典拠となるところの明示[139]――「際立っての」予見的小説 Adrift Just off the Islets
of Langerhans
が本稿にて示してきた多重的関係性の環に入っていることについて

関連情報にまつわるカテゴリ(各部クリックにて遷移)

本稿前半部にて【文献的事実】の問題としてのその[水際立っての先覚性]について取り上げもしてきた小説作品と[ヘラクレス12功業]の関係性について

 直前頁後半部では

【アーサー・クラーク小説群が何故もってして予言的側面を帯びているのか】

とのことにまつわっての微に入っての解説に力を入れもしてきたわけだが、そこから話を本題となるところに引き戻す。

([さらに補ってもの表記]の話を終えたとして本題となるところに話に引き戻すとして)

 さて、ここまでのA.からC.の流れにて論じてきたこと以外に

Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N, Longitude77°00'13W『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』(1974)

との実にもって長ったらしくもある (ということはそこに意味性具備の意図の問題も観念できもする) とのタイトルの作品が本稿にて主軸として問題視しもしてきたとのこと、すなわち、

【ヘラクレスの計12に及ぶ功業】、【(ヘラクレス第11功業に見る)巨人アトラス】、【トロイア崩壊伝承に見るトロイア崩壊の原因たる(他伝承では巨人アトラスが在処を把握するとされる)黄金の林檎】、【巨人アトラスともトロイア崩壊元凶たる黄金の林檎とも史的に結びつけられてきたとのアトランティス沈没伝承】、【アトラスやアトランティスといった固有名詞を付されてのLHC実験におけるブラックホール生成論議に関わる事物】との要素らのうちの「複数」を特色として帯びつつ、かつ、【911の事件の発生(態様)にまつわる予見的言及】ないし【ブラックホール人為生成問題にまつわる「先覚的言及」】の一方、あるいは、その双方の特徴を呈しているとの文物らが「不可解に」存在している]

とのことと結びつくと解される論拠については(さらにも話を深化させて)直下指し示していくようなこと「も」ある。

 小説 Adrift Just off the Islets of Langerhans:Latitude 38°54'N,Longitude77°00'13W『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』(1974)にあっては同作主人公のロレンス・タルボットというキャラクターが

ギリシャ神話の女神デメテルDemeterの名を冠する者であると作中それ自体からして明示されている存在

から、(時を超克した存在とも示唆されるそちらキャラクターとアポイントを取って面会した折に)、

[魂の座標へと至る道についてのヒント]

を聞き出すに至り、その結果

15兆電子ボルトが出せるとの架空の円形加速器を運用するCEERNCERNではない)に由来するレーザー装置で自らを縮退させての分身を造り出して[黒々と渦を巻く底無しの臍(へそ)]にその分身を送り込んで自己の魂に引導を渡す

との挙動が(主人公ロレンス・タルボットの挙として)実行に移されると描かれている。 

 そこにみる【主人公に魂の座標への案内をなしたとの存在】、すなわち、

[加速器運営機関(往時のCERNのそれに比して200倍も今日のLHCの出力に近しいとの加速器を時期的に奇怪にも言及しているとのこと、論拠を挙げて詳述してきたとの架空の加速器運営機関CEERN)のレーザー発射装置で自らを極小化させる挙動に出る[契機]を与えたとの存在]

[デメテル(というギリシャ神話女神)の名を冠する存在]となっているとの一事より、

[ヘラクレス12功業のうちの第11功業と第12功業]

のことが想起されるだけの理由がある。

 上記のことにあって鍵となるのは【ケルベロス】という怪物であり、また、【ペルセポネ】という女神である。

 それにつき、本稿の先の段、具体的には補説3と銘打っての先の段にあっての出典(Source)紹介の部91から出典(Source)紹介の部94(7)を包摂する解説部にて詳述に詳述を重ねてきたところとして

[【デメテル】というのはその娘にあたる【ペルセポネ】と[同一存在]であると学者らに見倣されるだけの背景が伴っている女神である]

とのことを摘示・解説なしていた(何故、そのようなことを補説3の部で解説していたかはそうした話がまた別側面で【ブラックホールを巡る尋常一様ならざる先覚的言及】に関わるとの指摘がなせてしまうとのことがあるからである ―詳しくは一気通貫としての流れをもってしての摘示に努めての補説3、同セクションをとおしで参照いただきたいものである― )

 その本稿にての従前摘示内容、

【デメテル ←(質的同一存在との指摘が根強くある存在)→ ペルセポネ】

という図式にも通ずるところとして往古、ギリシャ・ローマ期にかけて執り行われてきた秘祭にして会員制秘儀サークルの集いでもある[エレウシス秘儀]というものにあっては三柱の女神ら、

[デメテル・ペルセポネ・ヘカテ

が主たる崇拝対象となっており、同エレウシス秘儀で

【デメテル(⇔ペルセポネ)】

と共に崇められていたとのヘカテという女神について「も」【ペルセポネ】と複合的に同一存在であると述べられるような背景が伴っているとのことがある(先のセクションにあっての解説部ではローマ期古典にあっては「女神【イシス】は女神【ペルセポネ】にして女神【ヘカテ】である」といった表記が[文献的事実]の問題としてなされているといったことを詳述している ―本稿出典(Source)紹介の部94(3)にてローマ期古典として今日に伝わる『黄金の驢馬(ろば)』の内容を文献的事実として問題視している部や本稿出典(Source)紹介の部94(6)にて(オンライン上より確認できるとのソースを原文引用なしながら)紹介しているとのジェイムズ・フレイザーやトマス・ブルフィンチの(同じくものことについての)学業の世界での著名著作にあっての解説部(ゴールデン・バウこと『金枝篇』や『ジ・エイジ・オブ・ファーブル』での解説部)ありようを参照のこと― )。 

(本稿にての補説3の段で挙げていたところの図解部らから【ここでの話と接合するもの】を掻い摘まんで再掲なしておくこととする)

 そのように【ペルセポネ】と同一視されもしてきたとの【ヘカテ】が地獄の番犬【ケルベロス】と「純・記号論的に」密接につながっている存在となっているとのことが「ある」。

 にまつわって、本稿にての補説3の部、の中にあっての出典(Source)紹介の部94(7)を包摂する部では ――(最終的に【ペルセポネ】および【ヘカテ】および【ケルベロス】らの各存在と複合的に接合しているとのエジプトからのギリシャ・ローマ世界への渡来神たる[イシス]という女神にまつわる古典内記載が「どういうわけなのか」ブラックホール開闢理論と「奇怪無比なるかたちで」先覚的に結びついているとのことを詳説すべくも展開してきたとの話の中での出典紹介部として)―― 【ヘカテ】と【ケルベロス】らに

「双方、[三面構造]を持った存在である」
「双方、[犬]との属性と結びつく存在である」
「双方、[冥界]と関わる存在である(にあっては[冥界の番犬]と[辻々の番人]との両者性質が重なるようなところもある)」
「双方ともに毒物[トリカブト]由来と濃厚に結びつく存在である」

との結節点が伴っていることの論拠呈示をなしていた(表記再述の通りの明確化している類似ポイントがゆえに【ヘカテ】(【ペルセポネ】との接合性がこれまた指摘されている女神)と【ケルベロス】には際立っての近接性が「ある」とのことになっている)。

 以上、従前の本稿摘示内容に基づいて指摘するが、

[(【デメテル⇔ペルセポネ⇔ヘカテ】とのコネクションと接合するところの)【ケルベロス】]

という怪物、有名なその【三面の地獄の犬】(逃げ惑う死者を喰らうとの番犬)は

[ヘラクレス12功業にての最後の功業にて冥界 ―ペルセポネを女王として戴きハデスという神を主催者とするギリシャ神話の地獄― より地上に引きづりだされた存在]

となっているとの怪物「でも」ある ―文献的根拠としては出典(Source)紹介の部90(3)などを参照のこと― (:さらに述べれば、【ケルベロス】との存在については【人類にあってのブラックホール理論の開闢史と結びついているとの特定の白色矮星(シリウスB)との相関関係が異常なる先覚性を伴って問題となる存在】であると(ギリシャの女神【ペルセポネ】と同一存在とされてきたエジプトより伝来の女神【イシス】にまつわる古典記述も関係するところとして)一部論客によって問題視されるべくして問題視されているとのこと「をも」本稿にての補説3の部で詳述なしてきただけの背景がある ―出典(Source)紹介の部95(8)以降の本稿にての(それ以前の部の内容を敷衍(ふえん.おしひろげ)しての)解説部を参照のこと― 。 となれば、『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』がブラックホール人為生成についての先覚的言及をなしている文物であるとのこととも ―(【『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』にての情報提供者の名前】⇔【デメテル】⇔【ペルセポネ】⇔【ケルベロス】⇔【ブラックホール理論開闢とも通じている白色矮星シリウスBに対する先覚的言及と結びついているとの指摘がなされている怪物】との絡みで)― 話が接合してしまうこと「にも」なる)

(ここ本段で問題視しているのは直上にて再度の図示部が指し示すところ、そして、直下図解部に両者共々がお目見えしている【ケルベロス】と【冥界の女王ペルセポネ】の関係性である)

 以上、[委細をせんだっての段に譲りもして再述しての記号論的一致性]の問題より、したがって、


【デメテル】の名を冠する存在による、

[15兆電子ボルトが出せるとの架空の円形加速器を運用するCEERNCERNではない)に由来するレーザー装置で自らを縮退させての分身を造り出して【黒々と渦を巻く底無しの臍(へそ)]にその分身を送り込んで自己の魂に引導を渡す】との挙への誘導]

とは【デメテルと同一視されるペルセポネ】ひいては【ペルセポネおよびペルセポネ同質物とされてきたヘカテと複合的に結びつくとのケルベロス(ヘラクレス12功業の標的である三面の怪物)】による同じくもの挙への誘導と言い換えることができる」


ようになっている(くどくも強調したいことなのだが、同じくものことは神話・言い伝えの伝のみに依拠しての純然たる記号論的変換(属人的解釈の類は話柄選択以外には作用していないとの純然たる記号論的変換)の問題にすぎない)。

 そこにて『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』(1974)と【ヘラクレス12功業】の関係性が観念できるようになっている (既に申し述べているように[ブラックホール生成問題にまつわっての際立っての予見小説としての顔]を持つ『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』(1974)に関しては[911の先覚的言及作品]がかった側面もが伴っている一方でのこととしてそういうことが述べられるようになっている) 。


| 出典(Source)紹介の部112 |

 ここ出典(Source)紹介の部112にあっては

[小説 Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N, Longitude77°00'13W『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』(1974)では同作主人公ロレンス・タルボットが
ギリシャ神話の女神デメテルDemeterの名を冠する存在
から[魂の座標へと至る道についてのヒント]を聞き出すに至り、結果、[15兆電子ボルトが出せるとの架空の円形加速器を運用するCEERNCERNではない)に由来するレーザー装置で自らを縮退させての分身を造り出して[黒々と渦を巻く底無しの臍(へそ)]にその分身を送り込んで自己の魂に引導を渡す]との挙動(主人公ロレンス・タルボット主導の挙動)が実行に移されると描かれる]

との流れで[ギリシャの女神デメテルへの言及がなされている]との文献的事実について原文引用によって指し示しておくこととする。

 まずもって、原著の内容を問題視する前に英文Wikipedia[ Adrift Just off the Islets of Langerhans ]項目にあっての現行にてのSynopsis(粗筋)の部の記載内容を引いておくこととする。

(直下、現行英文Wikipedia[ Adrift Just off the Islets of Langerhans ]項目にてのSynopsisの節の記載よりの引用をなすとして)

Larry Talbot wants to die, but cannot unless he first knows the exact physical location of his soul. To this end, he tracks down Victor Frankenstein, who sends him on a fantastic voyage.

(訳)「ラリー・タルボットは(補ってもの部として:作中、同タルボットが不死の狼男の眷族であることが臭わされるなかで)死を得たいと欲していたのだが、それは彼が自身の魂の正確な物理的座標を知らなければ、適わぬことであった。この目標(魂の座標を特定し自身に死をもたらすとの目標)に向けて、彼はヴィクター・フランケンシュタイン、ロレンス・タルボットを幻想的な冒険へといざなうことになる同人物を探し求め、同男に頼ることになる」

(訳を付しての引用部はここまでとしておく)

 以上のようにウィキペディア(程度の媒体)に表記されていること、端的には、

[ラリー・タルボット(ロレンス・タルボット)は死を得るために自己の魂の場所を同定する必要があった(そして、ヴィクターという男の助力を請うた)]

と表記されているとのことに関して、その細かくもの流れが、

[ラリー・タルボットがまずもって[ディミーター] (邦訳版 ―『世界SF大賞傑作選8』(講談社刊)― の記載では[ディミーター]とされているが、原著綴りがデメテルDemeterとされており、実際に同じくもの綴りのギリシャの大地の女神[デメテル]と結びつく存在であろうとの言及が作品内部にみとめられる存在) という名の男 ―小説では女神デメテルの名を冠するとされるも小説内では[男]であると明示されている作中登場人物― に魂の座標情報に対する情報提供を求め、その呈示情報取得の結果、旧知のヴィクトル・フランケンシュタインに助力を請うに至った]

となっていることを示すに十分と判断した一群の記述の引用を(文量過多とならぬ必要最小限の引用に留めるべく)掻い摘まんでなしておくこととする。

(直下、―( Internet Archiveのサイトにて原文を含む The Magazine of fantasy and science fiction Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N, Longitude77°00'13Wがそのリリース期、同誌にて収録されていたとの雑誌『ファンタジイ・アンド・サイエンス・フィクション』誌)の問題となる号の内容が現行、全文掲載されていることをもってして、そこにて収録されているここに問題視されている小説 Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N, Longitude77°00'13Wの原著版内容をもオンライン上より誰でも全文確認なせるようになっていることを受け)― オンライン上より現行、確認可能となっている Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N, Longitude77°00'13Wの表記のことを示すための端的なる原文引用をなすこととする)

"Mr. Talbot. Good of you to come. John Demeter."
He came up from a wingback chair, extended his hand. Talbot took it. The grip was firm and cool.
[ . . . ]
Talbot studied Demeter in one long appraisal as he took the chair opposite the wingback.
Demeter was in his early fifties , had retained a full and rich mop of hair that fell across his forehead in gray waves that clearly had not been touched up. His eyes were clear and blue, his features regular and jovial, his mouth wide and sincere. He was trim.
[ . . . ]
"Fine. Then why don't we get to specifics. Mr. Talbot, you're having some difficulty dying. Am I stating the situation succinctly?"
"Gently, Mr. Demeter."
"Always."
"Yes. You're on the target."
"But you have some problems, some rather unusual problems."
"Inner ring."
Demeter stood up and walked around the room, touching an astrolabe on a bookshelf, a cut glass decanter on a sideboard, a sheaf of London Times' held together by a wooden pole. "We are only information specialists, Mr. Talbot. We can put you on to what you need, but the effectation is your problem."
"If I have the modus operandi, I'll have no trouble taking care of getting it done."
[ . . . ]
"Hey. We aren't here getting pneumonia just to discuss forced rhyme"
[ . . . ]
The lines of weariness in Talbot's face settled into a joyless pattern. "Victor, I need your help."
[ . . . ]
"Oh. Right. Sorry, Larry. Go on. You met with them ..."
"Man named Demeter. I thought there might be some clue there. The name. I didn't think of it at the time. The name Demeter, there was a florist in Cleveland, many years ago. But later, when I looked it up, Demeter, the Earth goddess, Greek mythology ... no connection. At least, I don't think so. We talked. He understood my problem and said he'd undertake the commission. But he wanted it. specific, what I required of him, wanted it specific for the contract - God knows how he would have enforced the contract, but I'm sure he could have - he had a window, Victor, it looked out on - "
[ . . . ]
"All right, take it easy. Let me hear the rest of this and we'll see. Relax."
Talbot nodded and felt grateful. "I wrote out the nature of the commission. It was only seven words."
He reached into his topcoat pocket and brought out a folded slip of paper. Victor unfolded the paper and read
GEOGRAPHICAL COORDINATES FOR LOCATION OF MY SOUL
Victor looked at the line of type long after he had absorbed its message. When he handed it back to Talbot, he wore a new, fresher expression. "You'll never give up, will you, Larry?"

(呈示文言をグーグル検索することでオンライン上より内容確認できるようになっているとの原著よりの引用部はここまでとしておく ―※以上のようなオンライン上より現行は確認できるところに対しての日本語訳に関しては国内で流通している『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』掲載撰集の中から問題となる部を下に別途、引用しておくこととする― )

 上にて引きもしている原著記述内容は

[小説『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』主人公ラリー・タルボットがまずもって[ディミーター](邦訳版の記載では[ディミーター]とされているが、原著綴りがデメテルDemeterとされており、実際にギリシャの大地の女神[デメテル]と同じくもの名を持つ存在であるとの言及が作品内部に認められる存在)という男に魂の座標情報に対する情報提供を求め、その結果、旧知のヴィクトル・フランケンシュタインに助力を請うに至った]

との一連の流れにまつわるものとなるが、同記述に対応する邦訳版(より正確には邦訳されての中編小説『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』(1974)を掲載しているとの『世界SF大賞傑作選8』(講談社刊))にての該当部を ―無論、きっかりと上記原著引用部よりと対応させるかたちで― 原文引用なしておく。

(直下、邦訳されての中編小説 Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N, Longitude77°00'13W『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』(1974)を掲載している『世界SF大賞傑作選8』(講談社刊)より掻い摘まんでの部分抜粋をなすこととする ――より具体的には『世界SF大賞傑作選8』(講談社刊.当方手元にあるのは昭和53年8月15日刊行の初版版)にてのp.199の記述よりの部分抜粋をなすこととする―― )

「タルボットさん。よくいらしてくださった。ジョン・ディミーターです
男はそで付きの安楽椅子からのりだし、手を差しのべた。タルボットはその手をとった。
・・・(中略)・・・
タルボットいっときしげしげとディミーターを観察した。ディミーターは年のころ五〇代前半、たっぷりした白髪まじりの頭髪は、くしを入れていないらあしく、ウェーブしながらがひたいに乱れかかっている。澄んだブルーの目、ととのった陽気な顔だち、誠実さをうかがわせる大きな口。品のよい人物だった。

(上にての抜粋部と連続性を呈するところを直下、『世界SF大賞傑作選8』(講談社刊)にてのp.201の記述よりの部分抜粋をなすとして)

「けっこう。それでは、細かい点をうかがいましょうか。タルボットさん、あなたはいま死ぬのに苦労しておられる。こういえば、簡潔な説明になりますか?」
「お手やわらかに、ディミーターさん」
「もちろん」
「そう、その説明でドンピシャリです」
「しかし、あなたは問題を抱えておられる、ちょっと異常な問題を」
「さすがは」
ディミーターは立ち上がると部屋の中をまわり、本棚の上の天体観測儀(アストロラーベ)と、食器棚の上のカットグラス・デカンターと、ロンドン・タイムズ紙の綴じこみにさわった。「わたしどもはただの情報専門家です、タルボットさん。必要な情報を提供はできるが、実行はあなたの問題だ」
「方法さえわかれば、かたをつけるのに手間はかかりません」

(上にての抜粋部と連続性を呈するところを直下、『世界SF大賞傑作選8』(講談社刊)にてのp.208-p.209の記述よりの部分抜粋をなすとして)

「うん、そうだな。すまん、ラリィ。続けてくれ。きみは連中と会った・・・・・・
ディミーターという男だ。そのあたりに手がかりがあるんじゃないか、とも考えたよ。名前だ。そのときには思いつかなかった。ディミーター、何年も前だが、クリーヴランドにその名前の花屋がいた。しかし、あとで調べてみると、ディミーターは大地の女神、ギリシャ神話・・・・・・関係ないな。すくなくとも、おれは関係ないと思う。ディミーターはわかってくれて、仕事を引きうけるといった。ただ、問題をはっきりさせろという。おれが何をしてほしいと思っているのか、契約のためにもはっきりさせろというわけだ・・・・・・契約を成立させる自信がどこから出てきたのか、だがたしかなのは、やつが使おうとすれば――オフィスに窓があるんだよ、ヴィクトル。外を見ると――」
・・・(中略)・・・
「わかった。おちつけ。話の続きを聞いてから考えよう。リラックスするんだ」
タルボットはうなずき、安堵した。「おれは依頼の内容を書きだした。たった一行だ」彼はトップコートのポケットに手を入れ、折りたたんだ一枚の紙を出した。相手にわたす。薄暗いカンテラの光の下で、ヴィクトルは紙をひらき、中を読んだ・・・・・・
 わたしの魂の所在位置の地理座標 
意味を汲みとったのちも、ヴィクトルは長いあいだタイプ文字から目をはなさなかった。タルボットに紙を返したとき、その顔には今までとちがうすがすがしい表情がうかんでいた。「あきらめる気はないんだろう、ラリィ?」

(掻い摘まんでの引用部はここまでとしておく)

 以上のような抜粋部にて示される流れ、すなわち、

[ディミーター ―(『世界SF大賞傑作選8』(講談社刊)p.208にてもディミーター、何年も前だが、クリーヴランドにその名前の花屋がいた。しかし、あとで調べてみると、ディミーターは大地の女神、ギリシャ神話・・・・・・関係ないな。すくなくとも、おれは関係ないと思うと訳されて記されている(原著にては Man named Demeter. I thought there might be some clue there. The name. I didn't think of it at the time. The name Demeter, there was a florist in Cleveland, many years ago. But later, when I looked it up, Demeter, the Earth goddess, Greek mythology ... no connection. At least, I don't think so.と記されている)ように、[ギリシャ神話のデメテルと同じくもの名を冠する存在]と作中に明示さている存在でそのままにDemeterと原著にては綴られている存在)― に[魂の座標の存在位置]に関する情報提供を求めた後、主人公が旧知の仲のヴィクトルに頼み込んで、その情報に基づき(不死たる)自己の死を得るための挙動を開始するとの流れ]

を経て小説主人公タルボットは[魂の所在地]に到達し引導を下す挙を実行に移す ――(具体的には[15兆電子ボルトの架空の円形加速器を運用しているとの架空のCEERNという組織(CERNではない)、ヴィクトルが人員押さえているとのその組織が有しているレーザー装置で主人公タルボットを超極小の分身に分裂させて、その極小の分身を[タルボット本体の底無しの渦を巻く黒々とした臍(へそ)の穴]に投下、(文脈上、膵臓のランゲルハンス島の特定部に位置する)魂の所在地にて引導を渡させる]と挙を実行に移すとのことが描かれる)―― というのが(「ややこしくも響くだろうが、」)小説 Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N, Longitude77°00'13Wの全体の流れとなっているとのことがある(※)。

(※上にて言及しているとのこと、そして、 Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N , Longitude 77°00'13Wと他の小説たる The Hole Man(『ホール・マン』)との連結関係を顧慮しつつも導きだせてしまうこととの絡みで

[15兆電子ボルトの架空の円形加速器を運用しているとの架空のCEERNという組織(CERNではない)が有しているレーザー装置で主人公タルボットが超極小の分身に分裂させられて、そちら極小の分身が[タルボット本体の底無しの渦を巻く黒々とした臍(へそ)の穴]へと投下され、(文脈上、膵臓のランゲルハンス島の特定部に位置する)魂の所在地にて引導が渡されることが臭わされる]との流れが小説にてみとめられること、細かく裏取りが容易になせるとの同じくもの【文献的事実】が何故、[ブラックホール生成問題]との絡みで「奇怪な」先覚的言及になるのか]

については本稿にての前半部にあっての[事実F]から[事実J]と分類しての事柄らへの解説部 ―出典(Source)紹介の部6から出典(Source)紹介の部10を包摂する解説部― にあって細かくも解説している、そう、遺漏無くも詳述しているのでよく把握していないという向きはそちらの方を参照いただきたいものである ――(ただし、【「現行」、ブラックホール生成が問題視されるに至りもしているとの出力の加速器に70年代往時CERNの運用するそれよりも200倍も近しき15兆電子ボルト出力の加速器を登場させ、なおかつ、そのような加速器は小説執筆当時では加速器運営機関にすら計画されているようなものではなかったこと(その通りのことを示す米国の加速器研究機関由来の報告文書が本稿にて引用なしたようなかたちで存在している)、そして、そのような加速器を用いてブラックホールの人為生成が理論的にありうると見倣されるに至ったのは2001年以降であるとのこと】をもってして【生き死にに関わる欺瞞の問題】ないし【奇怪な先覚的言及の問題】であると「見ない」のならば、そういう向きに確認は当然に請わない(そういう向きらは殺される状況でも何もせずに殺されていくだけであろうと「当然に」見ざるをえぬ、ために、語るに意をなさぬ、であるから、確認を求めないということである))―― )

 これにて、長くもなったが、

[小説 Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N, Longitude77°00'13W『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』(1974)では同作主人公ロレンス・タルボットが
ギリシャ神話の女神デメテルDemeterの名を冠する存在
から[魂の座標へと至る道についてのヒント]を聞き出すに至り、結果、[15兆電子ボルトが出せるとの架空の円形加速器を運用するCEERNCERNではない)に由来するレーザー装置で自らを縮退させての分身を造り出して[黒々と渦を巻く底無しの臍(へそ)]にその分身を送り込んで自己の魂に引導を渡す]との挙動(主人公ロレンス・タルボット主導の挙動)が実行に移されると描かれる]

とのことの出典表記とした。

出典(Source)紹介の部112はここまでとする)


(従前内容を振り返りつつ、問題となりうるところを[付記]の部として呈示なしておく)

 再述するが、本稿にての補説3の部、の中にあっての出典(Source)紹介の部94(7)を包摂する部では ――(最終的に【ペルセポネ】および【ヘカテ】および【ケルベロス】らの各存在と複合的に接合しているとのエジプトからのギリシャ・ローマ世界への渡来神たる【イシス】という女神にまつわる古典内記載が「どういうわけなのか」ブラックホール開闢理論と「奇怪無比なるかたちで」先覚的に結びついているとのことを詳説すべくも展開してきたとの話の中での出典紹介部として)―― 【ヘカテ】と【ケルベロス】らに

「双方、[三面構造]を持った存在である」
「双方、[犬]との属性と結びつく存在である」
「双方、[冥界]と関わる存在である(にあっては[冥界の番犬]と[辻々の番人]との両者性質が重なるようなところもある)」
「双方ともに毒物[トリカブト]由来と濃厚に結びつく存在である」

との結節点が伴っていることの論拠呈示をなしていた。

 上のヘカテとケルベロスの結節性に見るトリカブトにまつわる話(「双方ともに毒物[トリカブト]由来と濃厚に結びつく存在である」)は

[ヘラクレスにより冥界から引きづり出されたとのケルベロスの唾(つばき)が【トリカブト】の由来と結びつくとのエピソード]

「とも」なっている(:本稿にての出典(Source)紹介の部94(7)で古代ローマ期の文人オウィディウスによる THE METAMORPHOSES『変身物語』、そのオンライン上より誰もダウンロードできるところの Project Gutenberg公開版の文中にての注釈部30の記載内容から抜粋なしていたとおりである、すなわち、 30.An Hecatean Herb. ― Ver. 139. This was aconite, or wolfsbane, said to have been discovered by Hecate, the mother of Medea. She was the first who sought after, and taught the properties of poisonous herbs. Some accounts say, that the aconite was produced from the foam of Cerberus, when dragged by Hercules from the infernal regions.「30.ヘカティアン(ヘカテの薬草)とは:(139)これはメディアの母たるヘカテによって発見されたとされている[トリカブト](アーコォナイト)、すなわち、ウルフズ・ベイン(狼の毒)のことである.彼女ヘカテは毒草特性について追求、そして、教えをなしたとの最初の存在であった.幾人かの説明では[トリカブト]は黄泉の領域からヘラクレスによって引きづり出された折、ケルベロスの泡つばき(涎)から産生されたとのことである」(引用部訳はここまでとする)と引いていたとおりである)。

 そこに見るトリカブト、同毒物については人類史にあって

[代表的矢毒(矢で普通ならば致命傷にならぬ傷でも標的を殺傷できるようにと鏃(やじり)に添付する毒性物質)の一つ]

として用いられてきたとの経緯があるとされるものともなる (:同点については和文ウィキペディア[毒矢]項目にて[トリカブト毒文化圏 - 東北アジア・シベリア・アラスカ]との記載がなされ、(これより内容有為転変する可能性あるが、現行にての同項目記載内容より引用するところとして)世界の毒矢文化は、高度に発達した地域と未発達な地域の差が大きい。名古屋学院大学教授で民族学者・毒物学者の石川元助は、毒矢の文化圏を主要な矢毒と関連付け、4つに大別している.・・・(中略)・・・トリカブト毒文化圏 - 東北アジア・シベリア・アラスカ・・・(中略)・・・北海道のアイヌ民族は、このトリカブト、あるいは附子を「スルク」と呼び、狩猟に用いてきた.矢の先に塗布するほか、獣道に仕掛けた仕掛け弓「アマッポ」でヒグマやエゾシカを捕らえる.矢の刺さった箇所の周囲の肉を握りこぶしほどの量ほどえぐり取って捨てれば、ほかは食べても問題が無かった.トリカブトの他には、日本近海で多く漁獲されるアカエイの毒針を切り取りそのまま槍先に用いたり、割って毒素を取り出すことも行われた(引用部はここまでとする)と現行にては記述されているところとなる。他面、同じくものことにつき英文Wikipedia[ Arrow Poison ]項目にあっては同じくものことにまつわって(同様に原文引用なすとして) Several species of Aconitum or "aconite" have been used as arrow poisons, which belong to the buttercup family, Ranunculaceae. The Minaro in Ladakh use A.napellus on their arrows to hunt Siberian Ibex; they were in use recently near lake Issyk Kul in Kyrgyzstan. The Ainus in Japan used a species of Aconitum to hunt Brown Bear. It was also used by the Butias and Lepchas in Sikkim and Assam. The Chinese used Aconitum poisons both for hunting and warfare.(引用部はここまでとする)と掲載されているところとなる(表記英文ウィキペディアの方が現行にての和文ウィキペディアより[トリカブト(Aconitum)の毒矢添付物としての利用地域]につき広く言及しているとのものとなりもし、そこでは日本のアイヌにあっての使用の歴史以外にもヒマラヤ界隈のラダックキルギスタンの特定地域に見るヤギ科動物アイベックに対する狩りでの使用やシッキム地方(現印度領のネパール界隈)やアッサム地方(北東印度)にての土着の民(レチャプ人等)による使用、また、中国にあっての狩猟・戦場双方でのキンボウゲ科(Ranunculaceae)に属するトリカブト数種の矢毒としての使用への言及がなされているとのかたちとなっている))

 といったこと、トリカブトが[矢毒]の代表的なるものの一つであるされているとのことは

[ブラックホール生成に対する奇怪なる予見小説『スライス・アポン・ア・タイム』にヘラクレスに由来する【矢毒 ―ヒドラの毒を塗りたくっての矢毒― 】との接合性を見出せもする]

とのつい最前の段にて細やかに指摘してきたこととの兼ね合いで「意味深くもとれる」ことである。

 ヘラクレスは本稿にての出典(Source)紹介の部110(3)で解説なしたように【ヒドラの毒を塗っての矢毒】を用いてケンタウロ・ケイロンに(故意犯ではなく過失犯としてながら)名状しがたい苦しみを与えることになり、また、【ヒドラの毒を塗っての矢毒】で殺したまた別のケンタウロのネッソスの今際の際の奸計にて同じくもの【ヒドラの矢毒】にて死ぬ原因をつくられた英雄となる(ヘラクレスの用いたとされる【ヒドラの矢毒】については和文ウィキペディアの[毒矢]項目にて「も」伝承上の言及のなされようとのことで現行、その言及がなされているところとなる)。 その【ヘラクレスのヒドラの毒矢】がブラックホールを巡る予見事象と「複合的な論拠から」関わっていると見受けられると論じてきたのが先行するところの『スライス・アポン・ア・タイム』にまつわる解説部となるのだが、他面、ヘラクレスを折々にて助け、そして、結局は殺すことになったとのヒドラの毒と同文にヘラクレスが(その第12功業にて)地獄より引きづり出したケルベロスが[人類史にあって矢毒として用いられもしてきたトリカブト]の伝承上の由来とされているとのことがあるというのがここ本段にての摘示事項である(ちなみにヘラクレスが第1功業にて死闘を繰り広げたヒドラ(後、矢毒の材にしたとの怪物)も、第12功業にて冥府で格闘したケルベロスも共に蛇女エキドナの血族として伝わる存在となっており ―本稿にての出典(Source)紹介の部63(4)などを参照のこと― 、ヒドラが9つの蛇の頭を持つ存在であると伝わるとされる存在であるのに対して、三つ首の地獄の犬たるケルベロスもまた背に無数の蛇を生やした存在として伝わる存在である)

 そうした繋がり合いについて意味を見出しても[行き過ぎにならぬ](相応の類があたら振り回す印象論と同種同文のものとはならぬ)とのこと、それだけのことを本稿の補説3の部では ―その長大なパートの内容をきちんと確認いただきたいものであるとのところとして― 詳述している。
 すなわち、

[【ケルベロス】・【ヘカテ】・【ペルセポネ】らと【イシス】神の結びつきからどういうわけかブラックホールにまつわる寓意性が複合的に見出せるように「なってしまっている」 (それら結びつきが[ブラックホール理論開闢に影響している事物]や[複数古典に今日的な観点で見たブラックホール類似物がどういうわけかお目見えしているとのこと]らと別個独立に複合的に結節している、「確率論的な意味で偶然の可能性など観念できるようなものではない」との按配で別個独立に複合的に結節しているとのことと「なってしまっている」) ]

とのことについての詳述をなしている。

 以上から述べたきことは、(端的には、)

「【ヒドラの毒】というものが[特定ブラックホール生成問題予見文物(たる『スライス・アポン・ア・タイム』)におけるヘラクレス12功業と結びつくとの相応の特性]に関わるようにもなっているとのことを摘示せんとしてきたのが本稿ここまでの内容だが、その【ヒドラの毒】と相通ずるところがある矢毒として用いられてきたケルベロス由来のトリカブト(毒の涎よだれ)からして ―補説3にて延々と呈示してきた【ケルベロス】・【ヘカテ】・【ペルセポネ】らと【イシス】を巡る関係性から― ブラックホール関連で軽んじざるべきものとの側面を帯びている」

とのこととなる(同点については「本稿にての補説3の部の内容に対して理解が及んでいなければ、何を述べているのか、分からなかろうところか」とも思うのだが、理解をなしている人間のことを想定しての話をなしている)

 さらに加えもして述べれば、
[ウルフズ・ベイン]
とも呼ばれるトリカブト ―(トリカブトのウルフズ・ベイン呼称については「つい最前の段にてもそこより再引用をなしている」とのオウィディウス著作記述を参照のこと)― については、
[【デメテル⇔ペルセポネ⇔ヘカテ⇔ケルベロス】との同一性から【ケルベロス】(ヘラクレス第12功業の捕縛対象)とのつながりも見出せるとの女神【デメテル】の名を冠する者]
より主人公が
[15兆電子ボルト加速器を運用するCEERNCERNではない)のレーザー装置によって黒々とした底無しの渦を巻く自身の臍(へそ)の穴の中に縮退化させての自身の分身を送り込み自身の魂に引導を渡すとのことをなす前の前提となる魂の座標の案内]
をされたとの筋立ての(ここにて問題視している)小説、

Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N, Longitude 77°00'13W『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』

からして作中内にてそれ(ウルフズベイン:トリカブト)への言及がなされているとのことがある。
 
 引用をなす。

(直下、オンライン上より現行、全文確認可能となっている Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N, Longitude77°00'13Wの表記のことを示すための端的なる原文引用をなすとして)

They met on the thirtieth of that month, at moonless midnight, on the corpse barge that piled between Buda and Pesht. It was the correct sort of night: chill fog moved in a pulsing curtain up the Danube from Belgrade.
[ . . . ]
Victor grinned and murmured ominously.
"Even a man who is pure in heart
"And says his prayers by night,
"May become a wolf when the wolfbane blooms
"And the Autumn moon shines bright,"

Talbot made a face. "And other songs from the same album."

(オンライン上より文言検索にて内容確認できもする原著よりの引用部はここまでとしておく)

(直下、上にてのオンライン上から確認できる原著表記に対して邦訳版、『世界SF大賞傑作選8』(講談社刊)にての当該作品掲載部p.206-p.207の記述よりの部分抜粋をなすとして)

その月の三十日、月のない真夜中、二人はブダとペシュト間を行き来する死体運搬船の上で落ちあった。おあつらえむきの夜だった。ひんやりする霧がベオグラードの方角からダニューブをのぼり、脈打つカーテンとなって流れた。
・・・(中略)・・・
ヴィクトルはにやりとし、陰気な声でつぶやいた――
「清らかな心を持ち
夜ごと祈りを捧げる人でさえ
とりかぶと(ウルフベイン)の花咲き
秋の月輝くころは狼にもなろう

タルボットはしぶい顔をした。「その他同じアルバムからヒット曲の数々」

(原著に対する訳書よりの引用部はここまでとしておく)

 上の引用部に見るようなかたちで字数としてそう多くはない文量の小説(中編小説:ノヴェレットに属する小説)たる『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』にはトリカブトへの言及がなされている。

 これにて

『微に入ってのことを[不必要な因数分解]として取り上げているきらいがある』

と(["こと"の次第]に対する理解が及んでいないとの向きには)見られようことかと承知の上で敢えても取り上げたことにまつわっての[付記]の部を終えることとする。

 ここまでにて

【デメテル←→ペルセポネ←→ヘカテ】

との一致性にまつわる歴史的解釈、そして、

【ヘカテ←→ケルベロス】

との多重的連続性から『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』にあって

【魂の座標を報せた存在 ―作中にてCEERNCERNではない)のレーザー装置による縮退化挙動への道筋を付けた存在― 】

として登場してくる人物の名とされているギリシャの女神デメテル(⇔ペルセポネ⇔ヘカテ⇔ケルベロス⇔ヘラクレス第12功業捕縛対象たる三面の地獄の犬)との絡みで

【ヘラクレスの計12に及ぶ功業】、【(ヘラクレス第11功業に見る)巨人アトラス】、【トロイア崩壊伝承に見るトロイア崩壊の原因たる(他伝承では巨人アトラスが在処を把握するとされる)黄金の林檎】、【巨人アトラスともトロイア崩壊元凶たる黄金の林檎とも史的に結びつけられてきたとのアトランティス沈没伝承】、【アトラスやアトランティスといった固有名詞を付されてのLHC実験におけるブラックホール生成論議に関わる事物】との要素らのうちの「複数」を特色として帯びつつ、かつ、【911の事件の発生(態様)にまつわる予見的言及】ないし【ブラックホール人為生成問題にまつわる「先覚的言及」】の一方、あるいは、その双方の特徴を呈しているとの文物らが「不可解に」存在しているとの関係性の環]

のことが問題小説(『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』)にも当てはまると論じてきた。

 以上のことに加えもして(『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』に登場するデメテルとの絡みで問題となる)【ペルセポネ】という女神については

[(黄金の林檎にてはじまったトロイア戦争での)トロイア崩壊の原因となった【美女ヘレン】と同様に【同一の存在ら】(テセウスとペイリトオスの両雄)による略取対象]

となっていたとのこと「も」あり(ギリシャ伝承における伝説上のアテナ王テセウスと同テセウスと莫逆の交わりを結んでの友ペイリトオスらは[ヘレン]を略取せんとした際にヘレンを自分の細君に無理矢理なさしめることができた方がそれができなかった片方のパートナー探しを手伝うとの約を取り交わしもしており、そうした中でテセウスの方がヘレンを妻として略取奏功させることになり、ペイリトオスがその後(無謀なことに)冥界主催者ハデス細君となっていたペルセポネを自分の妻とすべくもの冥界下りをなすことを決定してテセウスはそのペイリトオスの冥界下りに同道することになりもした・・・・そういうエピソードが伝わっている ―出典(Source)紹介の部90(10)]― )、 そのように略取されていた【美女ヘレン】(ペルセポネ略取と同じくもの誓約にて関わっているとの美女)が救出を見た後、長じて

[ヘラクレス第11功業の目標となっている【黄金の林檎の対価】としてのトロイア崩壊原因]

となっているとのこと「も」がある (具体的には三大女神らの間で[絶世の美女の証としての黄金の林檎]を巡って争われた美人コンテストにあってそのレフリーとして招かれたトロイア王子パリスに対してアフロディテ(という女神)が自身を勝たせるための賄賂として絶世の美女たる人妻ヘレンの供与を申し出、その条件をトロイア皇子にして美人コンテスト審判者との役割を与えられたパリスが呑んだため、ヘレンの本来の夫あったギリシャ王メネラオースの兄アガメムノンを盟主にしてのギリシャ軍勢が雲霞(うんか)のように押し寄せての[最終的にトロイア崩壊に至る泥沼化しての一進一退の攻城戦]の開始につながったとの神話的説明が ―トロイア滅尽はかねてよりのゼウスの予定であったところを大義が[都合よく用意された]との申しようもなされる中で― なされているとの背景がある) 

 直上にて言及のように

[【黄金の林檎の対価としてのヘレン】と【ペルセポネ】の間には【テセウスとペイリトオスの略取対象】としての接合性を観念できる]

とのことがあるのだが、[黄金の林檎]とはヘラクレスの11番目の功業の目標物となっているもの「でも」ある(出典(Source)紹介の部39/ヘラクレスはそちら黄金の林檎を巨人アトラスを通じて取得したと伝わっている)。

 だけではなく、ヘレンとペルセポネを略取対象としたテセウスとペイリトオスらは

[身の程知らずをとがめられるかたちで冥界の忘れ椅子の獄]

に繋がれていたところをヘラクレスによって([ケルベロス捕縛]を目標としてのヘラクレス12番目の功業にて「ついで、」として)救出されたとの存在であるとも伝存している(出典(Source)紹介の部90(10)])。

 以上のことから、

[デメテル ⇒ (同一物とする理解が存在) ⇒ ペルセポネ]

との属性を帯びているとのデメテル、問題となる小説 Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N, Longitude77°00'13W『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』にあって小説主人公に

[魂の座標へと至る道についてのヒント]

を与えて、結果、

[15兆電子ボルトが出せるとの架空の円形加速器を運用するCEERNCERNではない)に由来するレーザー装置で自らを縮退させての分身を造り出して[黒々と渦を巻く底無しの臍(へそ)]にその分身を送り込んで自己の魂に引導を渡す]との挙を(小説主人公に)促した]

とのその登場人物の名前である同デメテル ―同デメテルが問題小説それ自体からして「ギリシャ女神デメテルの名と同じである」との式で言及されている女神であることは先立っての出典(Source)紹介の部112 にあって引用を通じて示した― からは、(ギリシャのデメテルと同一存在視されもしていると本稿にて解説してきたペルセポネを通じもして)、これまたもってして、

[ヘラクレス12功業(のうちの第11功業と第12功業)との関係性]

のことが想起されるかたちとなりもしている。

 尚、最前にての出典(Source)紹介の部112で[デメテルという女神の名を冠する存在によって(問題小説にあって)CEERN装置が用いられる契機がもたらされたと描写されている]とのことについての文献的事実としての論拠を挙げたわけだが、それを基点にさらにもって述べられること、

[デメテルというギリシャ神話の女神が【ペルセポネ】という(その娘にあたる)女神と同一視される存在であるとのことがあり、【デメテル】【ペルセポネ】【ヘカテ】という[エレウシス秘儀]という秘教儀式体系にあって崇められる三柱の女神らについては
[ペルセポネ⇔(置き換え)⇔ヘカテ]
という関係性もが成立している(その関係性にあっては【イシス】という[エジプトよりギリシャ・ローマに渡来した女神]への崇拝体系も媒介項として関わっている)。
 そして、【ペルセポネ(⇔デメテル)】と置き換え可能な【ヘカテ】については同女神が【ケルベロス】と複合的に結びつくことがあり、それがゆえ、
【デメテル】⇔(同一視の風潮あり)⇔【ペルセポネ】⇔(同一視の風潮あり)⇔【ヘカテ】⇔(際立っての記号論的接合性)⇔【地獄の番犬ケルベロス】
との関係性から【デメテル】より【ヘラクレス第12功業の目標物であるケルベロス】のことが想起される(ようになってもいる)。
 また、【デメテル】⇔(同一視)⇔【ペルセポネ】とのことで浮上してくる【ペルセポネ】については ―ケルベロス「ではなく」ヘレンという神話上の美女を介して― 複合的に[ヘラクレスの第11功業および第12功業と結びついている存在]となっているとのこともがある]

とのことの出典については、典拠となる出典が極めて多岐にわたり、かつ、入り組んでおり、軽妙手軽に出所を紹介しきれるようなものではない。

 であるから、同じくもの点については極めて長大なものとなっている本稿にての先立つ補説3の部、

(ワープロソフトの文字数集計機能を用いて確認したとの文量の話として)そこだけで計にして何十万字もの文量を割きもしての、「一意専心してのところながらも、」との箇所でありつつそこまでの文量をもってしての指し示しに努めての部である」

とのそちら補説3の部、現存するローマ期古典から19世紀20世紀の学究論稿などの該当文献を数多挙げながら、何がどう、具体論として(表記のことを含む証明事項として)異論許さないかたちにて述べられるのかを十全に指し示している(「網羅的に指し示している」)との同セクションの内容を確認いただければ、と思う(きちんと目を通していただければすべて理解・納得いただけるであろうと請け合う)。

 その点、本稿にての補説3の部では

[尋常一様ならざる相互関係の例]

として下に再掲しての通りの多重的関係性 ―単体でならばいざ知らずも相互に連関を呈しながら成立しているとの多重的関係性― が確としてそこに実在することについて ―多数の資料を挙げ委曲尽くしての解説に膨大な文量を割いて― 「ひたすらに実証的に」証することに努めてきた。 



直上の部までをもってして

Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N, Longitude77°00'13W (邦題)『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』(1974)

という作品が同じくも本当冒頭部より問題視してきたとの Thrice Upon a Time(邦題)『未来からのホットライン』と同文に

【ヘラクレスの計12に及ぶ功業】、【(ヘラクレス第11功業に見る)巨人アトラス】、【トロイア崩壊伝承に見るトロイア崩壊の原因たる(他伝承では巨人アトラスが在処を把握するとされる)黄金の林檎】、【巨人アトラスともトロイア崩壊元凶たる黄金の林檎とも史的に結びつけられてきたとのアトランティス沈没伝承】、【アトラスやアトランティスといった固有名詞を付されてのLHC実験におけるブラックホール生成論議に関わる事物】との要素らのうちの「複数」を特色として帯びつつ、かつ、【911の事件の発生(態様)にまつわる予見的言及】ないし【ブラックホール人為生成問題にまつわる「先覚的言及」】の一方、あるいは、その双方の特徴を呈しているとの文物らが「不可解に」存在しているとの関係性の環に組み込まれている作品]

との側面を有しているとのことを指摘すべくもの話に一区切りをつける。

(:委細を省いて指し示しもしてきたことの[まとめ]をなせば、である。
 問題視している小説 Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N, Longitude77°00'13Wに関しては
911の事件の発生の予言的事前言及とも受け取れる要素
を「若干ながらも」具備しているとのことがある(ただしそれだけでは問題にならないようなところではある)。 すなわち、表記小説表題にみとめられるランゲルハンス島の考案者と【双子のパラドックス】という科学概念の考案者の名には[姓名を構成するアルファベット12字中、10字(viの2字を除く10字)を[字の綴り順序込み]で共有している]との一致性がみとめられるとのことがあり、そして、【双子のパラドックス】となれば、1「911」年提唱のもの、また、「双子」関連のものとして双子のビルが攻撃された911の事件のことを想起させるとのことがありもすることになる。無論、だけではない。表記小説タイトルにみとめられるこれ見よがしの座標軸 ―北緯38度54分、西経77度0分13秒との座標軸― はワシントンDC界隈(ホワイトハウス界隈)の座標軸となっているのだが、現実のホワイトハウス座標系とは多少ずれてもいるものながらものそちら座標軸一帯が先の911の事件にあって攻撃目標とされていた(ペンタゴンのみならず極々近傍のワシントンDC界隈、うち、ホワイトハウスや合衆国議事堂も標的にされていたとのことが公式発表上の言いようとなっている)とのことがあり、また、問題小説にみとめられるそうもした座標軸はその他の意でもってしてもかぐわかしき側面を帯びているとの風がある(座標軸にみとめられる西経77度の【77】がいかように911の事件にあって頻出を見ている数値なのかも先に解説しているところである)。 そしてさらにものこととして、【ブラックホールのことを主軸として扱い、また、双子のパラドックスまわりのところにて[911の事件の発生への事前言及]をなしているとの際立っての「他の」文物】が実在している(実在してしまっている)とのことを本稿では既に示しているとのことがあり ―具体的には BLACK HOLES & TIME WARP Einstein's Outrageous Legacy(邦題)『ブラックホールと時空の歪み アインシュタインのとんでもない遺産』との著作のその意で問題となる特性の細かき摘示をなしてきたとのことがあり― 、といった中で【ブラックホール人為生成問題にまつわる異様なる先覚的言及】との絡みで着目すべき作品として取り上げてきた『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』にあっての【双子のパラドックス】と結びつきうる(「ブラックホール関連の」その他の文物ではまさしくも911の予見事象と通じている【双子のパラドックス】と結びつきうる)との側面の意味合いが「さらに重くもなる」とのことがある。
 以上振り返ったように Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N, Longitude77°00'13W
【911の事件の発生の予言的事前言及とも受け取れる要素】
と結びつくと述べるわけではあるも、同小説が
ヘラクレスの12功業との結節点が観念できる作品
「とも」なっているとのことを重要なるところとしてここまでにて指し示してきた次第でもある。
 すなわち、表記小説の中では【ブラックホール人為生成問題の予見描写と解される(正気ならばそうとしか見えない)との描写】を伴っての主人公の挙が実行された契機がギリシャの女神【デメテル】の名を冠する男の情報提供によってもたらされたとされており、【デメテル】とくれば、デメテル娘ともされる【ペルセポネ】と同一視されること、また、【ペルセポネ】とくれば、【ケルベロス】と複合的なパスで繋がっているとのことがある、そして、【ケルベロス】はヘラクレスの第12功業の目標物である(本稿でそれが何故、加速器実験と結びつくようになっているのか仔細に解説してきたとの【黄金の林檎】がヘラクレスの第11功業の目標物となっている中、【ケルベロス】はヘラクレスの第12功業の目標物である)から Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N, Longitude77°00'13W
【ヘラクレスの12功業との結節点が観念できる作品】
であるとも指摘するわけである ―【デメテル】との存在(と【ペルセポネ】の繋がり合い)からヘラクレス12功業との関係が問題になるとしてきたことについては「牽強付会である(こじつけがましい)」と思われる向きもあられるかもしれないが、デメテル・ペルセポネ・ヘカテの[エレウシス秘儀]崇拝対象たる三大女神がいかようにしてブラックホール関連の問題に深くも結びついていると摘示できるのか、そして、同じくものことがまたいかようにしてヘラクレス12功業の問題とも(ケルベロスを介して)接合しているのか、について専一に論じているとの本稿補説3の部をよくもご覧頂ければ、「そこに牽強付会な要素などない」とのこと、ご理解いただけることか、と思う― 。
 これにて[まとめ]の部を終えたい)。

([補足]として ―ここ[補足]の段は印象論・可能性論としてのきらいが強くなっているため、何であれば、無視していただいても構わない

 本稿冒頭部にあっての[事実F]から[事実J]にまつわる解説部では

Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N, Longitude77°00'13W(邦題)『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』(1974)

という作品が特定の文学賞(優れたサイエンス・フィクション分野の作品に授与されるとのヒューゴ賞という賞状)の受賞態様から「なるべくして」 The Hole Man『ホール・マン』という他の作品と著名SF傑作編にて連続掲載されている ―( Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N, Longitude77°00'13Wが1975年ヒューゴ賞中編分野受賞作品、 The Hole Man『ホール・マン』が1975年ヒューゴ賞短編分野受賞作品となっている関係上、 the Hugo winnersとの体裁定例化しての傑作選にて連続掲載されている)― とのことを問題視していた。
 
 そちら『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』とある程度の知名度を有する撰集シリーズにて連続掲載がなされているとの小説 The Hole Man『ホール・マン』

[重力波通信装置から漏れ出た極微ブラックホールが暴走、火星を呑み込む]

との粗筋を有していることから Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N, Longitude77°00'13Wにあっての(皮肉としての)かぐわかしき側面 ―([CERN類似の架空の研究機関CEERNの15兆電子ボルト加速器を登場させていること][CEERN由来のレーザー装置で主人公が黒々と渦を巻く底無しの自身の臍(へそ)の穴に自身の縮退化させての分身を送り込むとのストーリー展開を見せていること]に見るかぐわしき側面)― を本稿前半部より問題視していたわけである。

 それにつき、『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』『ホール・マン』の関係性を問題視していた折、

「問題となるそれら両作品 ―― Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N, Longitude77°00'13Wおよび The Hole Manの両作品―― については知名度を有した傑作選(英文Wikipediaにもそれ専門の紹介ページが設けられている「アイザック・アシモフを解説者・編者にしてのもの」との体裁でのヒューゴ賞受賞作品を選り集めての撰集 The Hugo Winners)にてただ単純に賞の受賞形態から連続掲載なされていただけではなく、[一方の小説の主人公]のファーストネームの正式呼称と愛称が[他方の小説の作者]のファーストネームの正式呼称にして愛称となっている]

とのことをも指摘なしていた(具体的には The Hole Manの作者がラリー・ニーヴンという名前で知られる著名作家となっている、より正確には「Larry(ラリー)」 Nivenこと「Laurence(ローレンス)」 van Cott Nivenとなっているのに対してハーラン・エリスン( Harlan Elison )という作家の手になる『ホール・マン』との連続掲載が具現化している Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N,Longitude77°00'13Wの主人公の名前がラリー・タルボット、 「Larry(ラリー)」Talbotこと「Lawrence(ローレンス)」Talbotとなっており、ラリーおよびその正式名称のローレンスを介してのつながり「も」があると指摘なしていた ―本稿前半部出典(Source)紹介の部6― )。

 ここではその

[ブラックホールにまつわる作品とのことで問題になる小説らにつき[一方の作品の主人公のファーストネームの正式名称およびその愛称]が[他方の小説の作者のファーストネームの正式呼称およびその愛称]となっている](ラリーおよびその正式名称のローレンスを介してのつながりがある)

とのことについて「さらに」[悪質な恣意的やりようであるとの可能性が伴っていること]を ―細々と微に入っての話とはなるのだが― 補足として取り上げておくこととする。

 さて、筆者は[ブラックホール生成問題に関する露骨な先覚的言及をなしている「その他の」小説作品]として、

Thrice Upon a Time(邦題)『未来からのホットライン』

という作品にあって

[ペルセウス座流星群(Perseids)と結びつけられての隕石で破壊された人工衛星より漏出した人造ウィルス禍に対する秘匿コード[センチュリオン]]

なるものが登場していることの意味性を先立って問題視していた(:については【センチュリオンと繋がるケンタウロス、ヘラクレスの12功業に見るケンタウロスに由来するヒドラの毒についての寓意】、【ケンタウロスと現実世界にてのブラックホール生成問題の関係性】とのことらに関わるところとして先覚性帯びての寓意が見出せるようになっているとのこと、先に事細かに解説していた ――つい先立っての出典(Source)紹介の部110(4)から出典(Source)紹介の部110(8)を包摂する部のこととなる―― )。

 そこに見る、 Thrice Upon a Time(邦題)『未来からのホットライン』にあっての

[ペルセウス座流星群(Perseids)と結びつけられての隕石で破壊された人工衛星より漏出した人造ウィルス禍に対する秘匿コード[センチュリオン]]

なるものがローレンス(ラリィ)との名前「とも」ある種、結びついているとのことが Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N, Longitude77°00'13W The Hole Manの間にて成立しているとの、

[[一方の作品の主人公のファーストネームの正式名称およびその愛称]が[他方の小説の作者のファーストネームの正式呼称およびその愛称]となっている](ラリーおよびその正式名称のローレンスを介してのつながりがある)

との関係性に相通ずるところがあるようにもなっている(問題はそうもしたことがあることが【偶然の産物】で済むのか、あるいは、「そこからして」【恣意の賜物】であるのか、とのことであるとしつつも、とにかくも、重篤たりうるとの関係性が指摘できるようになっている)。

 その点、まずもって書くが、

[ペルセウス流星群とは(それが先述のようにペルセウス座、そして、の中の、メデューサと結びつく悪魔の星アルコルと結びつくのみならず)キリスト教の聖人、セイント・ローレンスことローマのラウレンティヌスと強くも結びつけられているとのことがある。というのも、殉教の際、火あぶりにされて、「こちらは焼けたから、もうひっくり返してよい」とローマ兵らに述べたなぞとの偉人伝(とされるが、常人には馬鹿げたマゾヒスティック・トピックにしか見えぬとの話)が伝わっている同聖人の末期の折が8月10日とされており、その日にペルセウス座流星群が観測されるがためにペルセウス座流星群はセント・ローレンスの涙と呼ばれているとのことがある]

と広く知られていることとなっている(出典として:諸種いくらでも言及なしている媒体が目につくが、目立つところでは英文Wikipedia[Perseids](ペルセウス座流星群)]項目にて現行、 The earliest information on this meteor shower is found in Chinese annals in 36 AD. However credit for recognising the shower's annual appearance is given to Adolphe Quetelet who reported in 1835 that there was a shower emanating from the constellation Perseus. Some Catholics refer to the Perseids as the "tears of St. Lawrence", since 10 August is the date of that saint's martyrdom.(訳として)「この(ペルセウス座流星群という)流星群についての最も初期の言及は紀元三六年の中国にての年代記に見出すことができる。しかしながら、同流星群の年単位出現にて記録したとの栄誉は[ペルセウス座の方向より放出見ている流星群がある]との報告を1805年になしたアドルフ・ケトレーに帰せられている。カトリック信徒のいくらかはこのペルセウス座流星群をもってして、その登場時期8月10日がそちら聖人の殉教日に該当するとのことで[聖ローレンスの涙]として言及することがある」と記載されているようなことがある)。

 とすれば、表記のフィクション( Thrice Upon a Time(邦題)『未来からのホットライン』)にあっては

[[セント・ローレンスの涙]=[ペルセウス座流星群]と関わる隕石による破壊の結果、秘匿コード・センチュリオン(で呼び習わされての極秘対処策)が発動されることになった]

との筋立てが採用されているとも述べられるわけだが、そこに見る秘匿コード・センチュリオンにまつわる話が

[[センチュリオン]と[ケンタウロ(ケンタウロス)]との間にはつながりがある]

[フィクションならぬ現実世界で[ケンタウロ・イベント]と呼ばれることになった現象のことが([高エネルギー宇宙線]関連の現象として)学者の世界で問題視されてきたとのことがあり、そちらケンタウロ・イベントに関しては[LHC実験のブラックホール生成可能性にあって[宇宙線]現象が安全性論拠とされるに至った]とのこととのつながりあいも観念されもするところとなっている]
⇒(それゆえに)
[[ケンタウロとヒドラの毒の物語]はヘラクレス12功業のうちの第11功業およびヘラクレスの最期に関わっている。他面、ケンタウロは[小説 Thrice Upon a Time(邦題)『未来からのホットライン』にあっての大量の極微ブラックホール生成後の人類絶滅を回避した後のウィルス禍を指してのコードネーム・「センチュリオン」]とつながり、また、[ヘラクレス第11の功業と命名規則上、結びつけられているLHC実験にあって中途(2001年以降)よりそれがなされうると肯定されるに至ったブラックホール生成挙動]ともつながる側面がある(ケンタウロ・イベント)]

とのおおよその流れから複合的に[ブラックホール生成問題]と関わっているとのことを仔細に論じてきたというのが本稿の先の段の内容である。

 以上のような Thrice Upon a Time(邦題)『未来からのホットライン』に見る秘匿コード[センチュリオン]の特性([ペルセウス座流星群]こと[セント・ローレンスの涙]に由来するところとして発動された秘匿コード)から、

ローレンス(愛称ラリィ)という名称と結びつく作品ら、小説『ホール・マン』(重力波通信機より漏出した極微ブラックホール暴走を描くとの筋立ての作品であり、1974年にローレンス・ニーヴンことラリィ・ニーヴンによって上梓された作品)および『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』(1980年に世に出た Thrice Upon a Time同様にブラックホール関連の奇怪なる先覚的言及をなしておりその絡みにて『ホール・マン』との連続関係が問題となりもする作品であり、ローレンス・タルボットことラリィ・タルボットを主人公とする1974年初出の作品)のことを想起させもする」

とのこととの兼ね合いで

[「さらにもっての」恣意性介在の可能性]

が[ありうべきところ]として浮上してこようと述べるのである。

 無論、上だけ述べれば、牽強付会(こじつけがましきところ)となるわけだが、だが、しかし、さらにもってしての次のようなことらがある。

・1980年小説『未来からのホットライン』では[秘匿コード・センチュリオン](これからしてフィクションならぬ現実世界の極微ブラックホール暴走可能性問題との絡みで問題となる命名規則とつながるものである)を振られての秘密作戦発令が発覚する前に「極微ブラックホールが加速器利用型レーザー核融合炉によって大量に生成されて」【バゴファント】と呼ばれる現象を引き起こしたとの内容を有している(:先の段の『未来からのホットライン』の粗筋紹介部で説明しているように【バゴファント】とは【バグ】(虫)と【エレファント】(象)の造語であり、(極微ブラックホールの漏出に原因を持つと臭わせるとのかたちで)[象[エレファント]クラスの質量の虫[バグ]に刺されたように人体に穴が開くとの現象を指す ――英文Wikipedia[ Thrice Upon a Time ]項目にて Shortly after the incident, strange events start occurring around the world, with so-called bugophants ( a blend of bug and elephant ) drilling tiny, long, straight holes through a myriad of objects, from human bodies to telescope mirrors.「その僅か後、世界各地で奇妙な出来事が発生しだし、それは[[bugophants]といった現象名呼称を伴っての出来事]にして[微少なる物体から人体、そして、望遠鏡の鏡面部に至るまでドリルにて開けたような直線上の穴が開くとの出来事]となっていた」と記載されているところである―― )。 
 他面、ローレンス・ニーヴンことラリー・ニーヴンの手になる1974年小説『ホール・マン』では[重力波通信機から漏出したブラックホール]が(直上言及の)[バゴファント]よろしくの効果を呈して犠牲者を殺す(偏執的なブラックホールへのこだわりから作中、[ホール・マン]と呼ばれることになっていた科学者を軽侮していたスペース・シップ・クルーが彼が馬鹿にしていた[ホール・マン]が開け放ったブラックホールの直撃を食らって死亡する ――訳書『世界SF大賞傑作選8』の『ホール・マン』掲載箇所にあってのp.270-p.271にて(再度の原文抜粋するところとして)リアは肩をすくめ、首をふった。「何による殺人だい?あの中にブラックホールがあるなんて、チルドレイは信じてもいなかった。あんたたちも、似たようなもんだ」唐突に、にやりと笑った。「裁判がどんなものになるか、考えてみろよ。検事が陪審団に、ことの次第に関する自分の考えを説明するところを想像するんだ。それにはまず、ブラックホールについて話さなきゃならない。つぎに量子ブラックホール。それから、兇器が発見できない理由、それが火星の中をつきぬけて動きまわっていることを、説明しなくちゃならないんだぜ!そこへいくまでに、笑いとばされて法廷からおん出されずにすんだとしても、その上さらに、原子よりも小さなそんなものがどうして人を殺せるのかということを、説明しなくちゃならないんだ!(引用部はここまでとする)との部位、原著 The Hole Manにては Lear shrugged it off. "Murder with what? Childrey didn't believe there was a black hole in there at all. Neither did many of you." He smiled suddenly. "Can you imagine what the trial would be like? Imagine the prosecuting attorney trying to tell a jury what he thinks happened. First he's got to tell them what a black hole is. Then a quantum black hole. Then he's got to explain why he doesn't have the murder weapon, and where he left it, freely falling through Mars! And if he gets that far without being laughed out of court, he's still got to explain how a thing smaller than an atom could hurt anyone!"との部位にまつわるところである―― )。
 要するに、(それが科学的に正確な書かれようか否かは置いておき)、【ブラックホールによる災禍を斥けたものの、次いで、セント・ローレンスの涙と呼称されもするペルセウス座流星群に由来する人造ウィルス漏出の災禍に人類が襲われることになったと描かれる1980年小説『未来からのホットライン』】と【ローレンスというファースト・ネームの作家による1974年小説『ホール・マン』】については極めて似通った内容を有している(暴走した極微ブラックホールが[弾丸]化して犠牲者の肉体を貫くとの内容がそれである)とのこともが「ある」わけである。

・上のようなことから離れてより巨視的に見て、『未来からのホットライン』および(『ホール・マン』と複合的連続関係を呈する)『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』が双方ともどもに、

【ヘラクレスの計12に及ぶ功業】、【(ヘラクレス第11功業に見る)巨人アトラス】、【トロイア崩壊伝承に見るトロイア崩壊の原因たる(他伝承では巨人アトラスが在処を把握するとされる)黄金の林檎】、【巨人アトラスともトロイア崩壊元凶たる黄金の林檎とも史的に結びつけられてきたとのアトランティス沈没伝承】、【アトラスやアトランティスといった固有名詞を付されてのLHC実験におけるブラックホール生成論議に関わる事物】との要素らのうちの「複数」を特色として帯びつつ、かつ、【911の事件の発生(態様)にまつわる予見的言及】ないし【ブラックホール人為生成問題にまつわる「先覚的言及」】の一方、あるいは、その双方の特徴を呈しているとの文物らが「不可解に」存在している]

との関係性の環に組み込まれているとの「特異な」小説らとなっているとのこと「も」ある。
 であるから、(元よりそうした恣意性の臭いが伴っているのであるから)、
[[セント・ローレンスの涙]と異称される[ペルセウス座流星群]に起因するところとして発動される秘匿コード・センチュリオンがブラックホール人為生成と並び立つものとして過去改変して防がなければならないものとして描かれているとの作品たる『未来からのホットライン』]

ローレンス・タルボットことラリー・タルボットを主人公とする作品たる『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』]
らの間にてさらにもの連続関係が設定されている可能性がますますもってして観念される。

 以上、[セント・ローレンスの涙]を引き合いに出しての話は

「煙がないところに煙を見出している(こじつけなしている)」
「偏執狂的なる因数分解への力の入れようであり、それでもってして、無理矢理、関係性を見出そうとしている」

と[事態]を把握していないとの向きに見られかねない話、そして、相応の人種にそうした側面を(そこだけピックアップして)揶揄されかねないとのきらいある話とはなるのだが、ハウエバーの問題として、といったこととて[問題たりうるところ]として一考に値するものであると筆者としては「当然に」強調する次第である (:そちらの話が「うがち過ぎのもの」であっても他の不快な関係性が確としてそこにあること自体には何の違いはなく(現実に異論など生じようもないところで小説 Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N, Longitude77°00'13W『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』および小説 Thrice Upon a Time『未来からのホットライン』の各作品にあっては[ブラックホール人為生成にまつわる奇怪なる予言的言及]が科学界の発表とは何ら平仄の合わぬところとして極めて具体的なかたちで表出を見ているとのことがある、そうした長大なる本稿の冒頭部より問題視しているところの事実関係には何の違いもなく)、 といった中で、ここでの話のようにこじつけがましいと受け取られかねないことを言及することは却(かえ)ってよくなかったか、とも思っているのだが、その一方でそこからして一考に値することであろうと考えもして、内心にての秤量の結果、同じくものことを記述をなすこととした) 。

 ここまでにて、(要らぬところとなったかもしれないが)、

[セント・ローレンス(ラリィ)を介しての『未来からのホットライン』とそれに先立って世に出ていた『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』および『ホール・マン』のありうべき恣意的結合関係]

についての補足を終えることとする。

 ここまででもってして


Thrice Upon a Time(邦題)『未来からのホットライン』(原著版初出1980)

Adrift Just off the Islets of Langerhans : Latitude 38°54'N, Longitude77°00'13W(邦題)『北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中』(原著版初出1974)

の両二作 ―(長大なるものとせざるをえなかったとの)本稿の前半部からその問題となる[際立っての先覚的特性]について論じてきたとの作品ら― からして

【ヘラクレスの計12に及ぶ功業】、【(ヘラクレス第11功業に見る)巨人アトラス】、【トロイア崩壊伝承に見るトロイア崩壊の原因たる(他伝承では巨人アトラスが在処を把握するとされる)黄金の林檎】、【巨人アトラスともトロイア崩壊元凶たる黄金の林檎とも史的に結びつけられてきたとのアトランティス沈没伝承】、【アトラスやアトランティスといった固有名詞を付されてのLHC実験におけるブラックホール生成論議に関わる事物】との要素らのうちの「複数」を特色として帯びつつ、かつ、【911の事件の発生(態様)にまつわる予見的言及】ないし【ブラックホール人為生成問題にまつわる「先覚的言及」】の一方、あるいは、その双方の特徴を呈しているとの文物らが「不可解に」存在している]

との現実的状況 ―本稿にて核として問題視なしてきた現実的状況― に接合する作品らとなりもしている


とのことにまつわる解説をなしたとして、これ以降の段では、である。本稿ここまでの内容の振り返りをまずもってしてなしたうえで、次いで、「何が」「いかようにして」問題になるのかについての、

[意味(普通に「そうである」ととらえられるところの意味)に着目しての分析]
[確率論的分析] (計数的分析/大学の数学を高等学校レベルでの知識で対応できるようにグレード・ダウンしての話)

を事細かになしていくこととする (本稿が ―この期に及んでの比喩的口上ではなんなのであるが― 魂の無い、あるいは、魂が無いに等しい木偶(でく)・くぐつのような存在「ではない」との向きら、状況・足下の問題を理解することが出来、かつ、「早晩」殺されると分かりきっていれば運命に抗いもしようとの向きらに顧みられるとの一縷(それ以上たりえはしないだろうとも見ている)ことを念頭にそこまでの分析を事細やかになしておくこととする) 。

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直下、本稿冒頭部へのリンクを設けておく

(⇒冒頭頁へは下の部より)

[典拠紹介部第1頁 加速器実験に伴う欺瞞性から証示なせることについて]

 上掲なしているのは19世紀後半から20世紀前半にかけて活動の著名な挿絵家アーサー・ラッカムが英訳・再刊行されたワーグナーの原作歌劇 Der Ring des Nibelungen『ニーベルングの指環』 (英文通用化タイトルとしては[指輪]一語の The Ringとも呼称される歌劇) の書籍化バージョンに提供しもしていた挿絵を挙げたもの、より具体的には挿絵家ラッカムが『ニーベルングの指環』序盤部をなすパート、 Das Rheingold『ラインの黄金』のために作成・提供していたとの画を挙げたものとなる (ただ当媒体では同画に多少の演出を施している) 。

 さてもってして、挿絵に見る女、というより、人ならざるところの[女神]はイドゥン(Idunn)という存在を(音楽界の巨匠と認知されている)『ニーベルングの指環』作曲者リヒャルト・ワグナーがフライヤ(Freia)との名前で焼き直しなし、登場させているとの存在なのではあるが、イドゥンにせよ、Wagnerが登場させた(画に見る)フライヤにせよ、北欧神話における不死の果実であるところの【黄金の林檎】と紐付けられた存在となっている(彼女ら女神達は【黄金の林檎の管掌者】となる)。 
 そうもした黄金の林檎と紐付いての彼女ら(イドゥン/フライヤ)は、いわば、神々に瑞々(みずみず)しき【不死】を(若さ約するとの)【黄金の林檎】を介して供給しているとの設定の女神となりもし、そして、彼女らの管掌する【黄金の林檎】が北欧神話多神教の神々に最早若さを与えなくなったとのその時点が【終末のはじまり】であると描写されてきたとのことがある (:【終わりの始まり】が黄金の林檎にて供給される若さの喪失と結びついていると描写されるのはワグナー歌劇にせよ、北欧神話それ自体も同文のこととなる ――ワグナー歌劇では序盤より【黄金の林檎(とフライヤ)の担保する若さの維持】が【無限の力を蔵する指輪の保持】と一時的に秤量されるのだが、結局、【黄金の林檎】と比較された指輪を欲する強欲な心(による人界の操作)が世界の終末に繋がると描写される。他面、ワグナー歌劇より遙か前から存在していた北欧神話では(それを収めたエッダ詩の訳書を借りるなどしてもよかろうしウィキペディアの[イズン]関連項目などをご覧戴くのでもよかろうが、易くも確認できようところとして)神々の最終決戦であるところのラグナロクとされる終末局面にあって黄金の林檎によって担保されていた不老は停滞を見、老化が始まると描写される―― )。

 ここからが問題なのだが、本段、脇に逸れての訴求部にあってまわりくどくもの口上にて上の如きことを引き合いに出しているのは本稿にあって【次のこと】らを【黄金の林檎】との兼ね合いで(具体的根拠と共に)訴求している ―(画に見るイドゥン・フライヤにも関わるところとして訴求している)― からである。

黄金の林檎 ―それは北欧神話から離れてのギリシャ神話ではトロイア戦争の原因、すなわち、城塞トロイアの崩壊の元凶でもある(本稿の前半部にあって古典よりの原文引用でもってして典拠紹介のこととなる)― が【人間の終末】に関わるとの指摘がなせるようになって「しまっている」、しかも、それ(黄金の林檎)がブラックホール生成との兼ね合いで古今東西にまたがっての文物を介して【人間の終末】に関わるとの指摘が濃厚になせるようになって「しまっている」とのことが現実にある (:現況現在執り行なわれているLHC実験にあって「科学の進歩に資する」とされてのブラックホール生成可能性と紐付けられてきたディテクター(検出器)の名前が【黄金の林檎】の在処を識る巨人アトラスの名を冠する ATLAS Detectorとなっているとのことが確とある一方で黄金の林檎と接合するエデンの禁断の果実を用いての誘惑者の著名古典に見る描写が(それ自体、奇怪奇矯なることなのではあるも)今日的な視点で見た場合のブラックホールの近似的描写と紐付いている、そうしたことがそれこそ山となり、それら山とあることらが相互に多重的に接合しているとのこともが「ある」)。

・上掲図の元となっているワグナー歌劇『ニーベルングの指環』は【黄金の林檎】(を管掌する女神)と【無限の富(力)を約する指環】の取引が序章の部より描かれているのだが、(黄金の林檎を管掌する女神と秤量されての)【指環】の取得に固執した者らが強欲さゆえに次々と滅亡していくさまが同歌劇では描かれる(:その一番はじめの描写は『ニーベルングの指環』前半部にあっての【黄金の林檎】管掌者たるフライヤを略取、彼女フライヤを【指輪】との取引の具とした巨人ファーフナーとファーゾルドの兄弟が殺し合いをはじめるとの部となる)。 そのことは現実世界で「黄金の林檎と接合している」とのかたちとなっている巨大なリング状の装置、加速器ラージ・ハドロン・コライダーが【指輪;リング】に仮託される風が一部ある (『ニーベルングの指環』の影響下にあるJ.R.R.トールキン原作のロード・オブ・ザ・リング『指輪物語』に登場の冥王に由来する指環と結びつけられるなど加速器LHCが【指輪】に仮託される風が実験関係者含めて見受けられる) とのことと平仄が合うにも程があろうとの筋合いのことともなる (:ただ現況もってして、同じくものことを問題視する人間はまったくいない(心ある向きには是非とも確認いただきたいところなのだが検索エンジンで英文単語を何語か入れて当たりをつけんとしてみても【リングと黄金の林檎の結びつき】を加速器との関係で目立って問題視するような向きはこの世界にはいない))。

・上にて先述のように【ギリシャ神話におけるトロイア崩壊の元凶】「でも」あるとのゴールデン・アップルがそれ(黄金の林檎)に関連する事物ら(巨人ATLAS「など」)を介してブラックホール生成をなす可能性があるとの加速器 ―巨大な【リング】でもある― と結びつくとして、である。 現在にあって巨大加速器実験を実施している「研究」機関ら、および、そちら「研究」機関らに携わっていた初期の紐帯がどうやって世に生み出されたのかもがワーグナーの『ニーベルングの指輪』に通ずる側面がある。 どういうことか。 現況、加速器実験を執り行なっている主たる研究機関ら(それら研究機関らは、と同時に、ブラックホール生成可能性に伴うリスクとの観点で中途半端に海外で法廷に引きづり出された研究機関ら「でも」ある) はその沿革上、
【マンハッタン計画の子供ら】
となっているとのことがある ―同じくものことは長大な本稿本文の部にあって(入念を心掛けての)指し示しの対象としていることでもある― のであるが (:またもってして核分裂の過程に通ずる原子核人為破壊を兵器転用なそうとしたとのマンハッタン計画にあっての挙、そちら核兵器を製造するプロセスと加速器実験にての原子核人為破壊のプロセスは同一方向のベクトルを指している ―無論にして同じくものことの典拠をも本稿本論部で入念に挙げている― )、 マンハッタン計画と今日の加速器実験(におけるブラックホール生成に通ずる挙)の縁(えにし)の深さはそれ以外にも濃厚に認められるとのことがある(たとえば円形加速器という装置をそもそも生み出した者達がマンハッタン計画の主導者となっていたとのことがある等々)。
 そうもした(加速器実験運営機関を生み出した)マンハッタン計画始動の原因になっているユダヤ系の迫害の挙に出たナチスのやりよう・躍進・劫略のプロセスはワグナー歌劇『ニーベルングの指環』と濃密に結びついているとのことがある(『指環物語』作者ワグナーがユダヤ系の向きらにあって反芸術・野蛮の象徴である忌避すべき象徴とされてきたのはナチス第三帝国およびその領袖ヒトラーが反ユダヤ主義を大っぴらに喧伝していたリヒャルト・ワーグナーを最大限重要視していたとの歴史的事実があるからであり、たとえば、ナチスの実行してきた非道なる命令体系、占領統治下の反体制派・レジスタンスを夜陰に乗じて密やかに処分することを目しての行政命令であるところのナハト・ウント・ネーベル( Nacht und Nebel )、【夜と霧】行政命令 ―日本では Man's Search for Meaningとの原題を有した心理学者ヴィクトル・フランクルの書籍の「邦題」として識られている語でもある【夜と霧】(収容所が絶滅収容所へと変遷していく画期を象徴する語であるとも認識されている)― などはワグナーの『ニーベルングの指環』に由来しているとのものとなる ――※ウィキペディア[夜と霧]項目などにおいても簡明な解説がなされてはいることだが(であるから疑わしきはその程度の媒体からでも確認いただけるであろう)、ナチスドイツが欧州にて反対派を掃討するための共通規則とした【夜と霧】命令はヒトラーが愛聴していた、そして、ナチス体制下の国家芸術の象徴として扱われていたリヒャルト・ワグナーの『ニーベルングの指輪』、その『ラインの黄金』にあっての一幕(の中の[ニーブルヘルム]の下り)にて侏儒(ドワーフ)のアルベリヒが隠れ頭巾を用いて姿を消す際に口にする台詞、「夜と霧になれ、誰の目にも映らないように.」に由来しているとのことが知られている(にまつわって述べておけば、【夜と霧の呪文】を唱えたドワーフ・アルベリヒは強欲さの象徴でもあり、絶大な力をもたらす【呪いの指環】そのものを生み出した存在でもあるとワグナー歌劇では設定付けがなされているキャラクターである)―― 。

 以上のことはそれだけを読まれる限りは何が問題になるのか判じがたいとのこととなろうかとは(当然に)思うのであるが(理解を阻む詰め込み過ぎの風もあったかと脳裏をよぎりもしている)、同じくものことにまつわっての指し示しを細々となしもしている、また、そこからさらにもってして何が述べられるのかの指摘を委細を尽くしてなしているとの本稿本論部をご検討いただければ、【ことの重篤さ】 ―重篤さというのは【執拗さ】の問題として何が企図されているのかに通じもしていることである― についてご理解いただけるか、と考えている。

当サイト内にあっての【各頁および各典拠への一覧方式遷移部】、及び、【PDF形式文書配布ページ】へのリンクを直下、設けておく

各頁および各典拠への一覧方式遷移部へは以下より


問題となる[「予見的」言及→実現]の体系についての[典拠紹介部]一覧呈示頁

PDF形式文書配布ページへは以下より


典拠解説媒体としての[一括PDF文書]の公開頁

ここ本頁内の記述内容を支える【「容易に後追い確認なる」「堅い」ソースを呈示しての出典紹介部ら】のうち、一部ながらも枢要なるものへの[遷移経路]を下に設けておく典拠について疑わしいとの部があれば、必要に応じて参照されたい (:クリックすることでブラウザ ―インターネット閲覧ソフト― の[別タブ(別枠)]にて典拠紹介部を表示( open "additional" tabbed window(s) of web browsers ))

[出典(Source)紹介の部6]から[出典(Source)紹介の部10]70年代に遡るところとして[欧州CERN加速器によるブラックホール生成]を臭わせている風が如実にあるとの[複数フィクション]が存在していることにまつわっての典拠紹介部6から典拠紹介部10)
の参照は直下より (クリックすることで当該の出典紹介部を別タブにて表示)

[出典(Source)紹介の部6]
典拠紹介部第6頁 70年代小説らに見る「克明無比なる」ブラックホール生成に通ずる言及

[出典(Source)紹介の部9]
典拠紹介部第7頁 『ホール・マン』と『ランゲルハンス島沖を漂流中』の繋がり合い

[出典(Source)紹介の部10]
典拠紹介部第8頁――加速器実験に伴う欺瞞性、 そして、そこより証示なせもすること

[出典(Source)紹介の部39]トロイア崩壊の原因が黄金の林檎となっているとのこと、また、そちら黄金の林檎がヘラクレス第11功業に登場を見ている「巨人アトラスと結びつく神の果実」でもあるとのことに関しての出典紹介部39)
の参照は直下より (クリックすることで当該の出典紹介部を別タブにて表示)


典拠紹介部第35頁 ブルフィンチ神話要覧書などに見る黄金の林檎とトロイア

[出典(Source)紹介の部90](ダンテ『地獄篇』がいかようにして[ヘラレクレス12功業]と接続性を呈しているのかについての出典紹介部90以降の部)
の参照は直下より (クリックすることで当該の出典紹介部を別タブにて表示)


典拠紹介部第99頁 ダンテ『地獄篇』に見る地獄降下、そして、ブラックホール

[出典(Source)紹介の部90(5)](ダンテ『地獄篇』がいかようにして[ヘラレクレス12功業]と接続性を呈しているのかについての出典紹介部90(5)以降の部)
の参照は直下より (クリックすることで当該の出典紹介部を別タブにて表示)


典拠紹介部第101頁 ホメロス、ヴェルギリウス、そして、ダンテ

[出典(Source)紹介の部91](エレウシス秘儀の基本的解説から入っての出典紹介の部91(以降)の部)
の参照は直下より (クリックすることで当該の出典紹介部を別タブにて表示)


典拠紹介部第103頁 エレウシス秘儀、女神デメテル、女神ペルセポネ

[出典(Source)紹介の部92](エレウシス秘儀が古代にあってエジプトより渡来した女神イシス崇拝の秘教会と相通ずるものであったとの記録が遺っていることにまつわっての出典紹介の部92の部)
の参照は直下より (クリックすることで当該の出典紹介部を別タブにて表示)


典拠紹介部第103頁 エレウシス秘儀、女神デメテル、女神ペルセポネ

[出典(Source)紹介の部93](エレウシス秘儀についてさらに込み入ってのこと、現代のフリーメーソン思潮などとの接続性について典拠となるところを紹介しての出典紹介の部93(以降)の部)
の参照は直下より (クリックすることで当該の出典紹介部を別タブにて表示)


典拠紹介部第104頁 古代にての女神ペルセポネの秘教会とフリーメーソン

[出典(Source)紹介の部94(3)](デメテル・ペルセポネ・イシス・ヘカテらの一致性問題について扱っての典拠紹介部94(3)以降の部)
の参照は直下より (クリックすることで当該の出典紹介部を別タブにて表示)


典拠紹介部第105頁 イシスとペルセポネ、そして、死と再生の密儀

[出典(Source)紹介の部95(8)](シリウスBがいかようにしてケルベロス関連の伝承に接合していると述べられるのかについての典拠紹介部95(8))
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典拠紹介部第108頁 プルタルコス『モラリア』と文献的事実の問題

[出典(Source)紹介の部110(7)](【ブラックホール人為生成問題とも結びつく宇宙線によるブラックホール生成理論】と【ケンタウロス】の命名規則上の繋がり合いについて解説しての出典紹介部110(7))
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典拠紹介部第136頁 『未来からのホットライン』らの予見的言及の問題[3]