ギルガメシュ叙事詩と洪水仮説の関係性[7]

[出典(Source)紹介の部81](ブラックホール人為生成可能性現実化の理論登場後はブラックホール生成それそのものがいかようにして実験大義そのものと語られ出したのかにまつわっての出典紹介の部81)
の参照は直下より


典拠紹介部第86頁 小説『コンタクト』にあっての加速器実験と通ずる側面

[出典(Source)紹介の部110](1980年初出の予見小説 Thrice Upon a Time『未来からのホットライン』とLHC実験の間には【2009年年末の時期的一致性】の問題もが横たわっているとのことにまつわっての出典紹介部110)
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典拠紹介部第134頁 再び、 Thrice Upon a Timeらのブラックホール生成予見について